かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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ロジックツリーとMECEとあとは、、、、

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手あかのついた、思考ツールです。基本中の基本。コンサルを目指さない大学生でも結構な割合で知ってるはず。ロジックツリーについて考えます。

 

ここではロジックツリーとMECE、そしてあともう一つのツールを出して私の考えをまとめておきたいと思います。

 

ロジックツリーって何でしょう?

産学連携キーワード辞典によると

www.avice.co.jp

>「ロジックツリー」とはある事象間をロジックによってツリー状に展開していく手法を指す。結果に対してその原因を掘り下げていく、もしくはある目的を実現するための手段を具体化していくことに用いることができる。「ロジックツリー」はありうる可能性を全て挙げることを目的とするため、もれなく、だぶりなく(MECE)必要な項目を挙げることが重要となる。

だそうです。

 

私が好きな漫画で「人はそれを、やるか、やらないか、できないか」というセリフがありました。どのようなシーンで誰が言っていたのかは忘れましたが小池田マヤさんの漫画でした。

なんだか、要素が奇数って直感的に違和感があると思います。

ロジックツリーで整理するとわかりやすいんです。

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ロジックツリー、論理の木。

左側が幹で、右側が枝葉になります。

大きなものを分割していく。困難は分割せよとはデカルトでしたか。

問題を解決するための第一段階、分析するためのツールとしてもってこいだと思います。

今回の「人はそれを、やるか、やらないか、できないか」を例にとると、まず大元は行動です。それをどのように分けるのか・分類するのかが問題です。

まず「その行動ができるかできないか、自分に能力があるか否か」で分けます、次に「その行動を自分の意志でやるかどうか、自分に意志があるか否か」で分けます。

すると、自分に能力がなくできないものは、いくら意思があろうとできない事がわかります。二つ目の分類に進めないのでできないので行動は一つのまま。

できる行動は自分の意志でやるか否かを決められるので二つに分かれます。

いかがでしょう?文字情報だけよりもずいぶんすっきりとまとまったと思います。

 

ここで、話の食い違いにおける問題をロジックツリーで見つけることができるんです。

話の食い違いは、お互いの話の前提が別になっている事で起こることがあります。その場合、ロジックツリーでいうと「同じ階層で話していない」事がままあるように思えます。上記例に準じて説明します。

A「やるかやらないか、それが問題だ」

B「いや、できないから。ほかの方法を考えよう」

A「なんだネガティブな奴だな」

B「なんだフィージビリティを無視するタイプか」

多分、AさんとBさんはまず最初に「できるかどうか」を議論すべきだったのでしょう。

Aさんが「できる」と考えている根拠、Bさんが「できない」と考えている根拠を話し合うことで一つの方向に話が進んだように思うのです。枝の部分の話を進める前に幹の部分の話し合いを行い進めていく方がよさそうです。

 

行動という大きな塊を「能力」の観点と「意志」の観点で上手に分けることができました。今回、上手にというのは「漏れなく、ダブりなく」分類できたことを意味します。

漏れがあると認識できません。認識できていないのと、認識できているが解決策が浮かばないのは大きな違いがあります。

ダブりがあると同じ要素を複数考えるので無駄があります。

「漏れなく、ダブりなく」は Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive の頭文字をとって「MECE」(ミッシー、ミーシー)と言われます。

「漏れなく、ダブりなく」は重要な概念ですが、漏れがない方が重要です。

ダブりがないのは効率の観点です。漏れがないのはリスクに関わります。漏れがないのはMUSTです。

上記、「行動」ではMECEが成立していました。

ではこれはどうでしょう?

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人間という大きな塊が性別という観点から、男と女に分かれている。

一見よさそうに思います。シンプルな構造が問題なくMECEに整理されている。

しかし、実は、漏れがあるのです。

MECEにすべきものに重要ポイントである漏れが生じている。大変です。何がまずいのでしょうか。

LGBTの観点が抜けているのです。

肉体的には男性だけれど男性が好きな人、肉体的には女性だけれど女性が好きな人等のことですね。戸籍が男性、戸籍が女性なら上記の分類でMECEですが、それを言うのであれば、ただ「男」「女」と書くのは記述不十分です。

LGBTにはいろいろと種類があるそうで、タイではなんと18もの性があるそうです。(ググったら出てきた)

ではこのように書きましょう

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「それ以外」。ずるいですか?でも実はこの概念が重要です。

現実の問題でくっきりと分類ができることは、あまりありません。

MECEであるためには、大きな塊からくっきり定義づけできるものを除き、残りを「それ以外」とするとうまくいくことが多いです。

問題解決のための分類としては、「それ以外」の部分があまりに大きいと解決策を考える材料にならないので、できる限り分類分けを頑張る必要があります。

問題が起きた場合、考慮外の部分で生じた可能性が高いので、真っ先にこの「それ以外」の部分をチェックする必要があります。

 

さて、話題転換。

就職活動をしている方や、経営経済系の学部の方は知っているかもしれません。

「なぜ?を五回繰り返せ」そうやって深く考える事で問題の本質がわかる、と。

コンサルタントの方は当然、それを目指す方も「Why?」と「So what?」という言葉を活用していると思います。この観点からロジックツリーを見てみましょう。

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右、枝葉の部分から見ていきます。色々とトラブルが起きていますね。

一番下を見てみましょう。誤データの入力と誤記書類を送付してしまったことがわかります。それが同じ枝元にあるので、書類の不備が二つのトラブルの原因だとわかります。実務上書類を作り、それをもとにデータを入力したり、データとは別に書類を送付したりするのでしょう。(データから作成した誤記書類を送付した場合、誤データの入力の下に誤記書類送付がつきます)

右から左へ考えを進める事が「Why?」を実践することです。

誤データを入力したのはなぜ?書類に不備があったからだ。

誤記書類を送付してしまったのはなぜ?書類に不備があったからだ。

元が同じなので二つをバンドルして、他にもトラブルを列挙して、じゃぁ、書類に不備があったのはなぜ?連絡漏れがあったのはなぜ?二重チェックをしていないからだ。原因が同じなのでバンドル、、、(以下繰り返し

そうやって根本の原因を探っていくとツリー構造になります。

左から右へ考えを進める事が「So What?」を実践することです。

So What?」は「だから何?」という意味です。具体的な策を求められています。

二重チェックをしていなかった、これが根本の原因だ。二重チェックを連絡時にはこうやって、行動時にはこうやって、予算案の数字を出すときは。。。(以下略

そうすると、問題点のロジックツリーに対照する解決策のロジックツリーが出来上がります。

 

「Why?」と「So What?」は考えをどちらの方向に向けるかの違いでした。

幹向きか、枝葉向きか。

これは具体と抽象という観点からもロジックツリーにあてはめられます。

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犬の一覧です。

世の中の犬種がこれだけということはないでしょうから、あるご家庭の犬を一覧にしたようです。リキやポチという犬がいるようです。プードルは二匹いて、めいとさつき。5月生まれなんでしょうね。

幹向き、左向きに考えていくとリキという犬はそこにいる非常に具体的な存在です。リキは土佐犬という犬です。リキは土佐犬ですが「土佐犬はリキ」ということは言えません。土佐犬という範疇にリキは存在しています。同様にめいとさつきはプードルというグループに存在しており、土佐犬や柴犬は、大きく犬というグループに含まれます。

考える対象はどんどん抽象化されていきます。

犬から、枝葉・右向きに考えていくと具体化されていくのがわかるかと思います。

 

演繹・帰納という観点からも同様のことがいえます。

演繹は「ある法則から具体的な事実はこういう風になるだろう」という考え方。

帰納は「具体例を研究してこれらから降雨法則があるだろう」という考え方。

演繹は具体化。帰納は抽象化です。

 

具体的な事実の観測から、こうではないかという法則・仮説を立て、実際に行動し、再度その法則・仮説から導き出される結果が正しかったかどうかを確かめる事をPDCAサイクルをまわす、などと言います。上記帰納と演繹の話を理解した後だと、PDCAサイクルをまわす事とロジックツリーを左右に動くことが(おおよそ)同義であることがわかるかと思います。

おおよそ、といったのは、右から左に行って、必要であればその部分を書き換える措置が必要だからです。すべての具体例を観測することはできません。自分なりの法則・仮説があったとしても、そのグループに属するが法則に反する具体例が見つかれば、修正すべきは「法則・仮説」の方です。この「既存の法則・仮説を守勢する作業」は「最初に法則・仮説を作り出す作業」よりも難易度は高いです。既存の法則は今までうまく具体例に当てはまっていたので、新しい法則・仮説も既存の具体例に当てはまり、かつ、新しく見つかった具体例を包括するものでなければなりません。

 

現実の世界では具体例は増えるのです。

 

そして多くの場合、最初に作ったロジックツリーは破綻します。

MECEではなくなってしまうのです。

その場合、高校数学で習ったと思います、思い出してください、ベン図が有効になります。

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確率の問題で結構やったと思います。思い出しましたでしょうか?

全体集合がUで、AとBが定義づけられています。しかしその定義づけは不十分で重なり合う部分が出ています。また、AにもBにも属していない部分があります。性別のところで説明したことを思い出してください。ここは、この場合「それ以外」になります。

定義づけられる部分はなるべく大きくしておかないといけない、というイメージがわくと思います。

 

では、ロジックツリーよりもベン図を使った方がよいのでしょうか?

ケースバイケースだと思います。

ロジックが三階層以上になるとベン図では訳が分からなくなり、わかりずらくなります。それに理想はMECEであるべきです。

MECEでない、階層が少ない状況を説明する際にベン図は有効だと思います。

 

・ロジックツリーでMECEを実現する。

MECEでは漏れない方が重要。

・定義づけられない部分がある場合、「それ以外」を使う。

・「Why?」と「So what?

・抽象化と具体化

帰納と演繹

PDCAはロジックツリーの幹と枝葉の行き来を繰り返すこと

MECEでない状況を表すツール、ベン図