かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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評価する資格

評価という言葉は二つの意味合いで使われます。

一つ、称賛するという意味

一つ、判断するという意味

 

ここでは、後者、判断する資格の話をします。

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人を評価するという事は、多かれ少なかれ誰しもが行ったことがあるはずです。

社会人になり、上司と言われる立場になれば部下を評価するようになります。(昨今、部下が上司を評価したり360度評価というものがあったり色々ですが、最低、上司になれば部下を評価する、と)

その際に必要だなぁと感じるのが、敗戦処理をどう評価するのか?という点です。

 

一般的に「評価者訓練」と言われるものの中でもその一部分、それが特に大事だと考えているのです。

その辺りをゆるゆると説明していきます。

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昨今の経済状況の変動が大きいのは 、おそらく多くの方が賛同してくれると思います。

その場合、王道という王道はなく、それでも王道があるとすれば「いろいろやって、行けそうなものが見つかれば、そこに全力投球する」というものになると思います。

私が表現すると、いろいろやって探りを入れて、選択と集中を行う、となります。

 

SWOT分析を例に出すまでもなく、変化は「自分が変わらない」ことでも「世の中が変わる」ことでも起こります。他人を変えるのは難しく自分が変わるのは容易であるという言葉に沿うのであれば、変化する世の中に対して自身が(変化でなく)適応していくのがよさそうです。 

ton96o.hatenablog.com

 

それを忠実に実行すると何が起こるのかと言うと、撤退事業が出現します。

できるだけ損失を少なく、その事業から撤退する必要が出てくるんです。

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具体例。

「○○パン」という会社が、今までイートイン(店内で食べるアレ)を行っていたが武漢肺炎の影響を鑑みて、今後はイートイン事業の撤退と宅配事業の進出を行ったりするわけです。

お得意さんに、どのくらいの頻度でどのパンをいつ辺りに届ければいいのか、それらを聞いておくわけですね。もちろん受け取りが上手くいかなかったときの対応もきちんとしておいて。そして配送自体は自分でやってもいいし、UBEREATSを使ってもいいのでしょう。

良さそうじゃないですか。毎朝出来立ての食パンを届けてくれたりすると便利です。

 

この場合の新規事業は、いい感じですね。人員も増え社長からの期待も大きくやりがいもありそうです。ハードでしょうが会社に貢献している自尊心や有能感を持つ事ができます。

一方、イートイン事業の責任者はどうでしょう。逆のことが起こります。人は減らされ、または入れ替えが起き、目標は定まらず、あってもそれは「できるだけ早く」。これを読んでいる人で自分に置き換えて考えて、モチベーションを保てるという方はいますか?

 

戦国時代は、「退き佐久間」とか「逃げ弾正」という言葉が誉め言葉として使われました。撤退戦が上手いのです。

現在のビジネスにおいて、それが当てはまるかと言うと、、、、、「よっぽど」何でしょう。

どう考えても100億円の損失が出るような撤退戦を、ウルトラCの策略をもってむしろ50億円の純利益を出して撤退した、なんて場合は高評価を受けるのかもしれません。

そうでない場合は、やりたくない仕事だと思われます。

高評価を受けることが無い、できて当たり前の仕事とみられるでしょう。

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この一連の流れが正しいとすれば、現状、撤退することはままある事なのだから、撤退戦をそれなりに評価しなければならないという事になります。

となると、また問題が発生します。

撤退という行為は利益を生み出さないことが多いのです。(産み出す時というのは、買収先を見つけて交渉をうまくまとめた時とか、ですかねぇ)

となると、撤退をうまく行った人にそれなりの見返りを与えたくとも、原資が無いという事になりかねません。

会社全体として必要なことを行ったのにもかかわらず、その事業が(具体例ではイートイン)撤退事業であるというだけで、うまい仕事を行ったにも関わらず見返りはない、と。

そうなると、社内では「どれだけ上昇気流に乗っている事業に絡めるか」という「内部闘争」が起こります。

社内政治自体はどの会社でも多かれ少なかれあるものでしょう。場合によってはそれで鍛えた寝技が顧客やライバル相手の競争優位性になる事すらあり得ます。

しかし、おおむね内部の戦いは、本来の敵である外部との戦いに割くべきリソースを無駄遣いしているように思えます。

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という事は、会社全体としてどのような評価制度にするのかというのは、極めて重要な論点であると言えます。

評価者訓練の前提の、評価制度によって、撤退事業をうまくやるモチベーションが出るか否か。会社にとって業務が回る制度設計がなされているかどうかが決まるからです。

具体的には撤退事業をうまくやったのであれば、他から分け前を彼ら彼女らに与えるという措置が必要なわけですが、最高責任者がそれを皆に飲ませる納得させる力があるでしょうか?

 

というわけで、敗戦処理を上手く評価(ジャッジ)できない企業は評価する資格があるんですかね?という話しでした。

「厄介な仕事だが会社のために必要な仕事だ、頼んだぞ」

なんて言葉一つで上手くいかないっぽいです。

 

ではでは。

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