かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

?

プロジェクトマネージャー、を読むべきだという話

f:id:ton96O:20180326171837j:plain

プロジェクトマネージャーとはITに関する資格の一種、IT業界での役割の一つです。

役割の面から説明しますと、一般にプログラマー(PG)がSE(システムエンジニア)になり、PM(プロジェクトマネージャー)になり、そこからST(ITストラテジスト)やコンサルタントになります。

f:id:ton96O:20180326073241j:plain

図にするとこんな感じです。

会社によってはリーダーやマネージャなどの役職がありますが、役割とはまた別で一般性に欠けますので書いていません。

 

以下は、IT業界の一つのプロジェクトの流れです。

営業が案件を取ってきて、STやコンサルタントが提案。

大まかな枠が決まったら、STやコンサルタント(チームが決まっている場合はPM(予定))が細部を決めつつ、社内でチームを結成。

チームはPMが陣頭指揮をとって、SEとPGで実際にプログラムをします。

 

図で、上に行くほど、顧客との折衝が増え、経営的な目線が必要になります。

外資では一生プログラマ、という人もいるようですが、それでも多くの場合、経験を積めばある程度マネジメント(管理)能力、役割が期待されます

 

もう一度、プロジェクトマネージャー、PMの役割を確認します。

一つの案件の陣頭指揮をとることです。

詳細化すると、顧客とのコミュニケーションをとりつつ、案件の進捗管理・予算管理・品質管理を行います。問題が生じれば、社内外での調整を行います。

 

なんだよ、ITじゃないと関係ないじゃん」と思われるかと思います。

それは違います。

汎用化し、一般化して考えてください。

ある案件の、進捗管理・予算管理・品質管理を行い、必要に応じて社内外での調整を行う。これはどの職種でも、どの業態でも、マネジメントをするようになれば必要な視点です。

 

プロジェクトマネージャーという資格はIPAという組織が推進している「IT人材の育成」に関する施策の一つです。

情報処理技術者試験では、特定の機種やOS(企業や製品)に

依存しない出題を行っており、

>ITの技術や利活用等に関する本質的な知識を幅広く習得でき

るそうです。

 

実際、こちらの資格はプロジェクトマネージャーとしてやっていけるという証ではなく、その前提知識があると理解すべきものです。

(あなたが採用担当者でPMを探しているのであれば、この資格を持っているかよりも職務経歴書で、どのようなプロジェクトを回したのかという経験と、そのマネジメントスタイルが自社に合うかが重要です。)

 

つまり、どの業種・業態であれ、あなたがマネジメント層(今の時代だと、状況はより苛酷になっており、プレイングマネージャーでしょう)になるのであれば、資格の取得を目指すかはさておき、勉強しておいて損はないものになります。

 

こちらの本の著者である三好康之さんは二つのブログをお持ちです。

 自分らしい働き方

 三好康之オフィシャルブログ 自分らしい働き方

現在は下のオフィシャルブログが更新されています、が、上のブログも大変参考になります。

 

確かに、汎用的にみればどの業種業態のマネジメントでも役に立つだろうが、具体例がITだと、置き換えるのが難しいよ、とおっしゃる方もいるはずです。

仰る通りです。

 

ですので、まずはこれを押さえてください。

PMBOK(ピンボック)です。

 

PMBOKは、世界で通用する、プロジェクトマネジメントのまとめです。

ベストプラクティス(事例を集めて、どうやらこうやるとよさそうだ、というまとめ)なので、お勉強をするのであればここから始めるのが良いと思います。

Googleで検索結果に出てきたe-ラーニングだと、12000円の講習費用が掛かります。一方で、今回紹介した本は3000円。

 

私は三好康之さんの知識や資格に対する考え方に大変共感し、また、優先順位のつけ方に感銘を受けました。

筆者は書きます。

1)プライベート

2)仕事

3)仕事に必要な勉強

4)資格(情報処理技術者試験)取得

資格より大切なものは他にもたくさんある。だからこそ、時間を無駄にはできない。

なんとも、資格マニアを一蹴し、人生を生きることに対する姿勢がうかがえます。

私は資格マニアを否定しません。

資格マニアの方は、資格取得が上記でいえば1)に当たると思うのです。資格は合否がわかりやすいですし、勉強が得意なら楽しいでしょうし。良いのではないでしょうか? 

私は、アウトプットを意識してインプットしないと効率が悪いと考えていますので、筆者のスタンスに賛成です。

 

その優先順位を紹介した後、筆者は資格を短時間で効率よくとるものとし、6つの理由を上げます。

そのあとは、実際の問題演習です。資格を取るにあたっての流れ、分野別の問題と解答例、どうしてその回答となるのか。

この辺りはIT関連以外の方は、まずは、興味がある分野に絞って挑戦してみることをお勧めします。IT関連の方でPMを取りたいなら全部やらないとだめです。

 

最後にある、重要キーワードもまとまっていて大変良いものなのですが、何より付録の「プロジェクトマネージャーになるには」こちらの試験終了後に読んでほしい事、が最高です。

それとともに、

最新版ではどうでしょう、あるのかな?なくしてほしくはないのだけれど。

私が持っているテキストでは25ページにコラムが乗っているのです。

「あなたが今すぐ誇りと自信を持っていい理由」

ここで著者は書きます、

 

筆者はプロジェクトマネジメントの勉強をしている人を本当に尊敬している、なぜなら

1)プロジェクトメンバを不幸にしないため

2)顧客に迷惑をかけないため

3)会社に利益をもたらすため

に頑張っているからである。他人を幸せにすることを目的にしている試験区分は情報処理技術試験善12区分の中でPMだけである。

他人のために、最も弱い立場のプロジェクトメンバを守る為に自己犠牲をいとわずすくリアップをする。自信を持つべきだ。いくら口がうまく、会話が面白かろうと、基礎知識が必要である、マネジメントの勉強がないと嘯く偽善者を駆逐してよい。

あなたはこれを勉強しようと思った時点で、すでに、誇りを持つ資格がある。

 

奮起せざるを得ないでしょう。

 

繰り返しますが、この資格自体はITの試験なのです。

だから、「専門用語てんこ盛りで、わっかんねんだよ、くそっ」と、わかります。ごもっともです。

しかし、プロジェクトを管理するという管理者なら求められる必須のスキルはこの試験が最も効率よく学ぶことができると感じています。基礎知識を勉強してこその応用・実践です。わからない言葉はググればいいじゃないですか。IT以外の方に(受かればかっこいいけど)受けろ・合格しろなんて言いません。是非、読んでみてください。

 

この試験は問題が1~4まであります。

問題1と問題2は選択問題です。

問題1はIT全般なので、IT関連以外の方はやらなくていいと思います。

問題2は選択問題ですし、やってみましょう。IPAに過去問もあります。

こんなページもあります。

問題3は文章問題です。現代文の問題だと思ってください。これが本当にものの見事に体系化されているのです。ここにITの知識はあまり関係ありません。あなたの「頭の良さ」がわかるのです。

あなたが管理者なら、管理者を目指すのならば、この問題3をやるべきです。

問題4は文章の記述問題です。要件が短い文章で与えられ、回答を2000字以上で記述します。論文と言ってはいますが形だけです。ブログを書くのと一緒です。

是非ともやっていただきたい。

あらすじを立てて、それが妥当かどうか自己採点してください。

 

プロジェクトマネジメントの勉強をすることで

・コミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキルを磨けます。

 問題3を通じて相手の言っていることを把握し、必要なことをコンパクトに記述することを学ぶからです。

・論理的思考能力が高まります

 この資格の存在意義を通じて考えた人は、国と会社と個人の利害関係の一致に気づくはずだからです。

 問題3、問題4を通じてロジカルに一つの答えに到達できる訓練ができるからです。

・あなたの言葉に説得力が加わります。

 プロジェクトマネジメントの体系的な理解をしているあなたの発言は、勘と度胸で、なんとなくやってきた人のやり方よりも、再現性が高いはずです。場合によっては成果が出ないこともあるでしょう、しかしあなたのやり方はロジカルなはずなので、失敗原因をつぶせば使えるやり方、成果を出し続けられるやり方になるのです。

 

あなたは、この本を読むべきです。

今すぐに。

 

参考情報

 IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

 自分らしい働き方

 三好康之オフィシャルブログ 自分らしい働き方

 PMBOK - Wikipedia

 プロジェクトマネージャ過去問道場|プロジェクトマネージャ試験.com