ハインリッヒの法則ってご存じでしょうか?
内容的には聞いたことがあると思います。
大きな事故がいきなり起こる事は少ない。
調査をすると、大きな事故1件の前には、ちょっとした事故が29件、300件の異常事態がある、というものです。
大きな事故は起こるべくして起こるんですね。
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話を変えます。
何か大きなトラブルがあると、「次はご期待にそえるように、やりますので」という感じで謝ります。
謝ることは大事です。同じようなことを繰り返さないことはもっと大事です。
ですが、そして一般的ではないのですが、「御社の謝意はわかりましたので、同じようなことが起こらないように頑張ってください」的な事が応じられ、ハインリッヒの法則の話を持ち出して、
・本件は起こるべくして起こった事故ではないか?
・普段からトラブルの種に対してアンテナを立て、兆候であるうちに対策を打つのが良いのでは?
という話をすると、逆に、上手くいかなくなる場合が複数あったんです。
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彼らは特にモノグサというわけではありません。
むしろ誠実であり真面目な方だと感じました。
なのに、かえってトラブルが増えてしまったのはなぜか?
仮説が経ちましたので、ここに書いておきたいと思います。
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純粋に、業務が増えてしまったからなのではないかと思うのです。
それらが起こったのは、創業間もない会社だけです。(5年以内かな?)
5年生き残る会社は、わずか15%(今はもっと少ないでしょうし、これからもっと少なくなるでしょうが)と言われています。
創業から同じ釜の飯を食った従業員も誇りを持っているはずです。
こういう方々って、基本的に真面目っぽいです。
私もおかしな話を言っているつもりはありませんので、彼らはハインリッヒの法則を理解し、今後の事故防止に努めたのでしょう。
そうすると何が起こるのか。
業務が爆発的に増加するんです。
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ハインリッヒの法則をもう一度書きます。
1つの事故の前には、ちょっとした事故が29件、300件の異常事態があるんです。
「気づくチャンスはたくさんあった」と、語られることは多いのですが逆にも考えられます。
「一つの事故を未然に防ぐためには、多くの事象を認識し問題が無いかを判断し、場合によっては対策を打たなくてはならない」
おおう。(; ・`д・´)
異常事態が絶対数として毎日いくらくらいあるものなのかは会社様によるでしょう。
しかし、真面目に改善しようとすると、一つの事故を防止するために329件の事例を認識し対策を打たなくてはならない事を覚悟しなければならないのですね。
(実際は、何らかの対策を打てば、それに結びつく異常事態や軽微な事故は起こらなくなるはずです。なのでここでは、一つのトラブル防止のためのコストって結構かかるんだな、くらいの認識でいてください)
また、成長途中の企業ですので、業務が増えればそれに応じて、トラブルの種は増えるのです。
だから優先順位は変わります。
勝負を打たなくてはいけないとき、というのはあるようで、そんなときには全リソースをもって、勝負をかける方に勢いをつけるわけです。
そんな時期に「こんなヒヤリハットがありましたー」なんて、報告もしずらいでしょうし、即時対応もできなさそうです。
さらに、事故を未然に防ぐというのは、重要な業務ではありますが評価が難しい分野です。IT企業でいえばセキュリティやサーバー運用でしょうか。(他の人は(時には、経営者でさえも)実業務を知らないので)ミスが無いのは当たり前で、ミスがあればぼろ糞に叩かれる存在。
向いている人はいるでしょうが、そんな人でもおそらくは自発的にその職務をやろうとしない職務。
成果主義を取り入れている会社であれば、どうやって評価すればいいのか、他の業務とのバランスが難しい業務。
その一つが、事故を未然に防ぐ事だと思うんです。
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というわけで、
1)事故を未然に防ぐことは重要だが地味であり成果としてアピールしずらく、効果を実感しずらい
2)やることは他にもたくさんある
3)率直に言って、面倒
これって、健康維持に似ていると思うんです。
歯を磨かないと虫歯になりますし、定期的に運動をしないとおデブちゃんになってしまいます。
やって当たり前のことであって、やっても誰も誉めてくれるわけではないけれど、大ごとになったら手遅れ。
(あれ?結構健康の観点から見て、手遅れになっている人って多いような?
気のせいですかね?)
というわけで、私は、何かオイタをされてもハインリッヒの法則を持ち出して、「アンテナを張っておけば気づけたのではないでしょうか?」なんて言わないようにしています。
アドバイスをするような関係でもありませんし、逆恨みされても嫌ですし、真面目に受け取られて「その会社の利害関係者、顧客等」誰も幸せにならない状態になっても困るからです。
後、「こいつらはダメだ」と見限ったときも、こんな話はしません。
上から目線で恐縮ですが。
ISOなどの資格を取る事での解決はあまり推奨しません。
資格取得を推奨しないのではなく、ヒヤリハット撲滅のための解決策としての資格取得を推奨しないのです。
会社内部でも対外的にも、ISOがあるから大丈夫という油断が生まれるからです。
ISO等によってとれる仕事があるのは確かですが、それは最低限のハードルをクリアしていることを対外的に示すだけであって、事故を未然に防ぐという内部の文化が成熟している証にはならないからです。
本来ならば、「だからこうすべきですよ!」と言えると格好いいのですが、そもそも本記事自体が「この現象がなぜ起こるのかという仮説」であり、良いやり方があれば私の「飯のタネ」ですので、そちらはご勘弁ください。
ではでは
?