かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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クラウドクレジットさんに商品の相関係数を聞きました

 

クラウドクレジットのCFOさんに、聞いてみました。

確認して返信を頂けるようです。

 

相関係数というのは

(参考)各ファンドの相関係数 | eMAXIS

こういうものです。

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この記事では相関係数そのものについてと、クラウドクレジットさんの商品における相関係数について、書いておきたいと思います。

一般的な相関係数の説明を最初にザーッとおこなって、最後に少し、クラウドクレジットさんが相関係数を出すのであればこういう要件は必要ですよね?という点を書きます。

多分、読んでる方にとって必要なのは最後だけです。

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さて。

相関係数は二つの関係についての度合いです。-1~1の値を取ります。
これがわかると何が嬉しいかというと、投資対象全体におけるリスクヘッジができる点です。

例えばXとYの二つの商品、Xが上がればYが上がるというのであれば相関係数は正です。Xが上がればYが下がる関係であれば相関係数は負です。0に近いときは相関係数「直線的に」ないといわれます。

なので、相関係数が負のものを持っておくことで(その時点以前の過去データから算出されたものとはいえ)理屈上はリスクが減ります。
Xだけを持っていると、100のリターンを得られるかもしれないが100損するかもしれない。-100~+100である。
XとYを半分ずつ持つと、その度合いが-50~+50に縮小される。
こんな具合です。


長期投資においても使いようはあります。値動きを気にしないのが長期投資における原則ですがついつい見てしまうものだと思います。
そこで大きく値が変動(正負問わず)していれば動揺してしまうのが人間です。
というわけで、いつでもある程度の値動き幅が期待できる組み合わせで投資をしていると、落ち着いた長期投資を期待しやすいように思います。(値動きの幅なので、正負は問いません。どちらでも動揺するという点では同じです)

 

相関係数は数学的に、「 共分散÷(Xの標準偏差×Yの標準偏差 」で定義づけられます。
これは定義です。動かしようがありません。

 

専門用語を日本語に直していきます。

まず、共分散を平易な日本語に直します。
共分散は二要素の偏差の積の平均です。
偏差とは何かというと各要素の具体的な数値とその平均との差です。
例えば株式と債券、単位期間(例えば一年、一か月など、ここでは一年)ずつ、どれだけリターンがあったかを調べます。
株式は調査対象期間全体の平均リターンと比べて、当年はどれだけのリターンがあったのかその差を取る、これが偏差です。
平均が5%で当年6%なら偏差は1%です。
全ての調査対象期間について行い、債権についても同様に行います。
同じ年の偏差を掛け合わせ(要素数で割る)ます。これが共分散です。
例えば2019年の株式の偏差が4%であり、債権が2%であれば掛け合わせて8という値が求められます。(単年なので割らず)
ここでは正の値になっているという点が重要です。
2019年における株式と債券のリターンの関係性は同じように動いたという実績を示します。
同様に、2018年2017年とデータを蓄積していく事で、長年の実績としての関係性がわかります。
例えば一時的に株式と債券の積が負の値になったとしても、10年20年と正の値なのであれば、同じように動く関係性だと判断できます。

 

現時点における年度を無視した株式と債券の共分散は、各年度の共分散の総和を「対象年数-1」で割って求めます。

-1に引っかかるとと思います。

結論だけ言うと不偏性をもつから、ですが、それだと説明になっていないでしょう。
(確率ではなく)統計学ではよく出てくる考えで、経験則だと私は理解しています。
ここでいう対象年数が例えば一億年だとすると、割る数が一億だろうが一億-1だろうが結果はあまり変わりません。
対象年数が少ないと、「対象年数-1」で割る方が経験的に良いらしいのです。
(推測統計では母集団が少ないのが前提なのでn-1で割っている、という話です)
人類の歴史も金融商品の歴史も、一般的な統計(記述統計)で扱うには母集団が少ないのです。
母集団が少ない時にはn-1で割ったほうが良いと経験的にわかっています。だから、各年度の共分散の総和を「対象年数-1」で割って求めます。

もう少しキチンと理解したい方は

なぜ不偏標準偏差をn-1で割るのか【導出過程お見せします】 | シグマアイ-仕事で使える統計を-

こちら様をご覧ください。


さて、共分散二要素の関係を表す数値です。
これだけだと相関係数を使わずに共分散を使えばいいじゃないか」と思われるのですが、弱点があります。
単位がマチマチになる点です。同じものであっても、円建ての共分散と米ドル建ての共分散は全く別の値が出ます。単位が違うだけで出てくる値が違うのです。
米ドル建ての共分散は円建てのものに比べて、ざっくり10000分の1でしょう。
なので、共分散同士の比較ができないのです。
例えば100という共分散があって、80より大きいのは、相関が強いのか単位の問題なのかは区別ができません。

それを、相関係数ではどうにかします。


相関係数は「 共分散÷(Xの標準偏差×Yの標準偏差) 」でした。
相関係数を求めるために、まず、標準偏差を平易な日本語に直します。
標準偏差平均からの全体的な距離を表します。なので正負は関係なく平均に集まっているか外れているかを表します。
投資という観点からするとボラティリティ、リターンの振れ幅としてのリスク、と言い換えるとご納得いただけると思います。

標準偏差は分散の平方根を取ります。
分散は平均との差の二乗です。
純粋に平均との距離を知りたいだけです。
分散という観点からは+10と-10は同じ意味合いです。ですが、数字として四則演算をするには扱いずらいです。
なので、二乗することで扱いやすくします。
一方で二乗したことによる弊害も発生します。値が平均から外れる程に分散の値が大きくなるのです。
それを補正するために平方根を取ります(ルートを取ります)。
統計学の観点からは、分散も標準偏差もどちらでもやりようがある、というのが正直な感想です。
片方がわかればもう片方がわかるからです。

標準偏差を出してくる理由は「単位」です。

 

共分散を標準偏差で割るという事がどういう意味かを平易な日本語に直します。
前述の例を出して共分散をおさらいします。
ある年の株式のリターンを平均リターンから差を取り、債権でも同様のことをし、掛け合わせます。
単位は何でしょうか?
リターンですので「%%」です。「%」ではありません。
これを単位が無い状況に持っていき、-1~+1の相関係数に換算していきます。(無名数化のことです)
標準偏差の単位は何でしょうか?
ここでは何%のリターンがあったかという例で説明しています。株式の標準偏差も債権のそれも単位は「%」です。
相関係数は「 共分散÷(Xの標準偏差×Yの標準偏差) 」でした。
単位だけで見ると「 「%%」÷(「%」×「%」) 」になります。
結果として単位が無くなりただの割合・比率になります。
標準偏差でなく分散を使うと「 「%%」÷(「%%」×「%%」) 」になってしまいます)
これにより共分散の問題であった「元データの単位が違うと算出値が違う」という問題が解消されます。

 

単位の部分は納得がいった、と。

それだけだと、別に単位が「%」であればなんでもいいじゃないか、と。

なんで標準偏差なんじゃい?と。

次にそこを説明します。

再度確認します。
相関係数は、ある年の株式のリターンを平均リターンから差を取り、債権でも同様のことをし、掛け合わせた値の平均です。
これでは株式のボラティリティと債券のボラティリティがごっちゃになった、実績としての値が掛け合わされています。

例えば、株式が平均5%プラスマイナス6%のボラティリティであり、債権が平均2%プラスマイナス3%のボラティリティの場合、株式で5%は並であり債権で5%だというのは良いリターンだとわかります。

ですが、ただ掛け合わされた値ではそれがわかりません。

そうなると、お互いの関係性を求めるにあたっても支障をきたします。
それを是正するために標準偏差で割ります。それぞれの標準偏差で割ることで、同じ土台で比べることができます。

だから、

相関係数=「 共分散÷(Xの標準偏差×Yの標準偏差)」

「 1/n-1×N個の総和((Xの偏差/Xの標準偏差)×(Yの偏差/Yの標準偏差))」
とすると理解しやすくなるように思います。

式変形したので「(Xの偏差/Xの標準偏差)×(Yの偏差/Yの標準偏差)」となぜ掛け算をするのか?という疑問が生まれると思います。
共分散はこういうもの、として話を進めてきたものを分解したからです。

そのあたりを平易な日本語に直します。

まず(Xの偏差/Xの標準偏差)の部分、これにより、今回の状況は平均と見込みから考えると、今回がどの程度の成績なのかという割合がわかります。
これは(Yの偏差/Yの標準偏差)についても同様です。
(この値に10をかけて50を足すと、受験勉強で良く出てきた「偏差値」になります)

この偏差値の元を掛け算をする意味ですが、これは、片方がマイナスの時もう一方がマイナスを取ることを正の値として表現するためです。

片方がある状況の時もう片方がこの状況の場合を求める積集合の状況です。

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さて。

クラウドクレジットさんの商品と他の金融商品との相関係数自体、最低二種類に分かれると思っています。
何故なら為替ヘッジのものと為替リスクを背負う商品という二種類に大別されるからです。
そして納得いく形式は、為替ヘッジを円建てとして各通貨建ての相関係数が出ているものです。

クラウドクレジットさんの商品は外貨建てで行える点が特徴です。
ケニアシリングと為替ヘッジされた円建ての商品が同じボラティリティのわけがありません。
そうなると、各通貨ごとに相関係数を出さないと納得できないはずなのです。

 

2020年正月早々、中東がキナ臭くカルロスがgoneの状況です。
市場はリスクオフに向かっているらしいです。
そこで円買いが進んでいるとの事。各国通貨でも相関係数は考慮しなければならないと思うのです。
であれば、通貨が異なる商品であれば相関係数が異なってくるように思えます。

 

冒頭に書いたように、クラウドクレジット社長さんのnoteの記述も、具体的な数値を教えてほしいという私のコメントも見つけられませんでした。何の根拠もなしに書くことではないので、元データがあるのが当然のように思います。

 

ではでは。

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