かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

SL借り手匿名廃止の流れについて考えた

匿名廃止により、新しいサービスが生まれると思うのです。

 

 

以前私はこんな記事を書きました。 

ton96o.hatenablog.com

引用します。

また、既存の匿名組合などを利用した仕組みにおいても政府による改善活動は進んでいます。

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/publication/180615/keikaku.pdf

規制改革実施計画です。PDFなので注意してください。

47P、「クラウドファンディングに係る規制改革」をご覧ください。

日経新聞でも取り上げられた内容ですが、借り手の匿名化は必須ではないという方向に動いています。「平成30年度検討・結論・措置」とありますので期待しても良いと思われます。

 

こちらが順調に進んでいるということになります。

 

では、借り手の実名化が起こると何が起こるのか。

1)営業者が借り手を見つけにくくなる

2)金利が下がる

3)案件リスクが高まる

辺りかと思います。

 

結論に至るプロセスを書いておきます。

1)営業者が借り手を見つけにくくなる

ソーシャルレンディング(SL)は貸付型クラウドファンディングともいわれ、広く世間から借り入れを行う仕組みです。

以前の仕組みで匿名制度は、事業者にとって「うちが借金をしていることがばれていない」という強みでもありました。

私は、つなぎ融資などの資金調達の場合、短期間借りるというのはアリだと思うのですね。

しかし、現状の日本で「借金をする」というのはイメージが良くありません。

世間の皆さんも「銀行からの融資を断られたのか?危ないのではないか?社債は発行できないのか?」と思われるのではないでしょうか?

しかし、実情、銀行からの借り入れには厳しい審査があります。必要な金額を借りきれないということは、あるのですね。

法外なノンバンクに手を出す位であれば、匿名性が廃止されたことをむしろ強みにして「うちはちょくちょく借りるけれどきちんと返す企業です」という実績を作る方がいいように思えます。

しかし、借り手となる会社の経営者(もしくは意思決定者)がそう考えるかどうか・世間がどう考えるかどうかは別問題です。

 

借金を募集することを知られたくないという企業が多ければ、営業者が借り手を見つけることが難しくなります。

 

2)金利が下がる

借り手からの利殖分を、営業者と貸し手で案分することになります。

匿名性が廃止され、上記1)が成り立つと、低い利率でも借りてもらわないといけなくなります。

当然、SLのミドルリスク・ミドルリターンというポジションは失われます。

ローリターンな金融商品になると思うのですね。

一方で、世間や借り手のイメージが「あけっぴろげにお金を募集しても問題なし!」となると上記1)が成り立ちません。むしろ、借り手は増える時代が来るでしょう。

そうなると、借り手からの利殖分が、現状維持か上がる、ということも考えられます。

しかし、営業者と我々貸し手の間には情報格差が存在します。

どれだけ中抜きされているのか、本当のところはわかりません。

実質的な取り分は減る、というシナリオを頭の片隅に置いておいた方がいいように思います。

 

3)案件リスクが高まる

結構深刻なのがこちらです。

現状では、建前上、営業者が厳選した案件だからある程度は安心。しかしリスクは0ではない。だからミドルリスク・ミドルリターンの金融商品が成立していました。

営業者の取り分には、その目利き料も含まれていたのですね。

これは、貸し手側から言えば、案件リスクに対する貸し手側の安心料も込みであったと私は考えています。事故が発生したときに「営業者が採用した案件だから投資をしたのに!」という言い訳が、まぁ、成り立つ土地えば成り立つのです。投資は自己責任とは言いますが、自己判断をある程度他に委ねることができます。

これは甘えでもなんでもなく、サラリーマンが一つの金融商品としてSLを選ぶのであれば必要な機能だと、私は解釈しています。

しかし、「情報を洗いざらい公開しても良い」という風潮が広がれば、「情報を出したのだから、その企業の健全性や案件の安全性、担保の評価に関しては各自貸し手側で判断すべき事項です」となり得るなぁと。

であれば、案件リスクは高まり、個人の投資家は手を出しずらくなるか、エイヤで博打をする形になる、もしくは、どなたかリアルでもネットでもいいのですが、カリスマの判断に乗っかるというスタイルになっていくと思われます。

ソーシャルレンディング各社を横断比較 - ZUU funding

こちら、SLの案件を、営業者で区切ることなく横断的に比較できるサイトです。

こういうサイトが、案件の独自分析をする有料レポートを配信するサービスを始めるかもしれません。

もしくは営業者自身が、別途料金を取って、「案件の信頼性を評価するサービス」を分けるかもしれません。

これは悪いことではなく、実現すれば

・自分で案件を精査できる人はより多くの利息を得られる

・案件の評価に自信がない人は、案件の評価を信頼できる誰かにゆだねることができる

という選択肢を実現することができます。

選択肢がある事、それは豊かになることだと思うのですね。

 

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以上、 

匿名化の廃止により、SLは個人投資家自己判断を強く求められる状況になるかもしれない。何らかのよりどころが必要になるため、必然的に、案件の格付けサービスが立ち上がるであろう、というお話でした。

 

匿名廃止に関して、サムライさんからアンケートが来ていました。

注記を含めた財務諸表はもちろん、担保の評価方法及び事故が起きた時のサムライさんの対応フローの明示を要望として挙げておきました。

財務諸表の提示は匿名廃止後にしかできませんが、残り二つは現状でもできるはずです。現状のSL界隈では、事故が起きた時のフローは明示されておらず、担保の評価はお手盛りされているという疑念がぬぐえない状況です。

現状のSLは、投資家は人柱や、実験におけるマウス的な位置づけにあることを再度確認された方がよろしいかと思います。

 

ではでは。

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