本稿は
こちらの続きになります。
CC社(クラウドクレジットさん)が出した資料は、その結論と合致しません、おかしいですね?という話です。
今回はもう少し深堀をします。
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お知らせで公にされた資料は、NYダウ・日経とCC社ファンドの平均利回りを比べたものでした。
一応私の方でも、NYダウ・日経の先月との対比%を出して、棒グラフと見比べて、あってそうだという点は確認しました。
CC社ファンドの毎月の平均利回りは
クラウドクレジット・マンスリーレポート|CROWD CREDIT|note
こちらで確認をし、図との整合性を確認しています。
数字自体は合っています。
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自体は?ということは、何か疑問点があると?
その通りです。
次に疑問点を書いていきます。
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まずは、株価と純粋に比較ができるのか?という点です。
CC社ファンドはセカンダリマーケットがありません。
証券会社で私たちが触れられる債権とはその性質を異にします。
言うなれば、我々利用者それぞれが銀行やノンバンクになっているのに近く、リターンは契約が守られるかどうかにかかっています。そして、そのリターンは利回りがすでに決まっており、それを下回ることはあっても為替変動を除いて上回ることはありません。
さらに言えば、為替はUSDかEUR、あとは現地通貨です。
新興国の現地通貨はハードカレンシーに比べて弱く、基本的には、インフレが進む国なので円換算したときに目減りしていくと考えるのが妥当でしょう。
JPYとUSD・EUR辺りとの兼ね合いはギャンブルであり、普通は誰にも予測できません。(政治はころころ変わります。誰か自信と責任をもって予測をできる方、いらっしゃいます?ハズれたらどう責任を取るのかが見ものです。為替操作できるくらい資金やコネクションがある人以外、無理だと思うのです)
となれば、株価との比較はそれぞれのファンドにおける期間(例えば2019/01/01~2020/03/31)におけるパフォーマンスと当該ファンドにおけるリターンを比べるのが妥当ではありませんでしょうか?
日経やダウが、CC社ファンドそれぞれにおける投資開始時期から終了時での値動きと、そのファンドのリターンを比較するのです。
これがフェアな比較の仕方だと思われます。
資料の値は日経やダウのパフォーマンスは月ごとの値、例えば4月のパフォーマンスは3月のそれと比較した値、になっているのです。
CC社ファンドは4月償還のファンドのパフォーマンスを測る、一方で日経やダウのインデックスは先月一か月分を測る、これでまともな比較ができるわけがありません。
この方法により、それぞれのCC社ファンドと株価の比較はできそうです。
では、「CC社ファンドそれぞれ」ではなく「CC社ファンド」と株価の関係を見るにはどうすればいいでしょうか?
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CC社が出す資料の中でよく出てくるのが、CC社ファンド全てに投資をしていた場合という文言です。それをベースに語られることが多いのですが、私は大いに不満です。
全張りしている人がどれだけいるのか私には疑問だからです。
古い資料ですが、
ユーザー登録者数が1万人を突破いたしました!インフォグラフィックスでご紹介します|クラウドクレジット株式会社のプレスリリース
こちらによると
2018年1月15日、クラウドクレジットのユーザー登録者数が1万人を突破いたしましたのでお知らせいたします。
だそうです。登録者、一万人。
一方で、今回分しか調査をしていないのですが、ファンド投資額は残り四日で投資額1億円越えとなっています。
月二回、14日ごとにファンドを売り出すとして、14日に補正して1.5億円越え。
現状、投資が控えられていることを勘案して、さらに多めに見積もって一回のファンド売り上げで3億円弱の投資が集まると考えるとします。
さらに、利用者は、上記ニュースから最低一万人はいるはずです。現在はもっと多いはずですが、休眠登録者(登録だけして投資はしない)も多いでしょう。
そして計算上CC社に有利なように、利用者人数を少なめに見積もって一万人とします。売り上げを多めに見積もっているのも同じ理由です。
一回当たりの全体投資額を利用者数で割れば、利用者が平均でいくらくらい投資しているかが出てくるはずです。
三億円÷一万人=三万円
・・・。一回当たりで利用者が投資する額の平均。多めに出して、これです。
ファンド数は毎回15以上はあるでしょうか?上記計算の論拠である、利用者数や投資金額にブレが出ても、一人当たりの平均投資額が15万円以上になることはなさそうです。
ということは、ファンド全体に平均して全張り投資がされていないことが想像されます。
ならば、全張りしていた場合の平均をCC社ファンドのパフォーマンスとして例示するのは、実績を見せるという観点からは不適当で、別の数字になるはずなのです。
これらから、
「CC社ファンドそれぞれ」ではなく「CC社ファンド」と株価の関係を見るにはどうすればいいでしょうか?
という問いの答えは、私見では、投資額による加重平均が必要だと考えます。
具体的には
Aファンドが500万円投資され5%、Bファンドが100万円投資され10%のリターンを出しているのであれば、平均して7.5%の利益を誇るのは誤解を招く、と言っています。
「加重平均」とは(500/600×5) + (100/600×10)=5.83333.......%になる、という話をしています。
もし、CC社が「いや、多くの利用者は全張りをしている。だから単純平均で良いのだ」と主張するのであれば、その大前提として「多くの利用者は全張りをしている」論拠を添える必要があるのです。
それをしていますか?していませんよね。
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以上から、
資料としては、「CC社が推奨する買い方をして、それを可能なだけの金額をCC社に投資した場合、表示してある期間のパフォーマンスはこうなった」と見るのが正解ではないでしょうか?
つまり、もっと投資しろ、という宣伝です。
現状のCC社が出している「パッケージ」と言われる商品は、既存ファンドをまとめただけに過ぎません。それはシステム上で完結できます。なので、組成にあたり比較的難易度が低い商品です。
一万円からすべてに全張りできる商品ができれば、現在の資料でCC社が主張する「すべてのファンドのリターンを平均した値」を「CC社ファンドのパフォーマンス」としても納得がいくのです。
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蛇足になるかもしれず、また別の観点からも、書く事を幾分ためらいましたが書いておきます。
【CEOコメント】クラウドクレジット推奨の3つの投資原則をご紹介します|CROWD CREDIT|note
こちらにて、私は
初めまして。tonと申します。
>また伝統的金融商品とクラウドクレジットのファンドは、少なくとも2019年9月現在までは運用パフォーマンスの相関がそれほど高くなく
>
こちらですが、具体的な数字(例えば、2019年単年で国内債券とは0.2先進国REITとは0.1など)を出していただけると、非常にありがたいのですが数字はありますでしょうか?
もしよろしければお時間のある時に記事にしていただければ嬉しいです。
以上、失礼します。
このような質問をしています。
少し話がズレますが、上記ブログ記事で「パフォーマンスの相関」とCC社はいっていますね?でも今回の資料で出されたのは相関係数ではなくリターン率ですよね?
あれ?
話を戻します。
別件で電話で問い合わせをして、電話対応の方にこちらの話を伺いました。
そうすると「はぁ、株のことはわからないんですよ(笑)」と返答を受けました。
こちらの電話対応の方は、自社が出している文章への問い合わせは職務に入らないのでしょうか?
さらに、CC社ファンドには円建てと昔は為替ヘッジ商品がありましたが、それについての質問も適当にはぐらかされました。なぜ為替ヘッジが無くなったのか、その説明が無いのはなぜか?と質問をしたのですが、「当社は投資家に有利な商品を提供しています」だそうです。
返答になっていません。
なぜ為替ヘッジの商品が円建てに変わったんですか?という質問に、投資家に有利な商品を作るという観点から回答をするのであれば「○○という理由で為替ヘッジより円建ての方がメリットがあるからです」という説明ができるはずなのです。
こんな不十分な回答をする問い合わせ担当者に、クラフトマンシップはあるのでしょうか?
さらには、パッケージファンドの中身、特に通貨比率ですが、たびたび変更されています。その変更に対する説明を少なくとも私は見た事がありません。
クラウドクレジット社は透明性が低い。そういわざるを得ません。
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いかがでしょうか?
本稿は冒頭に記した通り
CC社(クラウドクレジットさん)が出した資料は、その結論と合致しません、おかしいですね?という話です。
という話をしています。
資料に対して思うところはすでに説明をしました。
改めてCC社の結論を確認しましょう。
こちらの結論を引用します。
この運用実績につき、当社としましては、当社ファンドが世界的な株価急落時においても、それに影響されにくい商品性を有していることの一端を示していると考えております。
今までの記述を理解した方であれば
世界的な株価急落に影響されるかどうかは、これからわかる話であろうことがお分かりいただけると思います。
商売をやっている会社が「盛った」資料を出すという点は、ある意味仕方のないことだとは思います。ですが、説明責任を放棄し利用者に嘘をついていた会社が、懲りずに利用者を騙し誘導するような資料を出すというのは、いかがなものかと残念に思います。
また、嘘をつく、もしくは、必要な情報を隠ぺいするのではないでしょうか?
ではでは
?