パレートの法則というものがあります。
ここでは庶民的に28の法則(にはちのほうそく)と言うと距離がぐっと近づきます。
売上高の8割を上げているのは、実は2割のお客様だった、みたいな。
誰でもどこかで聞いたようなお話です。
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私でないコンサルタントが、業務改善に入ったりすると、経営のスリム化的な話からコスト改善とターゲットの選択と集中に入る事が多いようです。
大企業は知りません。新規事業とかやったりするんじゃないすか?(適当)
私がその発端になることは少なく、「コンサルに作ってもらったものなんだけどうまくいかないんだよ」という方の後始末の方が多いのですね。
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そこで、改善当時の報告書や分析ドキュメントを拝見するのですが
確かに、分析自体は正しそうで、特に資料としてモノの質は完璧に近い。
一方で、結果は出ていないのですから何かが間違っていて。
パレートの法則の使い方が間違っているようなのです。
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法則自体は、良くも悪くもありません。そういうものですなぁというただの傾向に名前をつけたものです。
ただ、これは、
・どれが重要視すべき2割なのかを判断する事
・ここでの28(にはち)は分析した時点での関係でしかなく時々刻々と変化する事
この二点を大前提に動いておかないと、失敗しがちだなぁと感じるのですね。
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特に、売り上げに貢献してくれる顧客とそれ以外、という感じで分けられるのならともかく、多くは違うんです。
個人一人であっても、
Aさんは平日はそうでもないけれど休日は大いに売り上げに貢献してくれるだとか、
Bさんは付き合っている人がいると二人の時間を大事にしたいのかコンビニをよく利用するが、一人だと自炊をするからかあまりコンビニの売り上げにつながらない、
Cさんは付き合っている人がいるともてなしたいのか自炊が増えるが、一人だとどうでもよくなるからかコンビニをよく利用するようになる。
こんな感じ。
Aさんは状況の変化ではなく、サイクル的に売り上げの貢献度が変化しますし
BさんとCさんの例では、同じイベントが発生しても売り上げの貢献度という観点からは真逆の結果になります。
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世の中には、絶対的に悪い人や良い人なんていないんだよ。みんな、自分の心の中に良い自分も悪い自分もいるんだよ。
ターミネーターでも潰せそうな強力なプレス機で押しつぶしたかのような、ペラッペラな薄い言葉です。が、みなさんも聞いたことがあると思いますし、実感しておられると思います。
実際、私は、人間関係は、良い人と悪い人がいるんではなく、良い人間関係と悪い人間関係があるんだろうなぁという理解をしています。
全員とはいかなくても、このあたりの話は、そこそこ賛同を得られそうです。
しかし、売上高への貢献という文脈から人間を見ると、その教訓はどこかに消えてしまうようです。
つまりは、守るべき二割を見誤った為に、大事な売り上げをガクーンと落としてしまったと。ある人に貢献してくれる時期とそうでない時期があるのでなく、貢献してくれる人とそうでない人に分けてしまうのですね。
そこでミスるとツラめです。
お金で解決できることならともかく、評判や印象は取り返せないこともありますからねぇ。
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同様に、効率化という観点の話。
28の法則を持ち出して、自分の仕事を人に振る、というと聞こえがいいのですが、押し付ける人がいるのですね。
自分がやらなくてはいけない二割を堅守しつつ、全体として効率を上げるため、後輩や能率が悪い方(失礼!)や、たまたま隙間時間が空いている方をうまく取りまとめつつ全体最適化を図る、というのが、理想論です。
しかし、そうは問屋が卸さず。
自分がやるべきはずの仕事だが、面倒なことってやっぱりあって。
ガンジーさんやマザーテレサさんでもない一般人の我々は、そこから逃げたいのです。
そういう一般人が効率的な仕事をしようとすると、自分が得をする二割だけをやって他を他人に押し付け、尚且つ、それを正当化するためにハラスメント(そのものや)的なことが起こるっぽいです。
労働者は、意識だけは高くていいんで、あんまり効率効率と言わない方が、会社全体としては平和な気がします。
やるべき事を見抜く力なんて早々つかず、モラルや道徳観念を高く持つ事がそれにつながるっぽいです。
だから、変にカブれた経営者(経営学部・経済学部の学部生が発症する大二病)やビジネスマンは、より簡単な、小学生の道徳の教科書を読んでそれを実行することから始めた方が、いい結果につながると思います。
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何かの思考ツールは巷に溢れています。
それを使って出てくる結果は一つの見方です。
その背景を読み解き、そもそもどの思考ツールを使うのか、結果をどのように使うのが正しいのか、そういう判断力そのものが必要であり、AIが活躍する時代に人間に求められる力だと考えます。
そして、判断力の土台となる大事な力は、小学生の道徳の本や童話に書かれてあるようです。
ではでは
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