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理論を理解する前提~補足~

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理論を理解する前提、という記事で

ton96o.hatenablog.com

理論の背景、どのような前提条件を置いているのか、という点を理解しておくことが重要だと述べました。

 

こちらについて、具体例を挙げながらどういうことかを説明していきたいと思います。

 

とても有名な理論、重要曲線と供給曲線です。

重要曲線と供給曲線の交点で適正価格・供給量が決まるという趣旨です。

(この理論からいろいろ面白い理屈があります。興味がある方はぜひ調べてみてください。本当に面白いですよ。今ですと、大学の講義資料がWEBで手に入ります。)

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供給曲線は売り手にとっての曲線で、価格が上がると供給量を増やそうという趣旨です。儲かるからたくさん売りたいんですね。

需要曲線は買い手にとっての曲線で、価格が上がると需要量が減る、高いから買わないという趣旨です。

それをうまくグラフにすることができると、その交点で適切な価格と市場に出回る適切な財サービスの量がわかります。

 

ではこの理論の前提条件はなんでしょう?

完全競争市場と言われます。

それは

・売り手・買い手が多数存在する為

 個々の売り手・買い手は供給量・購買量を変化させても全体に影響を与えない

・売り手・買い手は市場に参加するのも退出するのも自由

・当該市場で扱う財・サービスは同質

・全ての売り手・買い手に情報格差は存在しない

という条件を満たす市場です。

 

相当に無茶苦茶ではありますが、だからこそ需要と供給で成り立つ、均衡価格をシンプルに説明できています。

 

実際の、例えば仮想通貨市場にあてはめるのはもちろん危険です。均衡価格の理論を当てはめたいのであれば、

・市場に影響を与える行動ができる、売り手・買い手は存在しないか

 いますよね、クジラ然り、大手資本家然り。

・参入・退出するのに特別なコストがかからないか

 これは問題なさそうです。

・扱う仮想通貨は同質か?

 例えばリップルは、リップルネットワークとともに価値を見積もられていると思うので他のいわゆる仮想通貨とは少し毛色が違うと思います。

 他に、外国のアルトコイン(オルトコイン、草コイン)を買うのにBTCやETHが必要な場合があります。その意味合いでBTCやETHとそれ以外、という質の違いも指摘できそうです。

情報格差

 (笑)。情報格差なんて、あって当たり前です。皆さん、それを前提に仮想通貨市場を見ていると思います。

 

どうやら、均衡価格のモデルは、原理原則の抽象的な部分は「そうでしょう」と納得できますが、具体的なものにあてはめていくと大幅な修正が必要になってくるようです。

その修正は変化の速い市場では時々刻々と行われます。

例えば、、、

2015年(昔、という意味合いです)と2017年仮想通貨法施行後、そして現在の2018年初頭。

需要曲線・供給曲線ともに、相当変化していると思います。

 

今現在、我々は変化する途中に身を置いています。既存の理論を参考にはできますが、そのまま適用して上手くいくとは言い切れません。そもそも、そのまま適用する事自体にセンスがいりますし、何らかの主張をしたい人の根拠として使われる場合が多いと思います。我々は自分で考えるためにも、結論だけでなく、その前提・背景を抑えて参考にしていかなくてはならないと思います。