かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

減価償却の本質を説明する

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先ほどこちらの記事を拝見しておりました。

key-factors.com

「ふむふむ、減価償却相当額を再投資ですか、なるほどなるほど。」

 

そんなことをしていると聞かれたのです。

「tonさん、減価償却って何です?名前はよく聞くんですけどいまいちよくわかりません。費用ですよね?それを斎藤氏、いや、再投資ですか?うーん????」

そんな方のための記事です。

 

私は多少会計の知識がありますが、企業結合関連は特に実務面において弱く、人様に提供できるほどの説明力もありません。

しかし、減価償却はだれもが知っておいて損がない概念ですし、説明できると思いますので書きます。

 

減価償却を難しい言葉で説明します。

具体的な形態を持ち長期的に企業活動のために継続・反復して使われる資産である有形固定資産の減価を、費用配分の原則に従いその減価に対応して稼得される収益と期間的に対応させ、規則的・計画的に各事業年度に配分する手続きをいいます。

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おや、この時以来ですね。

わかります。

 

一つ一つ説明していきますので、ご安心ください、

 

減価償却有形固定資産というものに使う概念です。

ストックとは?フローとは?」をご覧の方はお分かりですね。資産です。

資産の中でも、固定資産というものがあります。

企業の本業に使用したり、投資その他の目的のために、長期的に保有されるものです。

イメージしずらいので、具体例を挙げます。

ラーメン屋を開店しました。機材を買いました。その機材です。

その機材は、一年や二年で壊れません。そして、少しずつ摩耗していきます。使ってボロくなってきます。(ここでは修理や様式が古くなったことは考えません)

それが、有形固定資産の減価、です。

 

次に費用配分の原則を説明します。

先ほどのラーメン屋の例を引き続き使います。

初年度1000万円で器具を買い、お店を整えました。売上1000万円材料費、人件費などの費用は全部で600万円だとします。

二年目、新しもの好きのお客さんが減った代わりに、常連さんがついてくれました。ありがたい事です。結果は売上1000万円材料費、人件費などの費用は全部で600万円です。

 

費用の説明に減価償却費が入っていないのはわざとです。

ここで、1000万円の器具を買った分はどのように費用となるのかを考えてみていただきたいのです。

 

現金と同じタイミングで費用化するというのはどうでしょう?

初年度に購入したのだから、その時に費用とすべきだ、という意見です。

一理あります。

実際に計算してみましょう。

初年度:収益1000万円ー費用1600万円=赤字600万円

次年度:収益1000万円ー費用 600万円=黒字400万円

筋が通ってはいますが、初年度と次年度は、営業活動の成果としては同じはずです。

なのに初年度は赤字600万円、次年度は黒字400万円。

ぱっと見で「営業活動として特に変化がなかった」事を表せていません。

 

そこで会計では費用配分の原則という考え方を使います。

 

1000万円の器具が使えなくなって次に買い替える年数を計り、総額をその年数で割った額を毎年、費用にするのです。(残存は考慮外とする)

器具は10年持つとします。

そうすると

初年度:収益1000万円ー費用700万円黒字300万円

次年度:収益1000万円ー費用700万円黒字300万円

器具が使用されることによって価値が落ちていくことを、費用の増加ということで表現できているとともに、営業活動が初年度と次年度で変わらなかったことも表現できています

(尚、上記では10年とした年数は税法では非常に細かく決まっており、例えば農耕用牛と乳牛では年数が違ったりします。これは恣意性を排除するためであり、税の公平性を担保するためです。)

 

ここからが非常に重要です。

 上記で、混乱する方がいるのが、「費用となるタイミングと、現金が出ていくタイミングが異なる」事なのです。

固定資産は、最初にドカンと現金が出ていき、それ以降は現金が出ていきません。

一方で、毎年少しずつ費用となっていきます。

これは、費用配分の原則上、仕方ない、むしろそうあるべきなのですが、理解を妨げていることは事実です。

 

固定資産については

現金の出と、費用の発生に、タイミングのずれがある。

ことは覚えておいてください。

 

このずれを別の表現にすると

最初に後々に費用となる分の現金をまとめて支払った。なので、次年度以降は毎年、「現金流出金額を買い替え年数で割った金額が利益とは別に手元に残るということになります。

現金の出と、費用を別に考える必要があるのです。

 

ラーメン屋の事例で考えます。

次年度:収益1000万円ー費用(600万円+100万円)=黒字300万円

でした。

減価償却費が100万円でしたので、他の費用と分けました。

現金の出入りを考えます。

売上1000万円の収益で現金が1000万円入ってきます。費用600万円は原価や人件費ですから、やっぱり現金が600万円出ていきます。

減価償却費の100万円分はどうなるでしょうか?

現金の出入りだけでいうと、上記から

現金の入1000万円ー現金の出600万円=手元にある現金400万円

となります。

「現金流出金額を買い替え年数で割った金額が利益とは別に手元に残る」

とは

「1000万円÷10年=100万円(=400万円ー300万円)が残る

という事なのです。

 

 

 

冒頭の投資案件に戻ります。

「ふむふむ、減価償却相当額を再投資ですか、なるほどなるほど。」

 これの意味合いがお分かりになられるかと思います。

利益とは別に手元に残ったお金を再投資に回す、というお話だと納得されますよね。

 

途中で説明した、難しい話をもう一度出します。

具体的な形態を持ち長期的に企業活動のために継続・反復して使われる資産である有形固定資産の減価を、費用配分の原則に従いその減価に対応して稼得される収益と期間的に対応させ、規則的・計画的に各事業年度に配分する手続きをいいます。

ここまで読んでいただいた皆さんは上記を理解できるはずです。

簡単な日本語に訳すと

器具などの長年使う道具は、毎年少しずつボロくなっていくので、それに合わせて毎年少しずつ費用にする。

こんな感じでしょうか。

規則的・計画的に各事業年度に配分する、のは、恣意性の介入を防ぐのが目的です。

 

難しい話をわざわざ書いたのは、読んでくださる方の練習のためです。

私がブログで書いたことは多少専門的な言い回しになっても理解できるよう、お役に立てるかな、と考えました。

 

いかがでしょう、今までなんとなくの理解だった減価償却の本質は、

現金流出の費用化における期間配分であり、費用と現金流出のずれから、次年度以降は現金が手元に残る、という事がご理解いただけたと思います。

 

今回の投資案件では固定資産が巨額なので、再投資における成長スピードもマシマシです。

 

参考情報

 会計法規集

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