かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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ゲーム理論では考慮済みですか?そうですか

ゲーム理論の話です。現実におけるゲーム理論です。

中国で不穏な法律が成立しようとしてますね。したんですかね?

これって、世界との関係を考えると中国にとっては悪手に思えるんです。

香港が金融センターとして果たしてきた外貨の獲得の役割を次はどこが担うのか?香港はそのまま使えるのか?NYでは中国企業が締め出されようとしていますね?

どうなるんでしょうか?

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私の理解では、ゲーム理論はゲームの構造を把握しとり得る選択肢の得失点差から合理的な選択をとる(ナッシュ均衡を見つけそれを実行する)というのが概要です。

 

ここに実際との違いが見つけられます。
実際は
・プレイヤーがゲームの構造を把握しきれていない(全員でも一部でも)
・誰かがゲームの構造を作り変える場合がある(明示的にでもこっそりでも)
・それを考慮してもやっぱり構造を把握しきれない(構造・ルールの変更をうっかり聞き逃したり忘れたり)
・プレイヤーの能力不足で、ナッシュ均衡(ここではゲームの構造・ルールを考えたうえで合理的な選択とでもしてください)を見つけられるとは限らない
・この文脈では相応しくないのですがナッシュ均衡がない等一つの選択肢に定まらない
(ムカデゲームをバックワードインダクションして得られる矛盾、のような話です)
ナッシュ均衡を見つけられたとしても、プレイヤーの能力不足で実行できるかわからない(誘惑に負けたり先延ばしにしたり)
・結果、把握しきれたと仮定をしても構造が壊れていない・壊れないとは言い切れない。だから、やっぱり、プレイヤー全員がゲームの構造を把握しきれていない

 

こんなところでしょうか?

 

もっとあるかもしれませんが、ゲーム理論は「理想ではあるなぁ」というのが私の主張です。

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抽象的な話なので具体的な例を挙げます。

 

ブロガーがアフィリエイトで本を紹介していた、と。
単なるアフィリエイトというわけではなく、リンクを踏むと自分も安くその本を購入できる、とします。(このリンクから購入すれば20%引き!みたいな感じです)
本自体は面白そうなのだが、しかし、どうにも、そのブロガーが気に喰わない。

そんな時、そのリンクを踏まない購入者は、いると思うのです。
例え、その20%引きの割引がそのブロガーのアフィリエイトからだけであったとしてもです。

なぜなら、そのブロガーが嫌いという感情はそのブロガーに得をさせてなるものかという感情に通じ、それが十分大きい場合は「購入者にとって合理的に正規の値段で購入する」という選択を選ぶことにつながると思うのですね。

 

今回の例は、構造をしっかり理解したうえで、ブロガーと読者の一部(ブロガーに反感を抱く人)というプレイヤーそれぞれでルールが違うという点の具体例でした。本来ならそのアフィリエイトから買った方が得をするのに。

・一冊1000円程度の本なら得をするのは200円、絶対値で考えてそれくらいの損であれば飲める
・例え一つ100万円、逸失利益20万円だとしても(どんな本だろう?)ブロガーへの反感が20万円を超えるのであればアフィリエイトから買わないのが合理的
・頭でわかっていても、実際に行動するときは迷ったりしてブレる
・本の面白さが理解できない、リンクを踏むことで20%割り引かれるという意味が分からない、この割引はそのブロガーからしか提供されないことを知らないなどなど、ルールを把握しきれていない

などなど、先述の問題点の具体例はこんなところになると思われます。

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では、現実の人間は愚かなのか?頭が悪いのか?というとそうでもないように思うのです。そこそこ合理的でそこそこ感情的だと思うのですね。

だから、完璧なルールは機能しきれない(同時期に上手くいかないケースがある)し、機能しない場合がある(上手くいくか行かないかの二択で長期であれば上手くいかない場合がある)と思うのです。

構造の変更・ルールの変更もゲーム理論の範疇ですが、そこにも変更できるかどうかは確率論であるという不確実性が存在しますし、変更後もルール・構造の変更を知らないプレイヤーがいるという点で不確実性が残ります。

 

現実世界でゲーム理論は確率的なものに変貌するように思うのです。

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話を中国の法律や韓国のGSONIAに戻します。

冒頭に中国にとって悪手に思える、と書きました。

 

今までの内容を踏まえると、そうとも言えないことがわかります。

 

・私が全世界を含めた構造を理解できていない
・中国以外もしくは中国が構造を理解できていない
このあたりに集約されるように思います。

 

GSONIAにおいて、韓国の決断は損得よりも他の何かが優先したように、現在の中国にとっても私が認識できている状況のほかに何か優先するものがあるのでしょう。

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ゲーム理論が現実に対して言えることは「合理的に行動しないプレイヤーがいる場合、「何か」があるようだ」ということではないでしょうか?

そしてその何かとは、ゲーム理論を使い合理的な行動を思案した人が「見落としている構造・ルールの一部」だけとは限りません。今回の中国の行動がそうだとは思いませんが、一般に人間は理屈だけではなく感情で動きます。理屈でこれが合理的な行動だとわかっていても別の行動をすることはあるわけです。(ダイエット中なのに夜中にラーメン食べたり)

だから、ゲーム理論で説明できない何かが「構造・ルールの見落とし」なのか「プレイヤーの勘違い・見落とし・浅慮・バイアスによるおかしな行動」なのかは区別がつかないように思うのです。

 

一般に理論は理論であって、学術的にクリアにされた範囲でしか説明できることはありません。(だから帰納法的に現実にそぐわない部分を吸収し再構築して進化していきます)もちろん「少なくともこの部分はこう言える」という部分を明らかにすることは大事で有用です。

しかし、象牙の塔の住人でない我々が重視すべきは、現実から目をそらさず理論を応用する事だと感じます。

 

ではでは。

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