かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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EOSとTezosとDfinityのまとめ

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まとめてみます。

いずれも処理の高速化を狙ったプロジェクトです。一方で非中央集権などを犠牲にしているかもしれない点は各自ご確認いただき御注意ください。

 

銘柄とは関係なくともEOSはEOS、TezosはXTZ、DfinityはDFNと表記することがあります。

 

それぞれのプロジェクトごとに

・プロジェクト概要
・オフィシャル
・ホワイトペーパー
・BCエクスプローラ
・プロジェクトプラットフォーム概要
・プロジェクトトークン概要
・プロジェクトのニュース
・ブログ漁り

 という流れで進めます。 

 

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まずはEOSから。

・EOS概要

EOSは「EOS.IO」とよばれるソフトウェアを核にした分散型アプリケーションプラットフォームです。非常に処理能力が高いと言われており、将来的に企業への導入による業務サポートを目指して開発されています。
EOSトークンは、あくまで資金調達手段として作られたトークンです。なので、決済機能・通貨特有の機能を持っておらず、本来無価値なものらしいです。

・オフィシャル
 eosio | Blockchain software architecture

・ホワイトペーパー
Documentation/TechnicalWhitePaper.md at master · EOSIO/Documentation · GitHub

・BCエクスプローラ

EOS Tracker | Real time viewer for EOS Blockchain

EOS (EOS) Token Tracker

・EOSプラットフォーム概要

EOSプラットフォームはDPoSを利用しています。
DPoSとはコンセンサスアルゴリズムの一種です。その名の通りPoSに類するものですが承認者が限定されていることが特徴です。日本の国会に国民一人一人が参加できるわけではなく、政治家を選挙で投票し、委任したうえで民意を立法に反映しています。DPoSのDは「Delegated」のDです。意味は委任です。不特定の誰もがブロックを生成できるわけでなく、委任された承認者がブロックを生成できます。
そのようなCAを使っているため「処理速度が速く」「取引手数料が無料」です。
とても良い事のように思えますが、分散という性質を犠牲にしたうえでのスケーラビリティであり、取引料の低減です。
ブロックチェーンの一つとしてのCAというよりも、商品として最適化されたものだと認識した方が良いように思います。

・EOSトークン概要

先述の通り、EOSトークンは資金調達用のためそれ自体には価値はないらしいのです。公式ホワイトペーパーにも書かれているそうです。
なので、EOSトークンに価格が付き、高騰しているのは何らかの理由があり、それをEOSプラットフォームへの期待や、トーク保有者へのエアドロップ等のイベントごとに理由を求める方もいらっしゃいます。

私はDPoSの性質上

Anyone may choose to participate in block production and will be given an opportunity to produce blocks, provided they can persuade token holders to vote for them.

トーク保有者が委任者への投票権を持っているため、という点を指摘します。
これはかなり細かい指摘で、EOSトークンの価格高騰への本質な理由ではないとは思っています。しかし、DPoSという仕組み上、どこかで十分な分散が図られている事が必要です。なので、せめてその投票権は分散されているべきなのではと考えます。
一方で、一般的な「投票」の問題として、死票があげられます。意思決定に影響を与えない(与えられない)のですね。これにより、絶対に投票に参加する大口が、その割合よりも大きな影響を持つ事になります。株式で考えます。株主総会への議決権投票に個人株主が異議を唱えてもあまり影響がありません。過半数など意思決定権を持つだけの数を保有しておけば後はどれだけ分散されようとも、死票とできます。
アメリカの大統領選で考えます。2000年、ゴアがブッシュに勝っていた時にネーダーが参戦。ネーダーはゴアの票を食い、ゴアへの票を死票としました。

(参考;「決め方」の経済学

大口がいないことが投票における重要なポイントとなりそうです。

 

・EOSのニュース

EOSは6月にメインネット(本番環境)での動作を開始しました。
その後、バグが見つかり、開始から48時間で停止。そして5時間で普及しました。
これは運営が存在することのいい点を垣間見えたように思います。
中央集権型の運営だからこそ、5時間という短時間で復旧できたのだと思うからです。その後「バグを見つけてくれたら賞金」というプロジェクトを迅速に立ち上げられたのも運営があっての事だと思うのです。

尚、バグ発見に対する賞金はそれが十分でないと報告されないという点は仮想通貨ニュースでコメントしてあります。具体的には、あまりにも賞金が少ない場合、発見者はそのバグを利用して攻撃をするか、他の攻撃者への情報提供者となり得るからです。

また、Augur開発者チーム「Kill Switch」の発動権限を破棄、非中央集権化へ | ビットコインの最新情報 BTCN|ビットコインニュースEOSでは特定のアドレスを排除する動きもありました。今回のREPの動きはまさにそれを意識したうえでの非中央集権化を目指したものでしょう。非中央集権が絶対に良いかというと私は疑問を持っていますが、EOSは商品でありビジネスで使われるプライベートチェーンだとすれば、その性質上、運営がある程度の力を保有しておくというのは納得できます。 

・ブログ漁り

いいねが多くて最近の奴が有用だろうという推測から張っておきます。
中身は読んでおらず、見てすらいません。

EOS: Don’t Believe The Hype – matteoleibowitz – Medium

Why EOS may be the Best Investment Opportunity of Our Lifetime That You Haven’t Already Missed.

Announcing EOSfinex – Bitfinex – Medium

EOS will launch in a few months, here’s what we know…

EOS Mainnet Launch: The Order of Events – EOS New York – Medium

【2018年版】有力ブロックチェーン特徴まとめ18選

 ↑真ん中あたり、参考程度に。

What is EOS? | Beginner's Guide to the Blockchain Platform

What is EOS Blockchain: Beginners Guide - Blockgeeks

↑概要の読み下し、という感じでfor biginnerでは良記事だと思います。

Crypto projects ranking, shill the DPoS! — Steemit

そういえば中国の仮想通貨ランキングでEOSは上位に来ていました。ランキングの形式としてはいろいろと疑問点がありますが、注目を集めているのではないかなぁという気がしなくはありません。(お金が動いていないといいな、と思います)

EOSについての雑感 — Steemit

How Do I Use My EOS Tokens to Vote for a Block Producer?

 

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次、Tezosです。

・XTZ概要

Tezosは、2014年よりスタートしているプロジェクトで、分散型アプリケーション(DApps)のプラットフォームです。スケーラビリティだけでなくハードフォークに対しても考慮された仕組みを作っており、通貨のシステム・規定変更に至っては、新旧のシステムに互換性を持たせることが出来る為、ハードフォークの必要性がないとのことです。
スマコンを持ち、プラットフォームを持っています。
ETHはネットワークに負荷を与えるプロジェクトを運営が停止できる一方、Tezosはプロジェクトの推進の可否をユーザーが決めることが可能だとされています。
また、開発者は、システム修正及び改善などの作業に対し、トークンを報酬として獲得可能だそうです。

・オフィシャル

Tezos

・オフィシャルブログ

tezos – Medium

・ホワイトペーパー

https://tezos.com/static/papers/white_paper.pdf 

・BCエクスプローラ

TzScan: the Tezos Block Explorer by OCamlPro

・XTZプラットフォーム概要

特徴として「Formal Verification」と呼ばれる技術者によるスマートコントラクトの内容の実証機能が挙げられます。これはスマートコントラクトの内容を、数学的な視点から技術者が検証を行うシステムだそうで、正しく実行されているか、証明するものであり、エラーの許されない契約などにおいて通常のスマートコントラクトよりも証明性に優れたものだそうです。

形式的検証 - Wikipedia

によると、「Formal Verification」は仕様通りに作られているかを検証できるものと言えそうです。
ETHとの比較でこのようなやりとりがありました。

Formal verification in Ethereum vs. Tezos : tezos

drsmklさんの発言が注目されています。

ハードフォークと、ETHにおけるThe DAO事件(バグ)を非常に重く見てその解決策を示したプロジェクトと言えるのではないでしょうか?

なので次に「ハードフォークが必要ない」という特徴を挙げます。
通貨を分裂させることなく、新しい通貨の定義と既存のシステムに互換性を持たせることが可能なのだそうです。

ハードーフォークに関してはこちらをご覧ください。どちらも良記事です。

【まとめ】ブロックチェーンにおけるソフトフォークとハードフォークの違い

【しりとりで学ぶフォーク】ハードフォークとは何なのか?ソフトフォークとは何が違うのか? | Individua1 | Ethereum経済圏研究

念のため。後者は単語がブロックでチェーンになっているからこそ「しりとり」で例えてくれてます。しりとりで使える単語がどうなるか、という点をご注意ください。包含関係でとらえるとわかりやすいように思います。

TEZOSであっても「もっとも、通貨の管理者の考えと通貨の新しい定義が乖離している場合には、通貨の分裂が必要です。」だそうです。ん?なんだそりゃ。

あ、CAはDPoSです。一応誰がブロック生成者になるかはわからないようです。

・XTZのニュース

Tezosは、チーム内部で争いが起き、予定していたトークンの配布などが遅れ、訴訟にまで発展したという過去があります。 

このような記事もあります。外部監査により信頼を得たいという意図でしょう。
確かに、財務監査を行っているBIG4の知見・監査技術を疑うことはできません。しかし、その報酬の構造上、独立性の担保は難しいものがあると考えています。
今までこうやってきたんだから、という前例主義とは別に、この監査が一時的な信頼性をとりあえず確保するものではないのであれば、理想的な監査を考えても良いのではないかと思うのです。 

ton96o.hatenablog.com

・ブログ漁り

A beginner’s guide to Tezos – Linda Xie – Medium

↑こちらが非常によろしいかと思います。

Testimonial Regarding Johann Gevers and the Tezos Foundation

A quick tour of the Tezos code base, and the state of its development

↑こちら、そこまでクラップが多くありませんが、良記事だと思います。

Why Tezos is the most advanced Blockchain to date – Tezos Commons – Medium

What is Tezos (XTZ) Beginner's Guide, Information & Review

How is Tezos different from Ethereum? - Quora

 

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・DFN概要

このプロジェクトは最新かつ分散化されたクラウドクラウド3.0」を作りたいと考えているそうです。
このプロジェクトの真のセールスポイントは、チームリーダーのWilliams 氏が呼ぶところの「インターネットコンピュータ」に企業がアクセスできるようになる事だそうです。
これは、単一でスケールが無限なインターネットベースのコンピュータのことです。企業は現在、例えば Amazon Web ServicesAWS)上にアプリケーションやプロセスをホストしているが、それぞれの設定、メンテナンスが必要とされる複数のコンピュータ・インスタンスを賃借する必要があります、ところが Dfinity ネットワークが利用できるようになれば、企業は1ヶ所ですべてのシステムを動かすことができるようになるのだそうです。
EVMと同じような発想でしょうか。十分にノードが分散していれば、どこかが生き残ってくれさえいればシステムは止まりません。なので効率の面はわかりませんが丈夫なシステムとは言えそうです。(グリッドコンピューティングでどこまで処理速度が上がるか、例えば現在または近い将来のAWSとの性能比較は私ではわかりかねます)

BC上でのやり取りはコストが高くつくでしょう?と。

DFINITY In A Nutshell — A Non Technical Introduction

にて

But dramatic savings are possible because the vast majority of costs involved in running enterprise IT systems derive from supporting human capital, not computation per se, and the DFINITY cloud will make it possible to create systems that involve far less human capital.

人間にかかるコストの方がでかい。Dsinityは人間にかかるコストを少なくできる。

と言います。

2017/10に計算力のテストが行われたそうです。
500ノードで1秒。比較のためETHでは600秒、BTCでは3600秒だったと。
どんな計算で他のクラウド処理との比較が書かれていないのが気にかかりますが、分散ネットワーク処理の中では好成績だと解釈します。

CAについて特徴的で、マイナーになるのはDFINITYにサーバーを提供する人で、サーバーを提供した人は報酬として、DFNトークンを受け取ることができます。Amazonなどと同様に、世界各地にサーバーを分散化させる必要があるため、現在はDFINITYのマイニングコミュニティの構築に力を入れているようです。

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Dfinity関連でこの図が良く出てくるので大事なのだと思います。

オフィシャルにも載っていますが、こちらから引用しました。

分散ストレージは誰も求めていないという知見ある方のツイートもあるようです。
私としては、データが重複して持たれていることで破損しないというのはなかなか重要なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?確かWINNYがそのような持ち方をしていましたよね?(ファイルを暗号化して、分割・分散して保有。自分は何をどれだけ持っているかはわからない。あくまでノードとして役割を果たす)

その方も中央に保存されたくない、という点は指摘していらっしゃいますので、ビジネスモデルとしてはアリなのだと思います。

・オフィシャル

DFINITY - The Decentralized Cloud

・ホワイトペーパー

DFINITY - The Decentralized Cloud

こちらから。日本語版もありますが、微妙によくわからないところがありましたので英語版の方がよさそうです。

CAについてのWPは、また別でして。他を含めて下記をご覧ください。

DFINITY - The Decentralized Cloud

・BCエクスプローラ(TokenTracker)

Dfinity (DFN) Token Tracker

・ブログ漁り

DFINITY for Beginners : dfinity

DFINITY In A Nutshell — A Non Technical Introduction

DFINITY White Paper: Our Consensus Algorithm – DFINITY – Medium

The DFINITY “Blockchain Nervous System” – DFINITY – Medium

A First Look at DFINITY’s testnet (October 2017) – DFINITY – Medium

BLS署名と秘密分散を組み合わせる

 

各プロジェクトの説明は以上になります。

処理速度を上げるためにDPoSを採用したり、運営が関与するのはだめだ、と緊急停止コマンドを放棄したり、訴えられたり、信頼を得る為、監査をお願いしたり、いろいろあるなぁと。

私はいろいろやってみよう!というスタンスですので、何とも言えませんが、ガバナンスの視点からこういうご意見があることを最後に付記しておきます。

↓ 

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↓ 

ブロックチェーンのガバナンスモデル – on-chain vs off-chain | Individua1 | Ethereum経済圏研究

ガバナンスはそれ自体「統治」の意味ですが。プログラムであるブロックチェーンにおいては、それを更新することを意味します。

オンチェーンガバンンスとは、決定された変更が自動的に行われる方式です。
オフチェーンガバナンスとは、決定された変更に更新するのにノード運営者の意思決定が必要になる方式です。

前者はDfinityやTezosで採用されています。
後者はETHで採用されています。

EOSはDPoSなのでオンチェーンガバナンスといったところでしょうか。
(ガバナンスというくくりでいうと、中央集権の面からEOSはいろいろあるようです。

参考;EOSのガバナンス問題、CTOが仲裁方法の改正を提案

The State of EOS Governance: ECAF & {{ regarbitrator }} — Steemit

引用記事でindivさんは書きます。

この話題は活性化エネルギーの話と似ているなと思うところがあります。確かに基底状態から遷移状態に励起するために必要なエネルギーはオンチェーンガバナンスの方が小さいのですが、「活性化障壁が高いからこそ、それをコミュニティのコンセンサスと見做すことができる」みたいなところもあるはず

ぼんやりしていてもオンチェーンガバナンスの場合は変更に賛成なんですね。

最高裁裁判官の続投に際して「罷免したい人だけ印をつけてください」となっています。そんな感じです。
一方で、「続投を望む人にだけ丸を付けてください」という厳しい条件で最高裁判所裁判官に再任されたとしたら、それはもう、立派な事だといえます。

私も似たような話を書きました。

HAIKU — Steemit

かんたんな俳句の話です。
皆さんご存知の通り、俳句には厳格なルールがあります。だからこそ、それを乗り越えて尚、芸術性を見せる作品は、真に優秀な傑作と言えるのではないでしょうか?

厳格な障壁を超えて同意とされた約束事こそが、そのコミュニティにおける約束事として正当性を持つのでしょう。

そうであれば、オンチェーンは各ノードに意思決定の必要性をなくした(=その権利をはく奪した)代わりに統治を重視した中央集権制が高い制度と言えるかもしれません。

 

一方で、中央集権制を発揮したい場合があります。
サービスのスタートアップですとか、企業が使う場合ですね。その際には、お行儀が悪い人やトラブルを迅速に統制するために権力が必要になります。

なので、ブロックチェーンが堅牢なDBである、ということに加えて、その堅牢制は何を根拠にされているのかを押さえておくのが良さそうです。そして、何らかのサービスを利用する際は、パッケージングされたサービスを導入する企業も、何らかのサービスを利用する利用者も、どの程度の分散ができて、分散できていない場合は何を目的としているのかを、少しだけ立ち止まって考えると良さそうです。

(「分散を放棄していると、改ざんをしたい意図がある」という内容のツイートを拝見しましたがそれは絶対ではありません。改ざんをしたい場合、分散せず中央集権にしてコントローラブルにする必要がありますが、分散がいまいちで中央集権的だから改ざんの意図があるとは言えないと思うのです。)

(でも、そういう姿勢は現状必然ですし、あるべき姿勢だとも思います)

(若い女性が夜道で後ろからの足音を警戒するような、あるべき警戒)

 

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参考(ブログ漁り、でリンクしたものは含まれていません)

仮想通貨 EOS(イオス)とは|特徴や今後の将来性について

LiskのDPOSとBitSharesのDPOSの違い

仮想通貨 Tezos(XTZ)とは|今後の将来性について

ブロックチェーンベースのクラウド開発を目指すDfinity、Polychain CapitalとAndreessen Horowitzから6,100万米ドルを調達 - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

Dfinity raises $61 million for blockchain-based cloud | VentureBeat

DFINITY(ディフィニティ):分散型クラウドストレージ | ICOポスト

 

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