業界(?)分析の話をします。
予防医療の観点からは市場の伸びが考えられますが、伸びるという方の根拠が良くわかりません。所得が減っているのに固定費制で伸びるのでしょうか。NOVAのようなチケット制が出て
— ton (@ton960) 2020年2月22日
エニタイムフィットネスの日本本部が上場!!|フランチャイズ相談所 vol.918 https://t.co/8elQ1zew6N @YouTubeさんから
ここで話題になっている企業様がどうというわけではありません。
上場、素晴らしいことです。
では、スポーツクラブ業界自体が今後どうなるのか?と問われると
私としては、先行きが暗いと考えるのです。
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一つは、顧客の減少です。
皆さんご存じの通り、日本は人口が減少しており、なおかつ超高齢社会です。
ご老人がスポーツで汗を流す姿を想像できますでしょうか?
もちろん現在のお年寄りは昔の方よりお若いので、そういう方は増えてはいると思います。
しかし、そのような方が若者と一緒にエクササイズを楽しむ未来よりは「足を怪我すると寝たきりになり血行が悪くなり老化が進むので、予防医療として運動しましょうね」という未来の方がしっくりきます。予防医療です。
ボディビルダーのようなおじいちゃんをTVでやっていた?
それは、逆です。
珍しいからTVで取り上げられるのです。世の中のお年寄りがみんなマッチョメンならTVに取り上げられません。窓から外を見ればいいのです。
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次にお金の問題。家計の問題です。
老後2000万円の話題は出尽くしているようでしょうし、私は「人によるとしか言えない」と考えているのでこの話題自体はしません。
ただ、皆が老後のためにお金を貯めている時代だということは、この記事の前提として認識していておいていただきたく思います。そして、おそらく、老後もお金を目減りさせない時代だと思うのですね。
使わず、運用し、老後もつつましく生活する。
それが未来の一般的な高齢者の姿です。
さて、家計。
ここでファイナンシャルプランナーでなくても、投資に詳しくなくても、おそらくご存じのことがあります。
節約です。
どういう節約かというと、固定費を変動費に置き換えるという方法です。固定費の削減です。
過去記事では、企業の財務分析という観点からの記事になっています。
固定費分は毎期必ず稼がなければいけません。一方で、収益(まぁ、売上ですよ)は日々変動する、変動が大きい場合は必ずかかる固定費を削らなければいけない。安心はできない。
これが、経営のセオリー・原理原則です。
家計にもそれは当てはまることで、家賃や携帯電話の通信費は押さえましょう、保険を見直しましょう、という話は腐るほど出てきます。
この悪者にされがちな固定費ですが、実は今、固定費型の料金体系が流行っているのです。
サブスクリプションモデルの商品です。
言い換えれば月謝制の料金体系です。
Amazonプライムとか、毎月(毎年?)定額を払うことでサービスを受けられます。
企業にとっては、収益(まぁ、売上ですよ)の変動を抑えることができて安心。顧客は毎月定額で、単体で購入していたらそれ以上費用が掛かっていたものを購入できて得をした。まさに、WINWINの関係です。
イメージとしては、バイキングやブッフェ形式の食事をイメージすると良いかもしれません。
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この、流行りのサブスクリプションモデルには弱点(特徴ですが、ここでは弱点とします)があると考えます。
・文章の流れからお判りでしょう、固定費なので削減の対象になりやすいという事。
そして
・それは、顧客に「毎回買った方がお得」だと思われた瞬間に解約が突然大量に発生するであろうこと。
冒頭に動画を引用してあります。
こちらの方はフランチャイズに相当な知見がおありのようです。
おそらく、この肺炎が蔓延している中でもスポクラは大して影響が出ていないというのは本当なのでしょう。
それは、どういう視点からかは動画にされていません。
私が何を言いたいのかというと、本当にスポクラがスポクラとして機能しているのか、スポクラに人が集まり運動しているのか?という点です。
多分、人ごみの中に行っていないと思うんです。危ないですから。
じゃぁ、こちらの方が嘘を言っているのか?というと、そうは思っていません。
多分、経営の観点から、解約数が多くない等そういう事実があって、「肺炎の影響を受けてない」と表現しているんじゃないかな?と思うんです。
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そもそも、スポーツクラブは、英会話学校と同じ「挫折産業」といわれます。
想像できると思います。
心機一転、入会し、入会費・事務手数料・月謝の前払いを終え、毎日の様に頑張る。そして、行く頻度は徐々に減り、雨か会社の残業かは知りませんが、行けない理由ができ、そこからはなし崩し的に行かなくなる。
結果、解約に至る。
会社側としては、またのお越しをお待ちしています、ってなものです。
また入会費を取ることができますから。
私立大学の入学金と同じ感じです。
この流れが今後も続くのでしょうか?
人口や日本人の消費活動を見るに、そうは思えないのですね。
むしろ、英会話学校NOVAさんがおこなっていたチケットの販売のような、毎回利用料を払って利用する方式が流行る未来の方がしっくりきます。
(NOVAさんはその販売手法をとがめられました。それはチケットの押し売りのような態度や返品に問題があったからです。利用する分だけ購入するという仕組み自体は良くも悪くもありません)
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というわけで、サブスクリプションモデルは顧客に「元を取らなくちゃ」と思わせるくらい商品に魅力が無いと、もしくは料金とのバランスが崩れると大量の解約が発生します。
解約を前提にしたスポーツクラブという業態は、そもそもの利用するだけの付加価値が低いように思います。だから、焼き畑農業のようなビジネスモデルでやってきたように思うのです。
今後のスポーツクラブは、
・予防医療としての運動の持続のしくみ
・利用した分だけ支払うという、サブスクリプションモデル(月謝制)からの脱却
・運動をするところというよりも社交場のような、別の付加価値の工夫
が必要に思えます。
最後の部分、平日の昼間にスポクラに行くと、主婦やお年寄りの社交場になっているところはあります。すでに実現しているのですね。
まともに利用したい人間からすると邪魔なので、すみわけは進んでいくと思います。
また、消費活動が低迷していくとなると、社交場としての役割が残っていくとしても「平日にスポクラで時間を過ごす金銭的・時間的余裕がある人の社交場」という役割に変化していく事となるでしょう。
サブスクリプションモデル全体としては、動画見放題など飽和する分野では値下げ合戦や他のサービスとの兼ね合い(Amazonプライムでスト動画も無料電子本もありますね)で付加価値をさらに追及していくでしょう。が、付加価値の程度によっては廃れる可能性があります。Amazonプライムを映画が見たくて契約している人であっても、値上げされ、電子無料本の質が落ちたのであれば解約するのです。
サブスクリプションモデルって、企業にとっても顧客にとっても、絶対的に良いものではないと思います。
ではでは
?