かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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stableCoinについて考えた~2018年春~

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 私は毎日、仮想通貨ニュースの記事に関して、自分の視点でコメント入れつつ記事にしています。

最近ですと、stableCoinとCBDCについて、割と多めに記載しました。

ton96o.hatenablog.com 

ton96o.hatenablog.com

昔、別途、stableCoinの記事は書きました。

ton96o.hatenablog.com

基本的なところは特に変わっていないのですが、深く考える事が出来ましたので、仮想通貨ニュースとは別に記事にしておきたいと思います。

 

まず、stableCoinですが、価格が安定しているというだけで必ずしも法定通貨へのペッグを意味しないものと私は考えています。ただ、その価格が安定するという概念を実現するのに、法定通貨にペッグするのがとても良い、という話です。

 

別の観点から説明しますね。

現在私たちは、JPY、円で生活をしています。

給料を円で稼ぎ、円で食べ物を買って、生活費を払い、税金等を支払います。

私たちに根ざしている換算元は「円」です。「円」という概念に支配されているといってもいい。それは私たちが日本という国家に帰属している証でもあります。

銀行券には、銀行券を用いて支払いを行った場合、相手がその受取りを拒絶できないという、法貨としての強制通用力が法律により付与されています。

銀行券・貨幣の発行・管理の概要 : 日本銀行 Bank of Japan

逆に言ってしまえば、我々がBTCで生活の原資を稼ぎ、BTCで生活費を賄い、BTCで属するコミュニティ(国家でしょうけども)に対する税などを払うことができれば、その通貨、ここでいうBTCが生活上の通貨そのものなので、他にペッグしなくてもいいんです。する必要がない。

私たちが普段、円で生活していて、ドル建てで値段を考えたりしないでしょう?

BTCで生活が完結する世界なのであれば、そもそも円換算する必要性がありません。

もちろんこれは、かなり現実性の低い空想のお話です。

国家が、通貨発行権という強力な武器を手放すはずがありません。

しかし、言えることが一つあります。

仮想通貨だけの世界、法定通貨だけの世界に生きる人にとって、stableCoinは必要ではなく、その双方の影響を受ける場合において、stableCoinは強力な存在意義を持ちます。

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a;仮想通貨だけで生活する人

b;両方で生活する人

c;法定通貨だけで生活する人

stableCoinが必要なのは「b」の人。

 

 

では、stableCoinとしてどのようなものが考えられるか、です。

仮想通貨ニュース 2018/05/23 - かんがえる、かがんでいる人」に、コインテレグラフさんの記事を例にとり、詳しく書きましたが、ここでも書きます。

 

1)担保設定

 1-1)法定通貨を担保にする

 1-2)仮想通貨を担保にする

2)ロジックで勝負する

 

2)は非常に実験として面白く、

Basis | A stable, algorithmic cryptocurrency protocol

のようなものもあります。

現実的にうまくいくかどうかは、わかりかねます。

おそらく大人の意見としては「懐疑的である」という事を言っておいて、下手をうったら「ほれみたことか」と、うまくいったら「おお、これはすごい!私が間違っていた!」と、大げさに言うのが正しいのでしょう。そこまで厚顔ではないので、評価できない、とさせてください。基本的に私はいろいろやるのは良い事だと思うので、興味深くはあります。

 

1-1)は非常に現実的です。

法定通貨をこれだけ入れたから、ここが発行する仮想通貨はその法定通貨にペッグした値で安定する。非常にわかりやすい話です。

ですが、すでにテザー社が問題になっているように第三者による監査の必要性、保証の必要性がありますし、そのコストを払ってまでペッグ通貨を発行する必要があるのか、という視点があります。

1-2)は仮想通貨を担保に安定を図るDAI関連があり、私は期待をします。

しかし、私のツイートをご覧いただいている方はご存知の通り、少し不安要素を指摘しています。

それは担保となる仮想通貨は、おそらく安定させるべき仮想通貨と同じ相関係数を示すのではないかという点です。

問題点を示す事だけならだれにでもできます。

現在の私の解決策は「仮想通貨ニュース 2018/05/29 - かんがえる、かがんでいる人」に書きました。ご一読ください。

 

さて、ここまでみて、法定通貨と別の、仮想通貨としてstableCoinを発行する必要性がどれほどあるのか?という疑問が沸き起こってきます。

現在、CBDCの流れが強まっています。これは中央銀行発行の仮想通貨・デジタル通貨の事を言います。私は別途ブロックチェーンを利用しなくてもいいと思っています。今までかつ丼を食べるのに、即時決済ファイナリティ確立、送金手数料なしだったのに、設計によっては送金手数料がかかるとか、使い勝手の面であり得ません。

であれば、CBDCが法定通貨へのペッグ通貨として、stableCoinとして活躍してもいいのではないかと思うのです。

中央銀行発行のCBDCに国際決済銀行がちょっと待った! 一体何が!? | 仮想通貨まとめ

BISが慎重な姿勢を見せているのは当然として、特に日本のような現金が強い国ではキャッシュレス化による、恩恵の方が大きいように思えます。

レジや突合せの人件費低下、強盗事件の低下など。

 

現在の私としては、CBDCがstableCoinで良いのではないか?という結論です。

規制がある程度ひと段落すれば、CBDCと交換するための取引所が適切に運営されることになるでしょう。

税務面で、利確は、仮想通貨同士では利確とならなくなったとしても、CBDCに換える時点で利確となります。当然ですよね。

会計面ではキャッシュ・フロー計算書現金同等物の定義がどこまで入るのかが懸念事項。貸借対照表では、そもそもの仮想通貨という分け方で、どういう分類にするのか、分類が変更・仮想通貨の目的が変更した場合の運用が論点だと思われます。

 

たぶん、ここまでが実現すると、後はCBDCと非中央集権の仮想通貨の争いが激しくなると思います。

 

最後に、Twitterで軽いつぶやき・リツイートをしています。それにとどまらず、そのツイートを元に仮想通貨ニュースを書いています。記事にしている分、ツイートできなかったことまで書いています。

気が向きましたら、仮想通貨ニュースの方もご覧ください。

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