ちきりんさんの「自分の時間を取り戻そう」を読みました。
記事にしたいと思います。
本書は「多忙」をキ-ワードに、その本質を理解し、それを受容すべきなのかを考え、脱するためにはどのようなスキルが必要かを説きます。
そのスキルは英語やプログラミングなどの技術そのものではなく、もっとメタな(一般化・汎化された、技術の技術)自分の人生を生きるための技術です。
私の表現でいうと、自分のものさしを持つことの一つです。
本書は二つの視点から展開されます。
・個々人が直面する多忙から脱出する視点
・社会で進みつつある変化の本質という視点
本書では4人のペルソナ(具体的な登場人物)が出てきます。
1)正樹
33歳昇進早し。しかし管理職になったが故の洗礼、部下の育成に目を回している。結婚も決まった一方で、育児への不安、親の健康不安も頭の片隅にある。
2)ケイコ
夫と共働きで、家事に仕事にと忙しい。子供は二人、弁当を作るのに5時半に起きるのが日課だ。何のかんので家事は女の仕事になってしまっている。男は敷居をまたげば7人の敵がいるという。しかし、彼女にとっては、家すら安らぎの場ではない。戦場なのだ。学校との関係、夫の実家との関係、子供の将来。一見何でも手に入れているようで綱渡りの生活。今の生活に彼女はぼんやりとした疑問を抱いている。
3)陽子
陽子が就活をしたのはリーマンショック直後。厳しいさなかIT企業の契約社員となる。
そこで待ち構えていたのは過酷な労働。しかし彼女は逃げなかった。(ton注;別に逃げてもいいんですよ)人生を終わらせるわけにはいかないのだ。ガムシャラに働いて5年。スキルが身に付き、転職を考える。
彼女はフリーランスとなった。最初こそ食べていけないものの、信頼を勝ち取った彼女は、二年でほぼ前職と同じ程度の手取りを手に入れる。ほっとすると同時に感じる不安。増えた労働時間、断れない仕事条件。同じ仕事ばかりで何の成長もない。
このまま、あと三十年?彼女は「何かを変えなくては」と考える。
4)勇二
勇二は就職活動を経験していない。学生時代に起業し、そのまま経営者になったのだ。
父親はいわゆるサラリーマン、感謝はしているがあこがれの対象ではない。
事業は回っていた、しかし、スピード感が失われていることにも気づいていた。みんな、サボっているわけではない、必死に働いている。なぜなんだ!?調査の結果、多くの問題が見つかる、キーパーソンの時間泥棒、結論の出ない発散するだけの会議(ton注;動物園かよ)、聞くことができない部下(結果、失敗し傷口を広げる)、優先順位の決定ができない。などなど。このままじゃマズい。勇二は考える。超マズい。
みな、希望した道を歩み、それなりの成功を手に入れています。
しかし忙しすぎる。
何が問題の本質なんでしょう?
「問題解決の方法が時間を使う事である」
「完璧主義」
「NOといえない。断るのが怖い」
「頑張る、がキーワード。工夫がない」
それぞれのペルソナの問題点を筆者は上記に要約します。
そしてその問題の本質をいいます。それは「生産性が低すぎる事」。
なんというマッキンマッキンした答え。でもこれがちきりんさんの答えです。
読んでるあなたは違うと思いますが、答えで安心しないでください。答えを見つけて鵜呑みにしないでください。当然です。これはちきりんさんの答えです。私たちの答えは私たちで考えたうえで決める必要があるのです。
私の表現で言います。
「私は、流行り言葉が嫌いだが多くの方がうなずくだろう、「コスパを意識せよ」。生産性、それすなわち、コスパ。難しいこと考えずにコスパを考えよう!」。
気取ったカッコイイ言葉使わんでえーんや。コスパや、コ ス パ。
みんなわかるやろ?それやねん。
筆者言います。生活のあらゆる場面で成果を最大化するためのカギとなる概念である、と。
これを書こうと思ったきっかけがあるそうです、それは「社会が急速に「生産性を高めないと生きていけない方向」へシフトし始めている」という事。生活のすべてがマーケット化するのと同様、生活のすべてが高生産性を求めているのです。
筆者は生産性を「成果と希少資源の比率」と言います。端的に言えば「成果÷時間」でしょうか?(場合によってはお金で割るのが正しいかもしれませんが、ここでは時間です、絶対に。)
生産性が上がる、とは「資源の活用度合いが高まること」だそうです。
今まで平日しか利用していなかった自家用車が、土日は他の人に貸すことで活用度合いが高まります。
今までの有効活用の範囲は産業用の物資ばかりだったと筆者は言います。それが個人が所有する私物や隙間時間の生産性まで、大幅に高められるようになってきたのです。
生産性の高まりは非可逆です。上がったものは下がりません。高い生産性が当たり前になれば、低い生産性のものは負けるのです。この後の新技術は生産性という視点で見る必要があると筆者は言います。
生産性に対する、筆者と世間の勘違いについて、筆者は学校の問題を具体例として挙げます。筆者は現状の学校を生産性が低いと批判するのですが、生産性の視点からの批判であると理解されていない方からは「学校教育は価値がある(>0である)」という反応が届くのだそうです。なるほど。すれ違い。
生産性の高低を論点としているのに、価値の有無の論点と勘違いする、という現象がよくあるのだそうです。
ベーシックインカムを例にした具体例では身も蓋もない、残酷な真実が語られます。これは是非皆さんが自分の目でご覧ください。
大半の人が働かなくてもいい「生産性の高い社会」が実現するかもしれない今、私たちには何が求められるのか?それが本書のテーマだといいます。
マーケット感覚を身に着ける話が、実は価値の話であったように、今回の生産性の話も誤解されやすいのだそうです。
著者との表現は少し違います。私が理解した図です。
縦軸が生産性の高低で、高いほうが良い。
横軸がエネルギーをどこに投入するかで、ポイントを絞るか、全面的に使うか、という表現にしました。
右上は、生産性は高いけれども、全エネルギーを投入する。自分が住んでいるその世界全てにエネルギーを惜しげもなく積み込みそして世界を狙う。そんな世界。
右下は、生産性は低いけれども(低いからこそ?)全エネルギーを投入する。自分が住んでいるその世界で全てのエネルギーを使い果たしてそれでも生産性が低くって、どうしよう。そんな長時間労働にいる状態。
左上は、我々が目指すべき領域で、あまり目標を高くせず、自分の大事なポイントにエネルギーを集中し、生産性高く生きる状態。
左下は、ノーコメント。
左右に関しては価値観の違いだが、上下に関しては上の方が良いに決まっている。
生産性が他くてよくない理由などない。
第四章からは生産性を上げる具体的な方法について著者は説明します。
希少資源をお金と時間(←合致した!!w)とし、それを「見える化」することを提案します。特に時間に関しては限られたものである実感を持つことが難しいため工夫を要するといいます。そして、その大切な時間を簡単に売らない事が大事だといいます。
そしてよく言われるようにお金は使うことが難しい。有益な使い方だったお金の使い方を皆さんは思い浮かべられるでしょうか?
皆さんは自分が本当に欲しかったもの(手に入れると世間から評価されるものではなく)をおわかりでしょうか?
そして最も大事な方法。
生産性=成果(アウトプット)÷インプット
から導き出される、訓練方法。
それは
ご自身の目でお確かめ下さい。
すいません。
ですが、これはちょっと、レビューで書くべきことではないと判断しました。
単に○○を減らすだけではありませんです。
私の経験則ですが、日本人って努力したがりなんです。
偉そうなことをいうほど人を見ているわけではありませんが、他国の人(特に温暖な地域の方)と比べるとよくわかります。周りの同調圧力とかを抜きにして、根っこの部分でなんだか、お人好しで、頑張っちゃう民族なんです。
ちょっと辛いかもしれませんが、ちきりんさんのいう、この方法は即効性があります。
是非、試してみてください!
そしてそれと同じくらい大事な方法。これもここでは書けません。書きません。
ご自身でお確かめください。
繰り返します。
私の経験則ですが、日本人って努力したがりなんです。
偉そうなことをいうほど人を見ているわけではありませんが、他国の人(特に温暖な地域の方)と比べるとよくわかります。周りの同調圧力とかを抜きにして、根っこの部分でなんだか、お人好しで、頑張っちゃう民族なんです。
この、もう一つの方法もちょっと辛いかもしれませんが、○○をしない事ではなく、○○をつける事、と理解すれば、やる意欲がわくはずです。是非。
途中で「チームとは」にて、私が常々申し上げている「プロジェクトファーストの働き方」と全く同じ概念が乗っており、びっくりしました。
なるほど、これはイケてそうなアイデアなんですね。
最後に、終章にて、冒頭に出てきた四人の新しい人生がスタートします。
1)○○な男 正樹
○○をすることによって、労働時間のうち3日を○○にあてるようにした。そのためには○○が必要であった。
正樹の今の目標は「今の仕事を上手く回す」事ではなく「○○」だ。そのためには○○が必要だ。
正樹は不思議な感じをこらえきれない、今までは○○だったのに、今では○○だ。
2)○○な母 ケイコ
自分で○○をしていたが、思い切って○○をした。かえって感謝された。出費は増えた。しかし、大切な○○を手に入れることができた。
今、ケイコが考える自分にとって大事なものは○○だ。それに比べれば○○は価値が低い。○○をすることでいろいろなことが割り切れた。
○○を考える事で取捨選択ができ、大事な○○を手に入れたのだ。
3)ラオスにて 陽子
陽子は憧れていたラオスにいた。
先日初めて○○をした。単価が上がるメカニズムを肌で実感した。
今までフリーランスとして売れる=多忙だと勘違いしていた。しかし、本当に売れるという意味は○○をしても○○な事だと理解した。それだけの実績がなければいつまでも○○から逃れられないのだ。
「一生懸命頑張ってきた」陽子は、いま○○を身に着けることがやるべきことだとわかっている。
4)世界を目指して 勇二
勇二は、外資系企業から女性マネージャーを引き抜いた。
企業をステップアップさせるためだ。彼女の改革は大いに生産性を上げた。
大事なのは○○と○○だ。
彼の企業では「価値の低い仕事には、一切、時間を使うべきではない」という意識が浸透した。
さいごに、にて、筆者は言います。
私たちは、嫌な事でもだらだらやると「やり過ごす」事が出来てしまう。
短期間で良いので生産性を上げることで、自分がそれをどれほど好きなのか、嫌いなのか、はっきりわかる。
なるほど、「いろいろやろうぜ!」以外にも方法はあるのですね。
さて
先日、というか今朝ですが、「題名から想像する、自分の時間を取り戻そう」という記事を書きました。
1)自分の時間を定義する
2)自分の時間をそれぞれの人が自分で決めるためにやってみたらいいことを具体例として挙げる
3)その時間を捻出するために何が必要か、そう、生産性の向上だ
4)成果÷時間=生産性。(確かちきりんさんはこう定義していたはず)だらだら仕事をしても仕方ない。
5)新入生の方、就職活動をされている方へ、そのような職場への就職を勧める
6)もっと言えば大学時代に自分のスタイルを見つけておき、必要に応じてそれを実現するための就職活動にする。(例えば起業するにしても大企業での経験があった方が有利ならば大企業に就職すべきだし、即独立すればいいのであれば、勇気をもって独立すべきだ)
7)自分の声に耳を傾ける。傾けるだけの信頼がおける自分を作る。自信を作る。体験をする。
このような感じになるかなぁ。と。
5)~7)、特に6)~7)は蛇足かもしれません。
という話でしたが、どうでしょう?
生産性の向上の話は当たっていましたね。
自分の時間、自分の人生を生きるだなんて、皆さん、あんまり考えたことないと思いますので。
また、何か思いついたらブログに書きます。
みんなで生産性を上げましょう!
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