かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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古くて新しい、企業の存在意義の話

私は大学時代商学部という学部に通っていたのですね。

何の授業かは忘れましたが、シラバス(実際に授業を取る前に、どういう内容を予定してあるのかという説明書き)を読んでいると面白いものを見つけました。

未だに覚えています。

その教授(?)の論による企業の役割です。

1)財やサービスを提供する事

2)雇用を創出する事

3)税金を払う事

 

今回はそんなお話です。

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 「企業だから利益を出さなければならない

うーん果たして本当にそうですかねぇ?

しかつめらしい顔で、浅いんじゃないのぉ?なんて挑発顔で聞くと

 

「さっきの短期的過ぎた。企業は長期的に利益を出さなければならない」

ほうほう、結論にプロセスらしきものが加わりました。さて、その理由は?

 

「例えば新製品を出すとする、まったく新しいコンセプトであり生活スタイルが変わるような革新的なものであれば、まずは手に取ってもらい使ってもらい、使い心地を実感してもらうことが大切である。例えば全自動洗濯機であるが乾燥まで自動でやってくれるあの便利さを実感すると、もう、元には戻れない。それだけ我々は脱水したものを干す作業を苦行として受け入れてしまっていたわけだ。

最初は赤字であっても、まず、手に取って消費者実感してもらうのが需要の喚起につながる

ほうほう、まだ続きそうですね。

プラダクトライフサイクル仮説やプロダクトポートフォリオマネジメントの観点から次のことが言える。製品開発はセンミツという言葉通り、数多くの失敗を経て数少ない成功例が会社を支える柱となる。そのためには当該企業の事業ドメインにおいて幅広く色々な開発を行う必要があり、当初は研究費という費用がかさむはずである。そうなると当然当初から黒字ということは難しく、長期的に黒字を出せばよい。」

後は、ざっと考えた感じ、普通のサービスであっても顧客・利用者がついてくれなければ赤字で耐える期間があるというのはどんな業界でも同じです。

赤字の時があり、その原因は開発費だけではないということですね。

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で、ここで、冒頭の三条件を思い出していただきたい。

スクロールが面倒でしょうから再度書きます。

企業の目的は

1)財やサービスを提供する事

2)雇用を創出する事

3)税金を払う事 

 利益を出すことは、主要な目的として書かれていないのです。

 

もちろん、利益を出さなければ、財やサービスを改善できませんし、従業員の給与を上げられません。賞与を出せないかもしれません。赤字でもかかる税金はありますが、黒字で法人税を払うというのが、素直に受け取った場合の企業の役割でしょう。

 

これを私はどう解釈するか?

 

私はこの教授は、「利益を出すのが大前提で書くまでもない」と考えたのではなく「利益よりも重要なことはあるだろう」と考えたのだと想像します。

冒頭の通り、この授業を受けていないので真意は知りません。

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ある一人のサラリーマンがいて、副業をして、そうですね、株取引でもしましょうか。

それで利益を出す。

誰でもできることです。損失が出る可能性はありますけれど。

利益が出れば、自分の所得が増え、税金を納める額は増えます。

資本市場に資金を投じているとはいえ、そこで財やサービスを生み出しているのだろうかというと、微妙だと思うのですね。

 

例えばイラストレーターやWEB漫画の副業をやって、財やサービスを生産する。

これが本来の副業なのかな?と思うのです。

自分の商品がありますので。

 

何らかの財やサービスを生み出すことこそが、お金を対価として受け取る社会活動の本来あるべき姿なのではないか、冒頭の教授はそう言っているように思うのですね。

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企業が法人というスタイルを取っているのはなぜでしょう?

従業員が一人という場合もありますが、普通に考えれば多くの人の集合として役割を果たすためです。ある人は営業をやりある人は開発をし、ある人はバックオフィス業務をする。分業のために人を集めて生産活動をするわけです。分業です。

多くの人を雇えるのは、売り上げがあるからです。

つまり、商品を買ってくれる顧客がいて、その対価を受け取っているからです。

 

税金を納めるにも従業員を雇うにも、利益が必要です。

利益は収益(売り上げのようなもんです)から費用を引いて算出されます。

売上が上がらないと何もできません。

 

売上はどうやったら手に入るのか?

 

その会社の商品が売れると手に入ります。

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だから、企業の目的って、きっと、その企業のお客様を満足させて対価をいただくことが第一に来るんです。

 

長いので、重要な部分だけを抜き出します。

企業でも副業している個人でも、その人が生み出す商品(財やサービス)を生産・販売することが本業だと思うのです。

 

その商品が多くの人に受け入れられれば、利益が上がり開発や販促にお金をかけられるようになりますし、質を向上できますし、人を雇うこともできます。

利益が出れば税金を払い、その面でも公共の役に立ちます。

 

利益を出せば何をやってもいいわけではないように思います。

それが長期的なものでも、です。

 

むしろ、長期的な売上高が上がるように努力すべきなのかなぁ?と考えます。

それは、時代が変わっても、その企業が顧客に愛される商品を提供し続けられている証拠だからです。

 

従業員を雇うのは、反社会勢力でもやっています。

オレオレ詐欺の、電話係とか集金がかかりですね。

税金を納めるのは、寝てても利子や家賃が入ってくる資産家でも払っています。

企業にしかできないことは、その企業しか作れない商品を顧客に売ることだと考えます。

(作る、ではなく、売る、としたのは、革新的な商品の場合、作るだけでは社会の効用が上がらないと思うからです。例えばウォークマンを世界で初めて作ったときに、必要だったのは、きっと、街中で自分が好きな音楽を聴きながら楽しい時間を過ごすという顧客体験であり、それがあるからこそキャズムを超えた一般消費財として受け入れられたのだと思うからです)

 

ESGが取りざたされていますが、公害などの問題を犯さないよう注意するのは当然ですし、コーポレートシチズンシップの観点から法人として社会の良い一員であるべきです。ガバナンスについては会社ごとのやり方があるでしょう。(例えば速度が重視される多くのベンチャー企業では悪魔の代弁者(devil's advocate)が必要ないのです)

 

企業は自社の商品を作りうるために存在します。

 

ではでは

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