遅い
— ton (@ton960) 2019年2月12日
個人情報格付け社会 ~恋も金回りもスコア次第!?~ | NHK クローズアップ現代+ https://t.co/rcowVkkCkL
セサミとJスコアの話でした。
今回は信用情報を足掛かりに、いろいろと考えていきたいと思います。
まず、前提知識として次のお話をしておきます。
1)金融機関において、信用情報は昔から使われてきた
2)人が作った基準で生きている
1)金融機関において、信用情報は昔から使われてきた
こちらですが。カードローンとか借金をするときですね。
ノンバンクでも銀行でもいいのですが、審査があります。
銀行は厳しくてノンバンクはいささか緩いでしょうが。
銀行ですと、個人に貸す場合、どちらにお勤めなのかですとか、それまでの当行の利用履歴などを丹念に調べられます。給与の振込先は?電気ガス水道などの引き落とし先は?たくさん使っていることを「通帳を汚す」なんて表現します。
それによって審査結果が変わるのですね。
ノンバンクの信用調査は、漫画のナニワ金融道で簡単ですが見ることができます。
身分証明書から、他からいくら借りているのかわかります、と。
実際は保証人なども加味して審査を行うのでしょうが、信用情報というものはすでに昔から可視化されていたのですね。
2)人が作った基準で生きている
こちらですが。
既存の基準は、利用者が金融機関です。
だから、勤め先が大きな会社で収入が多ければ、たくさん貸しても問題なさそうですし、結婚されていればバックレることもなさそうです。
利用者が、その判断に有益な情報が共有されていたのですね。
それは、今日も、そして多分、明日以降も変わりません。
何らかの基準は、それを作った人が得をするモノサシでしかないのですね。
これは利用者に役に立つモノサシかもしれません、が、それはその物差しが今後も使われることを意味しますので、結果としてモノサシを作った人に利益として帰ってきます。
だから、「便利だなぁ」と思うのはそれはそれで結構ですが、「どういう意図があるのかね?」という考えを持つことも意味があると思うのですね。
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さて、様々な個人情報を精緻に収集し、AIという流行っている機能を利用して出てきたスコアですが、これにはどのような意味があるのでしょうか?
AIは煎じ詰めると、ベイズ統計学をもとに、「今までこうだったからこういうタイプは今後こうなると判断できるよ」というパターンの集積を与えてくれます。
それはそれで非常に有益なものです。
ですが、過去のデータをもとに、パターン化された未来予測をしているので、未来がどうなるかはわかりません。(確率的には事故を少なくできます)
その人がどうなるのかは確率的なものです。
因果関係があるとされていたものが、関係がなかったと判明することもあるでしょう。
なので、スコアという物差しを妄信するのは良くないんじゃないかなぁ?と思うのです。
また、スコアという物差しは、その物差しの目盛りの振り方に主観が介在します。
機械は、何を正解とし、何を間違いとするかは判断できません。
例えば、企業経営をAIに任せて、時価総額を最大化してくださいという命令をしたら、公害を発生させ近隣住民に迷惑をかけるかもしれませんし、金融市場で大いに暴れるかもしれません。
それらは職業倫理上、許されることではありません。
一方でビジネス上、厳しいところを攻めていかねばならないことも事実です。
一線を越えてはいけないが、攻めなければならない。ぎりぎりまで攻めるのが、おそらく正解である。
その一線は、人によって、時期によって、育った環境によって変わるのです。
さらに、スコアは企業に管理されているものだということを注意していただきたく思います。神様が客観的につけたものじゃないのですね。
私がスコアを作る側であれば、不自然にならない程度に、自分や仲間のスコアは高くするでしょう。
スコアの信頼度を上げ、広告塔になってくれそうな人は高く評価したり。
今までの仕組みで拾えなかった善行を拾ってスコアが向上した実例として手心を加えたりするのではないかと思います。
(技術の発展で、今まで考慮できなかった要素を考慮する、ということはできるようになっていると思います)
冒頭のNHKの番組では、最初スコアが低かった方が、毎日散歩をしたり、アプリが推薦する本を読むことでスコアが上がっていきました。
散歩をしたかどうかのチェックが、スマホの万歩計で測られているとすれば不正の方法などいくらでもありますし、推薦図書を読まなければスコアが上がらないのであれば、消費行動を、ひいては自分の時間の使い方を他人の命令に従っていることになります。
私は気分よくありません。
私は、自分が情報収集する媒体位、自分で選びます。
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セサミを使っている方が、友達との関係を(ネット上でしょうが)簡単に削除していました。スコアを上げるためです。
私は、付き合う相手を機械に決められてたまるか、と思う派です。
Jスコアをはかっている方が、最初の設問で「野菜を購入する時に何を気にするか?価格?有機?。。。。」という質問に興味を抱いていました。
Jスコアは今のところ金融関連(ぶっちゃけ融資です)で使われる程度だという理解ですので、「野菜に気を使っている→健康に気を使っている→おそらく仕事でのパフォーマンスもよい→利率を下げてもよい」というようなロジックだと思われます。
私は、食べ物位、好きに食わせろ、と思っちゃう派です。
AIだの、定性情報の明確化だの。
それらを使いこなすのが格好良いことだとは思います。
使いこなしているつもりが、その仕組みを作った人たちのお客様に無意識になっているとしたら、それは、カッコ悪いことではなく、とても恐ろしいことです。
ってか、今の仕組みだと、ITリテラシーがない人、置いてきぼりじゃんね。
モノサシを利用するなら、わかったうえで利用した方がいいかな?と思います。
むしろ、自分のモノサシを作る側にまわった方が、いろいろと楽しそうですよ。
ではでは。
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