今回は名著、「考える技術・書く技術」の紹介です。
私はこの本を「自分のアタマで考えよう」同様、自分の思考を深める道具だと思っています。(なのでカテゴリーに「かんがえるどうぐ」を追加しました。)
私はこの本を、何回も読むべき本で、買うべき本だと思っているのです。
忘れられない出来事があります。
新卒で入社した会社で、同僚にこの本を薦め「貸そうか?」といったところ、「読んだことがある」という返事。
「何回読んだの?」
「??。一回」
一回でこの本をマスターするとは。そのくらい要領よくなりたいものです。
このブログをご覧の方は十分納得いただける通り、私は考える力も書く力もまだ不十分なので、いまだに折を見てはこの本を手に取るのです。
筆者の考えはピラミッド構造を基本とします。
もう、その構造ができればあらゆる技術に適応できるといってもいいくらいです。
本書は「考える技術・書く技術」ですが、四部構成、
1)書く技術
2)考える技術
3)問題解決する技術
4)表現する技術
となっています。
先ほども申し上げた通り、本書ではピラミッド構造が全てです。
それは一つの主題に対して、それを補強する何らかの要素がぶら下がっている状態。
つまりはロジックツリーです。
(参考;ロジックツリーとMECEとあとは)
マジックナンバーや枝葉の部分の論理づけなど細かいところが補強されています。
しかし、ロジックツリーをきれいに組み立てられれば、この本はマスターしたといってもいいのです。
それがなぜできないか?
それだけ難しいものなのでしょう。
自分のアタマで考えるという本は、実は古今東西、今昔出版され売れているはずです。にもかかわらず、おそらく今、どなたかそれなりの知見がある人が改めて売ってもそれなりに売れる。
わかっていてもできないからです。
そしてそれは、この「ロジックツリーを作る」という技術にも当てはまることなのです。
本書の良い点は、初心者向けの注意点、まずはこのように進めるとよいというガイドや、事例が豊富な点です。
自分であればどのように説明するかを考えつつ読み進めてみるとよいと思います。
改めて読み返して、「帰納」と「演繹」について、結構説明を行っているのが印象的でした。
それぞれの意味合いはわかっていても、使いこなせる人は少ない証拠でしょう。
最後に、私として残念だったのが、本書が書く技術から始まっている点です。
題名とそぐわないという点が残念なのではありません。
先に考える技術を説明し、作成されるピラミッドを作成しなければ、それを利用した「書く技術」を説明しずらいように思うのです。
私でしたら、まずは問題解決をするために、問題の定義から始め、そこから問題解決する技術の説明に移ります。問題解決は手順説明でもあるわけで、その中に考えるという手順が含まれるはずです。ですので次に考える技術を説明します。あとは書く技術を説明して、表現する技術を説明します。
そもそも、問題を定義づける時点で考える技術は必要だと思われるかもしれません。
実際にはその通りだと思うのです。しかし、本書の「問題解決の技術」では手順的なものが多かったので、その内容を踏襲するのであれば、考える技術より問題解決の技術を先に持ってきます。考えるには材料が必要だからです。
この辺りになるとどのように編集するのかという、構成の問題になるのかもしれません。
本書ではピラミッド構造、もしくはツリー構造に整理することについて書かれてあります。
多くの本が出版され、説明され、多くの読み手が納得してきた概念です、
にもかかわらず、今も、そして未来にもこの手の本は出版されるでしょう。
まずは、基本の、この「考える技術・書く技術」を手に取って、実際に手を動かして、ロジックツリーを考えてみることをお勧めします。
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