今回は「論理的思考力を鍛える33の思考実験」(以降Aとする)という本の紹介をしたいと思います。
この本は、いわゆる「論理クイズ」の本です。
実はもう一つ紹介しようか迷った本があります。
「論理トレーニング101題」(以降Bとする)です。
しかし、これは、良い本(質・量に優れる)だとは思うのですが、だれにとって良い本になるかは範囲が限られすぎています。
賢い人はこちらを紹介するのでしょうが、私はAの方を紹介したいです。
Aの本は、「論理クイズ」が好きな人なら知ったことがある問題がたくさん含まれています。
アキレスと亀、モンティ・ホール、赤と黒、テセウスの船、そして一昔前に有名になったトロッコ問題。
上記を聞いて、すべてわかる方はBの方が良いのかもしれません。
Aは平易に書かれています。高校生でも楽しく読める本です。
Bは「はじめに」で著者が触れているように、大学生のテキストなのです。難しいのです。
Aはイラストがたくさんあって、にこにこしながら読めます。(^^
Bは重厚な筆力で読む人を泣かせます(;;
それでもBの方を読みたいのであれば、止めません、どうぞ。
Aを読む際に、是非ともやってほしいことがあります。
「答えを考えてから読む」だけでなく、お知り合いの誰かに、「この結論はなぜそうなるのか、を説明できるように」頑張ってみていただきたいのです。
ここまで解説が詳しいのは、きっと作者の意図としてはそういう事なのだろうな、と思います。
(Bでもそれは可能ですが、論理学の専攻ならともかく、といった感想です。
論理学は構造の学問だと理解しています。
説明するの、大変だと思いますよ?)
Aの本を利用して、自分の回答を考え読み進め、解説を読んだうえで、さらに、人に説明できるようにする。
それで初めて論理の力がつくように思います。
ちなみに、私の成績(?)です。
トロッコ問題はうまく説明できますが、村のお尋ね者については、微妙に説明できません。
矛盾関連はうまく説明できたようです。
しかし、注文伝票の問題と、封筒の問題では回答の段階で間違ってしまいました。
マリーの部屋のクオリアという概念は初めて知りました。
コンピューターの支配する世界では、漫画の「サイコパス」を思い出しました。
あんまり優秀ではありませんね。
思考実験ですので正解がない問題もあります。
そして世の中には正解がない問題が大半です。
正解がないので誰かが、これを正解だという事にしようと決めるのです。
論理というと、血も涙もないコンピューターを想像される方が多いと思います。
逆です。
論理では、答えのない問題を、
こちらはこういう理屈、一方であちらはこういう理屈、と捉える自分の主張以外の事を考えたものだと思うのです。
もちろん最終的な主張は必要です。
しかし本当に論理が通った主張は反論も考えたうえでの主張ですから、相手の事を考えていないということはありません。
むしろ、直感で決めてしまう事を人間的だと誤解し、
自分の主張以外は敵だと、分析をしない事は問題です。
論理クイズを通して、相手の言い分を理解できる人になりましょう。
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