かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

フィッシャーの交換方程式を仮想通貨にあてはめて考えた

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先日のこのような記事を書きました。
ton96o.hatenablog.com

配当が出る形式の仮想通貨はその理論値の算出が簡単であるというツイートを見かけたので、どうなのかなぁ? と考えた記事です。

・公式があったとしても、そこにあてはめる変数の妥当性が怪しい。

・仮想通貨から法定通貨への換算の問題がある

という点で難しいという結論に達しました。

 

今回は、MV=PQというフィッシャーの交換方程式というものを仮想通貨にあてはめたいと思います。

フィッシャーの交換方程式 - Wikipedia

特に問題がないと思いましたのでWIKIを貼っておきます。

Mは貨幣量、Vは流通速度、Pはサービスの価格、Qはサービスの量を表します。

Vが概念として難しいのでWIKIをよくよくご覧ください。

一定期間でどれだけ所有者が変わったかをあらわします。

 

ここで注意点があります。

1)Mは実質的に仮想通貨の単位でしか測れない

2)変数は全体的に納得のいく値を導き出すのが難しい

 

それぞれ説明します。

1)Mは実質的に仮想通貨の単位でしか測れない

仮想通貨のサービスをFIAT、例えば私たち日本人であればJPYで払うでしょうか?

これは、DAppsの使用量gasをETHでなくJPYで払うというようなもので、答えとしては「払わない」となるかと思います。

もちろん、日本円に換算して、「高いなぁ」「安いなぁ」と感じることはあるかと思います。

ETHはEVMを使うためのgasなのであって、それはETHでしかできない価値です。

なので右辺のP*Qが仮想通貨の単位であらわされるので、その為、左辺もそれに倣って仮想通貨の単位でしか測れないように思うのです。

ということは、この交換式で導き出せるのは、現状のサービスの需要量と交換速度(Vの事です。使用量)であれば、このくらいの発行枚数があればよい、という判断ができる位じゃないかな、と。

となると、そこからわかるのは、等式が成立する値から発行枚数を割り出して、それを前提に

・発行枚数を多くしたら価値が希釈されるので落ちるだろう

・バーンしたら一枚当たりの価値が上がるだろう

という判断です。枚数の調整に使える程度だと思うのです。

USDであろうがJPYであろうが、Mを換算する必要がある時点で理論値が導き出せるとは思えないのですね。

 

2)変数は全体的に納得のいく値を導き出すのが難しい

・P*Qの部分

・Vの説明

・コントロールできるのはどこか?

・大体の目安には使える

 

 

いやいや、と。

P*Qの部分を、似たような既存のサービスと 置き換えることでFIATに置き換えることはできそうだよ、と。

確かにそうです。それで上手に説明してある記事もあります。

ここで疑問が浮かぶのです。

「果たしてサービス提供者は、仮想通貨を使って、わざわざ既存のものと同じサービスを作りたかったのでしょうか?」

つまりは、既存の似たサービスを当てはめる事の妥当性について、疑問がわくのです。

私なら、車輪の再発明をしたくありません。

自分の学習や趣味以外でしたい人、いらっしゃいます??

多分いないと思うのです。

 

であれば、既存サービスと同じような値を当てはめること自体がどうなのでしょうか?

また、

P*Qの部分は、当該仮想通貨が利用されるうえでのすべてのサービスです。

例えばETHでしたら、将来的なEVMを使うためのgasと捉えてもいいでしょう。

それだけでしょうか?

現在、ETH建てで仮想通貨を決済手段として使っているお店、ありますよね?

イーサリアム(ETH)が使えるお店(決済対応店舗)

本当に理論値を出したいのであれば、それらすべての使途を調べ上げた上での総計P*Qに上げるはずなのです。

現在、仮想通貨それ自体が投資の対象となっている以上、P*Qを出せるように思えないのです。

出せますか?

 

次にVの説明です。

カストディサービスというものがあります。

これは「あなたの資産を我々金融機関が安全に預かりますよ」というサービスです。

秘密鍵がどうとか、ウォレットのバージョンアップに悩まされなくてよくなるのでは?と私は期待しています。

一方で、そのサービスにはそれなりのお金がかかります。

2兆円規模の仮想通貨流入予測も:安心保管のカストディサービスが今望まれる理由

(上記のニュースも、私の仮想通貨ニュースでコメントしております。よろしければご参照ください。

仮想通貨ニュース 2018/06/21 - かんがえる、かがんでいる人 )

ここからは私の想像ですが、カストディサービスを行うのはコールドウォレットになると思うのです。つまり、PoS通貨であっても利息が入ってこない状態ですね。

ということは、ガチホと同じ効果をもつ、と。(預けて使わない時点でガチホ、HODLです)

となると、交換方程式でのVは下がりますよね?

なので、カストディサービスがローンチするというニュースは、フィッシャーの交換方程式を信じる人からすると、朗報で、そのサービス対象に自分が保有する銘柄が入っていれば、これもまた朗報です。

Vを算出するにあたって、このような種々の情報を勘案する必要があります。

流通速度なんて、そう簡単に出せないと思うのです。

 

次に

コントロールできるのはどこか?という観点からのお話です。

私のブログをご覧の方からすれば重複しますが、再度、簡潔に説明します。

SWOT分析というものがあります。これは、強みと弱み、機会と脅威を捉えるものです。良いものと悪いもの、内部的なものか外部的なものか、という二軸で分けた四象限です。私が重要だと考えているのは、外部的なもので、それはコントロールできないからこそ、敏に察知することが不可欠です。外部環境をとらえる分析手法としてPEST分析というものがあります。

私は、外部環境をコントロールできないものとして重要視します。変えられないのなら、自分が変わった方が早いですし見切りをつけるのも重要だと思うのです。

さて、MV=PQでした。

Mは発行枚数ですね。半減期がいつで(何個のブロックを生成したら半減期になるか)総発行枚数が何枚とアナウンスしておいて、そう簡単に変更できるものなのでしょうか?私は難しいと思います。

Vは利用者(=ここでは当該仮想通貨所有者)が大きな役割を果たします。どう動くかは誰かが決められるものではありません。買いあおりやガチホを誘いますか?できなくはありませんが難しいと思います。

できるのであればP*Q、すなわち、サービス・製品の質を上げ、たくさん利用してもらうようにすることでしょう。

拍子抜けするほど簡単で王道ですが、そうなります。

また、右辺、P*Qの部分は、当該仮想通貨でしかできない事であれば、いくら「高いなぁ」と感じようとも利用者は当該仮想通貨で支払うほかありません。ゆえに価格が上がります。

(2017年末の主要通貨の送金料高騰を思い起こしてください。BTCを別のアドレスに移すのはBTCでしかできません(=送金料はBTCでしか払えません))

 なので、他にはない、独自のサービスを提供しましょう、ということになります。

こちらも王道です。

 

ここで、法定通貨との換算の観点を持ち出します。

換算するには何が必要でしょうか?

割合が必要です、ここでは「JPY/当該仮想通貨」、つまり当該仮想通貨一枚当たりの日本円が必要になります。

あれ?これが、一番知りたいことだったんじゃないでしょうか?

 

いやいや、と。

P*Qが法定通貨建てで算出できて、MもVも算出できるのなら、「JPY/当該仮想通貨」=(P*Q)/(M*V)で算出できるよ、と。

はい、算出できると、そうなりますね。

算出できると、理論値が出せます。

 

算出が難しいのは前述のとおりですし、

>P*Qが法定通貨建てで算出できて

こちらは、当該仮想通貨でしか払えないサービスが出た時点で崩壊しがちです。

どうしても必要であれば、いくら高くても使わざるを得ないですし、当該仮想通貨を買わざるを得ないと思うのです。

2017年末時点で、「BTCの送金料は円建てで考えて高すぎる!(私もそう思いました)なので、払わない!」というのはごもっともですが、アドレスから移せません。

あまりにもサービス料金(P)がFIAT建てで高すぎるのであれば、そのサービスが廃れるのでは?というのは原則として合っていると思いますが、例外があるのでは?と思うのです。

なので、崩壊「しがち」と書きました。

 

 

最後に、大体の目安には使えるという話です

フェルミ推定というものをご存知でしょうか?コンサルタントの試験で良く出されていたもののようです。「日本に電信柱はいくつありますか?」というようなつかみどころのない問題に対して、推理力と論理力を駆使して、まぁそれなりの回答を導き出しましょう、というものだと理解しています。大事なのは結論に至る説明です。

答えとしては桁を間違っていなければいいくらいのざっくりとしたものです。

私は、交換方程式、そういうザックリとした規模感を把握するには良いものだと思うのです。

サービス内容があまりにも小規模で将来性がないにもかかわらず、価格が跳ね上がっていればそれは割高なんじゃないかと判断できます。

逆に、サービス内容にその仮想通貨でないとできない物があれば、それは好材料です。

この関連は交換方程式がなくとも、直感的にわかりますが、Vの観点からのニュースにも使えるという点で有用です。(上記のカストディサービスの件です)

 

 

いかがでしょうか?

既存の方程式は我々に判断材料を与えてくれますが、それはあくまで道具としてです。

道具は使うものによって、良くも悪くもなります。

 

また、今回の記事は「仮想通貨ニュース」でツイートしていたものをまとめ、再編したものになります。ニュースをまとめてコメントしているだけではありませんので、よろしければ仮想通貨ニュースもご覧ください。

仮想通貨ニュース 2018/07/01 - かんがえる、かがんでいる人

仮想通貨ニュース 2018/06/25 - かんがえる、かがんでいる人

ではでは

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