stableCoinに関して考えをまとめました。
stableCoinに関してはペッグする意味合いの理解が必要だと考えます。
stableCoinは価格が安定しているという特徴を持つだけなので、ペッグはそれを満たす条件にすぎません。ですので、別の方法で価格が安定するのであればペッグせずともstableCoinとなり得ると思います。
stableCoin自体は、価格が安定して仮想通貨が通貨として、より多く決済手段に利用されるために必要だと思います。
必ずしもペッグしなくてもよいのではないか?と思いますが、現実的に考えると、法定通貨ペッグのstableCoinが一番良いように思います。
まず、ペッグという制度についてまとめます。
ペッグというのは他の通貨に対して同じ価値を保ち続けるという意味合いだと理解しています。米ドルと香港ドルの関係というと理解しやすいと思います。
では、そのペッグをするために何が必要でしょうか?
簡単に言ってしまうと信用が担保されている事です。
ここでいう信用とは、実際に法定通貨が預けられている、という意味と、法定通貨を預けても問題ないと世間に認められている、という二つの意味です。
次に、法定通貨にペッグしてstableCoinになると、どのようなメリットがあるのかを考えます。
仮想通貨が発行されます。
これにより、法定通貨が仮想通貨の性質を持つことになります。
送金手数料は他の仮想通貨同様、安く上がります。
価格の変動を受けづらいので、仮想通貨全体の下げ材料が出た時に退避先になります。
また、設計によっては利息が付くのでは?と考えます。
一方で、ペッグしているとどのような懸念点があるんでしょうか?
管理している法定通貨がハクられたり、もしくは実際に法定通貨の担保がないのでは?という信用が崩れる可能性があります。これをカウンターパーティリスクというそうです。価格が不安定になるため、stableCoinになりません。
つまり、法定通貨ペッグするには、信用の創出・保持が大きな課題になります。
現状、日本で法定通貨ペッグするとすれば、MUFJのように銀行が作るのが多分一番固いでしょう。
さらに、税制の問題も絡んでくるはずです。
現状、仮想通貨同士の交換、(例えばBTCでNEOを購入した)、では、その時点で利確とみなされて税金が発生します。これは煩雑さだけでなく、制度としての不備を感じ変更を求める声があります。私もそれに賛成です。
しかし、stableCoinへの交換はその使われ方として仮想通貨の退避先となるため、この税制に対し抗弁できないはずです。仮想通貨同士の交換は利確とみなさないという点は私も賛成なので、どうなるかというと、「仮想通貨同士の利確は、基本利確とみなさないが、ペッグ通貨への交換時には利確とみなす」という措置が取られると考えられます。ペッグ通貨はその形態から定義しやすいと思われます。
退避先としてのペッグ通貨は、現状の、そしておそらく将来においても、利確先として定義づけられるはずです。
仮想通貨に投資をした方は、値上がり益の多くを現状の税制度で納税することに納得していないと思います。
ペッグしていない、 もしくは、税法上定義しずらい方法でのstableCoinがあると嬉しいのです。
しかし、
・仕組みを作り、維持する事の難易度が高い
・実現した場合、仮想通貨同士の交換は利確、という税制度が変わらない
という懸念があります。
ですので、
必ずしもペッグしなくてもよいのではないか?と思いますが、現実的に考えると、法定通貨ペッグのstableCoinの登場が一番良いように考えます。