認識できないものは測定できないので、その大元の認識という行為は難しいですね、という話しをします。
ら、M&Sの動向には注目しておいてもよく、春先辺りからかなり活発な印象です。
— ton960 (@ton960) 2020年6月26日
また、特に欧州では中国企業がM&Aを持ちかけているという話しらしいです。(マッチポンプ?この場合はなんて言えばいいんだろ?)
M&Sと書いていますがM&Aの間違えですね。
認識云々の話だと抽象的なので、会計の観点から具体的に話を進めます。
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M&Aは会計処理の方法として二つ種類があります。
持分プーリング法とパーチェス法です。
ざっくり、持分プーリング法は帳簿価額で買い取るという処理、パーチェス法はその企業の資産などを時価評価しなおして時価評価額で買い取るという処理です。
A社がB社を買う場合において、持分プーリングだと100円で購入した機械は100円で帳簿に乗せられ、パーチェスだとその時の時価で帳簿に乗せられます。
ここで一つ、大きな違いがあります。
「のれん」 という言葉を聞いたことはあると思います。
持分プーリングだとのれんは計上されないのですが、パーチェス法だと計上されます。
国際的な会計基準との整合性を図るうえで、持分プーリングは廃止され、M&Aの現場ではパーチェス法で認識される「のれん」をよく見る事と思われます。
のれんというのが何かと言うと、余分に払ったお金分の資産価値です。超過収益力です。なぜ余分にお金を払うかというと、その会社の価値は帳簿に記録されている価値を超えているからで、その超過分がのれんです。世の中に広く知れ渡っている「ブランド」などが好例です。
ある会社の価値を算定します。100億円と出ました。資産価値は時価評価で50億円です。そうなると「100億円以内で買えるといいな」ということになります。
50億円はおおよそ、売り手側の企業も第三者も試算できる値なのでそこまで変わらないはずです。(客観的な数値が貸借対照表上には乗っています)
で、75億円で商談が成立すると、差額25億円分がのれんとして貸借対照表に乗ってくるわけです。
(あとは、ニュースでご存じの方も多いでしょう、減損されたり毎期一定額を費用化されたりします)
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私が昔から、それこそ持分プーリング法が廃止される前から引っかかっているのがここなんです。
「M&Aという売買の場(市場)を通したのだから、買取額は公正な評価額である」
買取額、ここでいう75億円は時価です。たしかにそうです。
でも、果たして、公正な評価額なのでしょうか?
そんな疑問もありつつ
モノの値段を決めるには、たたき台と複数回の交渉が不可欠という話
— ton960 (@ton960) 2020年6月26日
十分な出来高もないのに直を公正な評価額というのには抵抗がありますん #はてなブログ
バグバウンティの値段 - かんがえる、かがんでいる人https://t.co/jQS2GaS97F
先日の記事を書きました。抵抗がありますん。
一回こっきりの取引で、それは客観的だと言えるでしょうか?
逆に「代案を示せ」と言われると困るんですけれど、だからこそ認識の難しさというものがそこに表れていると思われます。
言葉一つ感情一つで実際の取引価額は上下します。
75億円で購入したのは事実です。差額で25億円がのれん。実際の会計処理はそういうものだと決められているのでそうしているが、理屈としてそれでいいの?
オークション形式(入札も似たようなものでしょう)でやっても、買い手の感情が入りますから購入金額に妥当性がどこまであるのかわかりません。
出来高が「1」の株価、どこまで信用していいのかわかりませんよね?
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ここで「認識ではなく測定の話をしていないか?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
売買金額は何を認識してどのくらい評価するか(測定)で決まるので、のれんに何が入っているのか、という内訳が大元です。だから認識の話をしています。
うちの社員は団結力があってこの業務のプロですよ、この商品はお客様に愛されていて、商標権以上のこれだけの価値はありますよ。
売り手はそんな感じで買値を釣り上げようとします。商売ですから当然ですね。
いやいや、社員は大幅に削減する予定だし、その商品は確かに魅力的ではあるけれども、商品自体は廃止してその根底技術を買うのだから、買値はもっと安くなりますね。
買い手はそんな感じで下げようとするわけです。
何を見て、何を見ようとしないのか。何を認識して、何を認識しようとしないのか。何が誰にどんな意味をどれだけの意味を持つのかは違ってきます。
(だからと言って代案は見つからないところが悔やまれるところです。代案が無くていいとは思っていません)
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会計の、特に原価計算の勉強をしている方は、それが簡単に感じられると思います。資格試験でやっていることはコストを合算して配分するだけですから。
実際上は、その数値をどう持ってくるのかが大問題になります。コストをどの部門がどれだけ負担するのかが大問題になります。
問題ではなく大問題です。
きっと私が接したところ以外の会社でも大問題になってるんじゃないですかね?
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資格試験の問題集だと数字が出たうえで計算を解けばいいのです。
それが無意味だとは思いません。理屈を理解していることを示すために効果的なテストです。
ただ、その数字はどういう風に集めてきたのかという点にも目が行くと良いのかなぁと思います。
あなたが上司で部下が判断材料となる資料を持ってきた場合、要約した数字の根拠を問うてみてください。あなたが何かを買うときに示された資料の数字の計算方法を売り手に聞いてみてください。
それくらいはしてもバチは当たらないはずです。
少なくとも私は、何かを評価するときに考慮すべきを考慮しきれていないし、コストに合わせて切るべき部分を切れてきたとも思いませんし、考慮すべきとした部分を正確に評価できたのかと言われると「完ぺきではない」と答えざるを得ません。
コスパの問題になりますが、何を考慮するのか、逆に何を考慮外とすべきか。それを決めるのがまずは大事。
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というわけで、認識すべきポイントなどを利害関係者であらかじめ取りまとめておくと、すごくすごく楽に進みます。という話しでした。
その場のアドリブだと揉めるんです。
「M&Aなんて関係ないよ」
今回はM&Aを例として出しただけで、いくらでも似たようなことはあり得ます。
あなたが上司でしたら部下の評価に頭を悩ませることでしょう。その際に何をもって基準とするかという評価軸がまずは大事です。(だから会社ではその基準が決められているはずです。小学校の通信簿でも基準自体はすでにあるもので教師が悩むのはいくらと測定するのかという話しです)
あなたが何かを買う立場であれば、購入するための基準があるととても楽に進みます。「ランチ750円、それを超えれば即ナシ」そう決めておけば行く店すら限られます。マイホーム・マイカーを買う場合、配偶者・家族と話し合い合意の上で買うことが多いでしょう。複数見て回るのは当然としても、見るべきポイント、それも一般的なものではなく「うちの基準」を決めておいた方がスムースです。
そして、予めの基準作りに揉め、測定の途中で基準がブレていくのが往々にしてある事です。なぜそれが起こるのかというと、回数をこなしていないからのように思われます。人事評価制度であれば2~3回もやればその制度上の測定になれていくでしょう。マイホームなんて多くの場合一生に一回の買い物です。だから、もめる。
そう考えると、少子化の現在、子供の教育方針などで各家庭はもめてるんじゃないですかね?そうでもありませんか?そうですか。
ではでは。
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