かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

論点思考、を読むべきだという話

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今回は「論点思考」という本をお勧めしたいと思います。

本作は同著者の「仮説思考」という本の二作目に当たります。

順番からすれば一つ目の仮説思考からおすすめすべきなのかもしれません。

しかし、仮説思考は問の策定後、役立つことが大きく、問題を策定する一番最初の部分、当該書籍でいうところの論点を定義するのが第一です。

実際に皆さんの役に立つ順番としては論点思考が最初でしょうし、すでに私のブログを読んでくださっている方には「仮説と思考」はもう耳にタコだと思われます。

仮説思考も面白い本だと思いますが、論点思考を読むべきだと思います。

 

著者ははじめに、にて論点思考は問題解決プロセスの最上流に当たる、としています。

私も全く同感で、解くべき問題を間違えていると、以降の作業が無駄になってしまいます。

 

第一章にて、ちょっとした頭の体操があります。有名なクイズなので「答え」を知っている人も多いでしょう。著者も「答え」という表現を用いています。

私としてはこれが大変不満です。「答え」とか「わかった」というのは、そこで思考を止めてしまう可能性があるからです。「答え」をご存知の方は是非他の「答え」を考えてみてみましょう。設問文からすると可能なはずです。

どう納得させるのかがキモだと思うので、例えばそうですね、じゃんけんで決める、というのも一つの案ですし、AさんがBさんに借りがあるのであれば、今回はBさんに譲るというのもありでしょう。一方でAさんBさんともに対象物が欲しいという前提が無意識におかれていますが、片方がそうでもない場合、貸しを作るという交渉にもなり得ます。

(実際に皆さんに本を読んでいただくために、設問を書かなかったのですが、上記でだいぶわかりますね。)

と、ここまで書いて著者も明示していました。

>「いかに平等に分けるか」ではなく「相続人がいかに納得するか」なのだ。

むむむ、お釈迦様の手のひらで遊ぶ孫悟空の気分です。

 

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上記は課題の構造を示した具体例です。

もともと左の抽象的な課題があって、問題としてA、B、Cを設定。

これで、Aを解くべき課題として設定したが、実はそれが間違い。

というのが本書における基本的な構造です。

 

基本的には、問題の設定が正しいか否かを確認する場合、与えられた課題を一般化して考えるのがよさそうです。

A(丸が大きいですね、大きな影響力があるという意味合いです)を問題として設定されたが、とりあえず左の丸に立ち返ってみる、そして自分なりに課題を抽出するところから考えてみる。

「俺の言ったことやっておけばいいんだよ、黙ってやれ!」とか何とかいう人は、課題の設定が間違っていた場合に「人の話を鵜呑みにするだけなら小学生でもできるんだよ、少しは考えて仕事しろ!」と言い人です。

気にせずに、自分で考えてみる事をおすすめします。

そこで新たに大きな課題Dが見つかるかもしれませんし、見つからないかもしれない。Aが大きな課題と考えられていたが、今後の外部環境を考えると、近い将来Cが大きな課題になりそう。だからCを解決問題とすべき、という結論を得るかもしれません。

考えるだけならただですし、多少調査するだけならそこまでコストもかかりません。

設定された課題だけでなく、一度WHY?、それからSO WHAT?を使うと良さそうです。

 

本書は

第一章にて、論点思考(解くべき課題を対象としているか)の大切さを説きます。

第二章以下では論点思考を行う上での詳細な説明に入ります。

第二章では論点候補を拾い出す、問題点の発見ですね。

第三章では論点を絞り込む、すべての論点を解決するという結論は優先順位をつけられない事を言外で告白しています。

第四章では論点を確定し、全体像で確認します。

意外と大事なのが第四章でして、「自分で考えた」というバイアスに陥りやすい場合、全体像での確認が上手にできない事が多いです。

第五章では具体例です。手を動かして、実際に考えてみましょう。

第六章では論点思考力を高めるための著者のアドバイスがのっています。

 

読み進めるのは簡単です、実践して身に着けるのが難しいです。

イメージして腹落ちさせるには、具体的な事象で説明されることが重要です。

本書は具体的な事例にあふれており、おそらく多くの方がイメージしやすいと思われます。抽象的な概念の言葉遊びのようには感じないと思うのです。

 

本書には、ところどころ示唆に富んだアドバイスが並んでいます。

・論点と○○を見極める

・○○は論点にならない

・論点は○○する(三種)

・一番重要な問題から解く方法と○○から解く方法とがある

・相手の靴に自分の足を入れる

・論点は○○の論点である

・どうしたら相手が○○してくれるのかが重要なのだ

・視野・○○・視点

・○○が出せないのは危険

・時には○○させる

 これに関しては私はメッセージ性が強すぎるので別の言葉に言い換えた方が良いと思います。内容そのものはごもっとも。

 

さいごに

第六章は、先述した通り、論点思考力を高めるための著者のアドバイスです。

著者はここに力を割いているとみられ、全232ページ中52ページ、22.4%をこの章に費やしています。

また、本文中の私が良いなと思った言葉の引用、10ほど挙げましたがそのうち3つが第六章からのものです。

やはり、この本は体得するための本です。習得するための本です。

ぜひ、実践と本を読むことを通じて、身につけられることをお勧めします。

そして、2010年に発行されたこの本が、まだ多くのビジネスマンの役に立つのであれば、それは、紹介した私としては嬉しいとともに微妙な気持ちにもなります。

多くの方が、論点思考を身につけられていない証左であるからです。

この本を読んでみた、知っていること、やっていることばかりであった、金を返せ!

という反応を頂けることを願います。

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