かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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「見て覚えろ」、は「説明する能力がない」という話

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引用元の趣旨は「見て覚えろ、というのは、説明が下手な事の言い訳」というような内容です。返信がいくつか書いていたので見てみました。

 

「見て覚えろ」で、食いついてくるかどうかで本気度を測るという意見や

受動的な人に懇切丁寧に教えるのはちょっと、という意見

職人気質の人は将来の自分の仕事をとられないように、出し渋りをしている、という意見。

色々です。

 

ある、回転寿司屋さんのお話です。

職人が5年かけて覚える仕事を、

マニュアル化して、徹底的に研究して、店長候補の訓練期間・研修期間を半年程度に縮めることができた、と。

(すいません、数値はあいまいです。相当短縮された、とご理解ください。)

回転寿司屋さんは新規出店のために職人が必要です。

今までそれは、長い年月をかけて親方から弟子に受け継がれるものでした。

でも、やってみたら、できちゃった。

単に、説明できないだけだったことがばれちゃったんです。

なんという機会損失。

 

柔道のお話です。

嘉納治五郎という方がいます。柔道の父と言われます。

彼は、今まで門外不出だった柔術の「崩し」と言われる技術を言語化し、伝えやすくします。

それまで魔術か?と思われていたような技術があっという間に広まったんです。

 

 

スピードの遅い世界で、自分の確立した利益を保持したいだけの人はそれでもよかったのだと思います。実際合理的です。

ですが、やるべきことがあふれている時、人に説明しないのではなくできないのは致命的な損失です。

私はある工務店の技術伝承に不安を感じた際、ベテランの方にその重要性を説き、若者を育てる方向にシフトするように説得しました。

その際に壁になるのがやはり、「俺が苦労して、身に着けた技術だ」という意識と「上手く説明できない」という点でした。

全て言語化できるはずはないので、「ここまでは説明できるけれど、ここから先はやってみて、感触や感覚をベテランさんに確認しながらやっていこう」という方法で何とか運用に乗りました。

 

いつ使うかわからないですが、説明できないからしないよりは、説明できる状態の方がよさそうです。

興味がある方はSECIモデルとか、ナレッジマネジメントとかで調べてみてください。

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