かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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顧客志向の顧客は消費者でなく利害関係者なのだという話

今日の話では、顧客と消費者の使い分けに注意していただきたいと思います。

また、世間一般で通じる顧客の定義とは、少し違った用法になっていると思いますが、そこは文脈からイメージを再構築していただきたいと思います。

 

さて

少しばかり昔の話です。

中国の高級ホテルに日本人が泊まったところ、冷房が効きすぎていたそうです。

「寒いので温度を上げてください」お願いをしました。

返答は、NO。

なぜなら、「このホテルは、真夏に寒いくらいの冷房を効かせることができる。それだけの電力料を払えることが一流の証でありブランドだから」なのだそうで。

 

似たような話。

これは、かなり昔の話。しかもエッセイ本で読んだ話、伝聞です。

発展途上国のチョコレートが甘すぎるのだそうです。

日本だと、甘いは甘いけれど、まぁ、ほどほどなのに対し。

あちら様は、これでもかと言わんばかりの甘味を下に直撃させるのだそうで。

そして、そのチョコレートを持ってきた人はすごく笑顔。

「どうだい?うちの国だって、こんな甘いチョコレートを作れるんだぜ」

 

どちらも、最終的には鎮火していく話ではあると思います。

私が言うまでもなく、その消費者の都合でなく自分の都合で、冷房を効かせ、チョコの味を甘くしすぎているのが問題だと思います。

 

なるほどね、と。

顧客、つまりは「あなた」ではなく、「わたし」が良いと思うものの押し付けになっているのだね、と。

 

それはそうなのですが、それが結論ですと、私がテレテレ音声入力してテキストを修正してブログを書く意味があまりないのですね。 

ton96o.hatenablog.com

 

タイトルに話は戻ります。

ホテルの冷房の件も、チョコレートの件も、「消費者志向である」とは言い難いものです。

私は特に変なことも斬新なことも思いつかないので、私が考えることは皆考えているはず、と考えています。

つまり、そのホテルの経営者もチョコレート会社の経営者も、気づいていると思うのです。

なのに、それが修正されない。

それはなぜか。

おそらく、現状にそれなりにメリットがある理屈が存在しているからだと思うのです。

 

例えば、そのホテルの冷房が効きすぎていることに豊かさを感じる人(消費者だけでない)の割合が多いのかもしれません。ホテルは単に泊まるという機能を提供しているだけではないのですね。

例えば、そのチョコレートの消費者はその国の人が多いのかもしれません。そして甘すぎるほど甘いチョコレートを食べることで、食料品としての栄養やカロリーを受け取るだけでなく、「こんな甘いものを作れるようになった我が国」という誇りを受け取るのかもしれません。

 

そう考えると、むしろ、わがままを言っているのはこちら側で。

そのホテルで冷房を下げろと言い、チョコレートを甘さ控えめにしろというのは、八百屋で魚を買い求めるようなものです。

八百屋さんは、野菜などを求める消費者が多いから野菜を取り扱っているのでしょうし、野菜が好きだから八百屋さんをやっているのでしょう。魚は魚屋さんで買ってください、となるのだろうと思います。

それとも何か?職業選択の自由を侵害する気か?おい。

 

このように考えていくと、「顧客=消費者」というのもおかしな話のようです。

 

例えばスタバ。結構高価な商品です。

あちらの値段は、原材料をフェアバリューで買い取って現地の人にも喜んでいただき、さらには消費者の方は商品を購入することで、搾取されている方々にあるべき報酬を渡す手助けができるのかもしれません。

一方で、

あちらの値段は、実はスタバの店員が享受する福利厚生や企業年金に回されるのかもしれません。

 

前者は消費者に対して耳に心地よいので宣伝されますが、後者は消費者に何のメリットもないので宣伝されないのかもしれません。

(従業員の福利厚生や企業年金が充実していることで、仕事に誇りを持って働いて、結果、消費者が満足するということはあるかもしれません。が、回りくどい)

 

そうなのであれば、スタバの商品の値付けは、消費者だけでなく、仕入れ先や競合店や代替物や新規参入者や、株主や従業員の事も考えられてつけられているのかもしれません。

(このあたりが気になる方は「5フォース分析」でググると多少幸せになれます。値付けだと問題ないですが、事業における分析として使うには「退出」に関する視点が抜けているのでは?というのが私の意見です

 

----------------(‘ω’ っ )3

 

昔、ホリエモンさんがフジテレビを手に入れようとした時でした。

「会社はいったい誰のもの?」という話が世間を賑わせました。

経営者のものか、株主のものか、労働者のものか、社会のものか、消費者のものか。

 

「顧客志向」という言葉を聞いて、「消費者志向」と考えるのは、もしかすると一面しか見えていないのかもしれません。

 

 

AIが流行っていますね。

現在のAIはデータ分析の結果から、適切な回答っぽいものを統計的に導き出すというものだと私は理解しています。教育が必要なのですね。

すぐさま使える学習済みAI、3大クラウドのサービス実態 | 日経 xTECH(クロステック)

それを補うべく、学習済みAIというものがありますが、この記事の値付けの話を読んだ方なら、注意深く使うことができるように思います。

学習済みAIは、どこかの誰かにしつけされた飼い犬と同じで、自分の常識や思い込みや期待が通じないかもしれません。

 

使いどころが大事だなぁと思う次第です。

 

ではでは

 

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