かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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クラウドクレジットCEOコメントの感想文

カメルーンファンドの件を経て、クラウドクレジットCEOからファンド運営体制についてのブログ記事が公表されました。

内容を要約します。

1)審査の強化
 1-1)実績あるスコアリングモデルを二種採用決定。一種は運用済み。
 1-2)将来的に企業価値・倒産確率・倒産時の回収率算定モデルを検討中。
 1-3)融資先経営陣の実務能力・ガバナンスのスコアリングモデルを運用済み。
 1-4)「高リスク商品」ラベルに関する諸注意。
 1-5)カメルーンファンドの反省を活かし、貸付額を厳格に。場合によっては減額も。
 1-6)CC社内データを初期審査に活かす予定。

2)期中管理の強化
 2-1)財務諸表(年次・半期・四半期)のチェック。
 2-2)信用スコアリングモデルでのチェック。
 2-3)融資額が大きくなり影響が大きくなった企業などにはさらに綿密なチェック。

3)回収
 3-1)国際的ネットワークを持つ弁護士等とのつながり強化。
 3-2)トラブルを起こしたファンドの担当者は頻繁に連絡を取っている。

4)契約の強化
 4-1)トラブルが発生した際にもめないよう契約事項を強化。
 4-2)既存貸付企業にも改善内容同意を求めいくつかは同意を得ている。

5)分散の強化
 5-1)ファンド案件の増加を目指す。
 5-2)パッケージ・レコメンド機能の強化実装予定。

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以上、要約なので端折っている部分があります。詳しくは本文をご覧下さい。

本文中にも、例えば監査について、

またこちらは監査済みではございませんが、原則、四半期決算書も各融資先企業から受領しております。

というような記述があり、その意味するところが分かりずらいかもしれません。

一つの記事としてはこれ以上詳細に書けというのはなかなかに酷だと思うので、わからない部分は積極的にCC社サイトから問い合わせると良いように思われます。
そうすることで、読者はどこがわからないのか、どこまで説明しなくてはいけないのかという粒度をCC社が知ることができるからです。

尚、上記引用に関して「監査済みではない」というのは、利害関係のない第三者のチェックが入っていないことを意味します。粉飾決算などの不適当な処理がなされていないかというチェックが行われていないため、偽装されている可能性はあるということです。四半期なので三か月、それ以降も見抜けない可能性は捨てきれませんがバランスを考えると落とし所です。

----------------(‘ω’ っ )3

さて、感想ですが

記事にある

当社ではお客様にご納得いただける機会をご提供できない場合、お客様から選ばれなくなり自然淘汰されるとの危機感を持って、引き続きサービスの運営・強化に努めてまいります。

強い意志を感じます。きっとCEOも胃を痛くしてるんだろうなぁと思います。

 

では、冒頭のツイートが間違っているかというと、そうは思いません。
この体制が適切なものだったかどうかは年月を経なければわからないからです。

結構つらいのが、このような「起こり得る危険をつぶす」系の仕事は評価がしにくい点です。ここでの評価はジャッジの意味です。ほめたたえる意味での評価ではありません。

つまり、わからない。
現状適切かもわからない。費用に見合った効果が出ているのか過剰な投資なのか、わからない。おそらく、事故なく長年経って、もしくは事故があっても早期に楽に回収できて初めて多少わかる。

この体制を作って、初期費用、継続費用としての固定費は必ずかかります。
しかし、「この体制のおかげで起こるはずだった事故が防がれた」という事例は、おそらく利用者にはわかりません。それを認識できるとすれば「前うちに融資をしてくれと言ってた企業、他の企業にタカって詐欺ったらしい」という話が耳に入ったCC社内部の方くらいだと想像されます。
利用者に案件として紹介されない企業が詐欺をしたとしても利用者にはわからない。
CC社としては、費用はかかるし社内ではこの体制の有用性を実感できたとしても、おそらくそれは表に出ない。

褒めてくれとは言わないが、まぁまぁつらい。とは思います。

 

私自身が金融を本業としている企業で働いたことが無いので、穴があるかどうかすらわかりません。色々書いてるな、くらいはわかります。

 

あえて言うのであれば、

ガバナンスの件は内部牽制とデータの流れを実地確認しておくことをお勧めしますし、経理関連のガバナンスも見た方が良いように思います。
会計周りは専門家で固まることが多く、小さい派閥を形成している企業が多いからです。場合によっては経理ある業務はこの人しかわからない、という泣き所があったりして、経営陣でないその人が横領するということは十分に考えられるからです。

また、貸付先企業の顧客データの管理については注視されることをお勧めします。セキュリティの面からも、企業経営の源泉という面からも重要だからです。
内部牽制に含まれますか?そうですか。
そもそも上記の指摘自体がスコアリングに含まれますか?そうですか。

さらに、分散機能についてはサイトの改善が必要です。
CC社の公式noteのコメントに私はこのようなことを書きました

御社が分散投資を推奨していることを私は理解しております。
パッケージと、ダッシュボードのおすすめファンド機能の意義もわかります。

難癖をつけるようで恐縮ですが、
何もわからない方が例えば御社の規定上限ギリギリ100万円を入金したとします。
商品一覧を見て「未電化地域への役に立つのか、良いな」と、100万円全てをそのファンドに投資しようとしたとします。
その投資確定前のタイミングで、分散を誘導するようなアラートが出ますか?

「お申し込み内容入力」画面→決定ボタン押下→「お申し込み内容確認」画面、
このタイミングで、当該ファンドを購入したと仮定しておすすめファンド機能を判定するロジックを走らせるのが適切だと思うのです。
「当社では分散投資をお勧めしています、こちらのファンドはいかがでしょう」のようなメッセージとともに。
さらには入金分と一つのファンドへの投資分の割合から集中している場合にもメッセージを出すとより良いように感じます。
「当社では期間分散投資をお勧めしています、金額はお前違えありませんか?」のような。
実際には、投資家がその時が円高と判断し集中するのが意図通りの場合もあるので、あくまで御社の立場を促すものになると思います。

すでに「分散できているか否か」「現状のポートフォリオに対してのおすすめファンドは何か」を判定するロジックはあるはずです。
フロントを意識しないなら「何分で作れる?」レベルの話です。ドキュメントやテスト等社内手続きの多さにもよりますが、一日で作れるのではないでしょうか?

それよりも、ファンドを増やしたとして、システム部門がどこまで想定ができているのかが気にかかります。
まだ、購入済みファンド一覧の並び順や絞り込み機能が無い時の話、CC社の社員の方とTELで話をして、その方がシステムを操作するときにボソッとこういったのですね「○○様はファンド数が多いので探しずらい」悪気のない一言だからこそ本音が漏れるのだと思います。つまり、当時そのシステムの画面はCC社の社員が使っても使いづらかった私はCC社の主張するように分散をしたらファンド数が多くなっただけなのに。
私のファンド数が、CC社利用者の平均なのか多いのか少ないのか。自分ではわかりません。
言えることは、ごく当たり前に起こり得る状況を想定し、その状況で使いやすい画面を実装できていなかった、ということだと思います。もちろん納期や品質の問題もあるでしょう。本当に想定ができていたのでしょうか?仮説を立てられていたのでしょうか?
現状、並び替えをするにも表示対象を絞るにも、一つアクションするごとにクエリを投げているように見受けられます。一覧表示時点ですべてをDBから取得するのであれば、その時点で配列にデータをもって、並び替えや絞り込みはロジックで書けば早いはずです。
今後ファンド数は増え、長く使い続ける利用者は取得するデータが多くなるでしょう。
では、どうするか。
私でしたら期間を設定します。常にWHERE句は投資期間で絞り込まれてSELECT分を投げ、昔のものを確認したい利用者だけが期間を昔に設定しなおして検索ボタンを押し、データをDBより取得する。
そのような状況になると、おそらく1テーブルに保存してあるであろう個人の実績データが膨大になってくるはずです。
では、どうするか。
私でしたらテーブルを分けます。何年前のものは別テーブルにするのです。
結合テーブルが増えはしますが、それは仕方ありません。
通常時は結合テーブルを減らし頻繁にアクセスするテーブルを作っておき、過去分まで含めてDBから検索しなければいけないときなどは(状況にも依りますが)チェックSQLを投げて量が多ければ「少々お時間がかかりますが検索してよろしいですか?」というアラートを出す。期間でテーブルを分けたのであれば「YYYY/MM以降に絞ると早い」などのヒントを出しても良いのではないでしょうか?

ファンド数が増え、新規の利用者が増え、全体の利用者が保持するファンド実績数が増えた時、現在の設計で収まりますでしょうか?
いつあたりに、何人の利用者が何ファンド程持っているか、仮説は立てられていますか?関連部署と連絡を取り合って「いつ辺りにファンドが何増えそうだから、開発スケジュールはこう組もう」という具合に、有機的に情報が流れ実装に活かされていますでしょうか?

できているのであれば、別にいいのですが。

仮説が立っているのか疑問に思う点。
細かいところでいえば、ファンド成立のメールです。
現状は

平素は格別なお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
この度は、[Aファンド]
[Bファンド]
[Cファンド]
への投資をお申込みいただき、ありがとうございました。

マイページの保有ファンド一覧にある
[Aファンド]
[Bファンド]
[Cファンド]
へ「契約締結時交付書面」を添付いたしましたのでご確認ください。

という文面になっています。
利用者がまず知りたいのは「不成立のファンドの有無」だと思うのです。
私ならチョチョイとロジックを書いて

平素は格別なお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
この度はお申込みいただき、ありがとうございました。

お申込みファンドは全て成立しました

マイページの保有ファンド一覧にある
[Aファンド]
[Bファンド]
[Cファンド]
へ「契約締結時交付書面」を添付いたしましたのでご確認ください。

や 

平素は格別なお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
この度はお申込みいただき、ありがとうございました。

残念ながら以下のファンドは不成立となりました。
[Bファンド]

成立したファンドに関しましてはマイページの保有ファンド一覧にある
[Aファンド]
[Cファンド]
へ「契約締結時交付書面」を添付いたしましたのでご確認ください。

という具合にします。その方がわかりやすいからです。

今のメール文言作成ロジックは、利用者が何を知りたいか仮説が立った上で作成されていますか?検証はされていますか?

さらに、現状ですと「この度は、」 の後に改行コードが入っておらず、ファンド一覧をざっと見数が合わないのです。改行コードを入れた方が良いんじゃないかなぁと思います。

 

仮説ついでに

ファンド運営部門マネジメント・インタビュー③~投資管理部長・依田雅彦~|CROWD CREDIT|note

運用レポートは私たちが投資家の皆様に報告しなければならないことを細大漏らさず記載しているのですが、それがわかりづらくてお読みいただけないというのでは本末転倒です。ですから、投資歴の浅い初心者の方にとってもわかりやすい運用レポートとは何かを考え続けながら、常にブラッシュアップしながら情報提供していく所存です。

細大漏らさず書いているのではなく、メリハリが効いてないだけだと思われます。
利用者が欲しい情報を順に挙げられますか?
仮説はたっていますでしょうか?検証はどのようにされましたでしょうか?
考えているだけでは効率の良いブラッシュアップ(改善のことです)ができないのではないでしょうか?

 

さらに、分散を徹底させるという観点からは、最小投資金額の切り下げが最も効率的だと考えます。例えば1000円にすると毎回1万円で1種類しか購入していなかった人が10種類購入できるようになります。
もちろん、投資単価・利用者単位での売上の確保への施策とセットで取り組むべき問題です。その他内部的な事情は知らないので語れません。

 

最後に、ファンド数を増やすという観点からは、おそらく、運用期間のバリエーションを増やすのが良いと考えます。

同じファンドであっても13か月のものと19か月のものがあれば期間分散が可能になり為替リスクの低減につながるからです。

CC社は(クラウドバンクさんのように)外貨での投資案件(毎回日本円に換えない)も視野に入っているとの事ですが、そちらは大きく仕組みを変えることになるはずです。
現状からあまり変えることなくバリエーションを増やすということであれば、運用期間を豊富にするのがCC社としてやりやすいように感じます。(ファンドを組成する運用部の方の負担は増えるかもしれません)

(それが実現すると、当然システム側もどの程度扱うデータが増えるのかなどを考えなくてはいけないはずです。単なる閲覧画面であっても、10の情報を見る画面と100の情報を見る画面では必要な機能が違うからです。)

 

感想としてはこんな感じです。

つまらない感想ですね。

 

ではでは

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