かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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高騰した今だから改めて考える暗号資産としてのBTC

2021/01/10 0時現在、BTCは420万円越え、ETHは12万5千円というところでしょうか?

テクニカル分析は門外漢なのですが、このスレッドでは無責任な予想を立ててみています。今のところ、先週末から下落トレンドを形成開始(そのあたりからツイートし始めています)。週明けは何か動きがあるかもしれません。その動きが暗号資産の高騰に引き寄せられた個人の買いであれば水曜日辺りには落ち着く、週明けを待って何かニュースが控えているのであれば予測は外れる可能性がある。

といった感じです。

そんな最中だからこそ、今回はBTCの役割を考え、FIAT建ての価格を考えたいと思います。

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最初にBTCとETHのおさらいをします。

BTCとETHは暗号資産の中でもメジャーなモノの二つです。双方ともにSECからは「証券ではない」という認識をされていると私は理解しています。(ETHが怪しいんでしたか?)その点において、分散された資産価値を持ちうるものとしての性質は同じです。

一方で、BTCができるのは主に送金(決済)です。そのネットワークのセキュリティはPoWという仕組みによって保たれており、ネットワークを攻撃するものはその時点でBTCへのPoWに投じられているハッシュレートをたたき出すだけのコストを用意しなければなりません。ETHができるのは送金もそうなのですがそれ以上にスマートコントラクトを動かすという役割が非常に大きいと私は認識しています。gasの集合体がETHであり、2020年のDefiのようなアプリケーションが使われるとその価値は上がります。先日のETH2.0のスタートによりETHのネットワークはPoSで保全されることとなりました。攻撃するにはETH現物を保有してステーキングせねばならず、ETHを買う対価とステーキング中に得られたかもしれないトレード利益を差し出さなくてはなりません。

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次に、価値と価格のおさらいをします。

価値は諸説あるとは思いますが、売買の成立をもって顕在化されます。例えば水ですが、日常暮らしているときに普通の水に何百円も払う人は少ないと思われます。が、高級レストランや富士山の山頂、火事場の放水などなど、その価格が上がるであろう場面のいくつかはすぐに思いつきます。これらは「水が生命を維持するのに必要なモノ」という絶対的な価値があり、その上で希少性の度合いによって価格が変わってくると私は認識しています。なので、現在の日本においても急速な水不足が起これば、日常の場面においても水道料金の急騰は起こり得ます。

別角度から。

先ほどは同一人物でも状況が違えば価値が変わるので価格が変わるという話でした。今回は、状況は固定します。人によって、価値のとらえ方が違うので価格は違うという話です。日常においてもAさんは普通の水に何百円も払わないけれど、Bさんは払うということはあり得ます。価値観の違いです。なので、非常に少ない出来高(売買の成立量)で価値を価格に算定するということは難しく、売買によって得られた価額を価値の値段としてみることは難しいと考えます。「2人が1BTCを1000万円だと査定した」というより「2万人が1BTCを1000万円だと査定した」方が1BTC=1000万円という値付けの意味合いに客観性がもてるのです。

もう一つ。大事なこと。

価格は買うから上がり売るから下がります。必ずしも価値を反映したものではありません。特に短期で同質的な少数の人間によって取引が行われ出来高が低いと価値と価格の乖離は起こりやすいです。

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では、BTCやETHの希少性を論ずる前提としての価値とは何でしょうか?

どちらもパブリックチェーン上を行き交う仮想通貨という点で共通しています。なので、よく言われる表現を使うと「誰にも奪うことのできない資産」ということになります。この言説とともに語られるのが政府による財産税の存在です。お金持ちから財産を没収するのですね。日本でも戦後に行われました。

財産税法 - Wikipedia

国に財産(資産)をもっていかれてはたまらない、ということで資産としてのBTCが人気があります。もっとシステム的な話をすればネットワーク上(ブロックチェーンというデータベース(台帳))にある数字記録なので「セキュリティが働いている状況下ではだれにも止められない記録をすることができる仕組み」と言ってもいいかもしれません。ETHはこれにアプリケーションを動かすことができる権利があるのでBTCを超える価値があると思われますが、BTCがすべて採掘されると2100万枚、ETHは発行上限枚数がないという違いによってFIAT建ての価格が大きく違っているものと思われます。

手あかのついた言い回しを使うなら、価値があることを前提として、BTCはデジタルゴールドでありETHはデジタルウォーターとでもいうのでしょうか。そういう希少性の違いはFIAT建ての価格に影響しているものと思われます。

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なるほど、と。ではBTCのFIAT建ての価格はどのくらいが妥当なのか?と。

私見では、売買する皆の総合的な判断・納得感でしかないと考えます。

金の採掘モデルやネットワーク価値に重きを置いた算定価格があるというのは知っています。一説によると数十万ドル、日本円で数千万円ですよね。

どうでしょう?そうなるのであれば現在1BTC=400万円なので二倍以上になることになります。買います?下落トレンドですが。月曜日にお金を取引所に振り込んでBTCを今から買います?買えます?数千万円になるのを待てます?

マーケットで取引をする人が上記にYESと答えるのであれば、きっとその価格になると思うのです。が、おそらくほとんどの人は躊躇するはずです。だったらしばらくは1BTC=400万円くらいなのではないでしょうか?次に注目すべきは「どこで下げ止まるか」です。

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なるほど、と。ではETHのFIAT建ての価格はどのくらいが妥当なのか?と。

これは輪をかけて難しいと思われます。

アプリケーションの利用料の集積ではあるのですがそれを現在価値に直すために割り引かなければなりませんし、その割引率はおそらくPoS報酬の利率でよいと考えますが変動するでしょう。アプリケーションの利用価値の算定はさらに困難を極めます。今後どのようなアプリケーションが出るのかわからないからです。(だからこそ期待に胸が膨らむのですが)それが法定通貨ではなし得ないことを行うのであれば、「言い値」で取引が行われることになります。そうでなくともトラフィックが渋滞することになれば、普通に考えると多くのgas代を払ったほうが先に処理されるという仕組みになると思われるのでgas代の高騰やほかのアプリケーションの反応遅延を招くことになります。それはETHネットワーク全体の価値を損ねることになりかねません。

さらに、ETH上のアプリケーションを使うのにETHがFIAT建てで変動すると使いづらいのでヘッジが活躍するはずだという話はボチボチ目にします。それはそうなのですが解決すべき問題はあります。ヘッジには相手がいるわけで、プットを買うときにはプットを売っている人を探す必要があります。極端にFIAT建てでETH価格が変動する場合、オプションを売ってくれるだけのリスクを取ってくれる人がいないので買えないはずです。

となると、一か月で二倍というような変動率が望ましくないのは言うまでもありません。素の状況で、そこそこ安定した値段であるべきだと考えます。(それでも急激な乱高下はまだまだ起こる状況だと私は考えます)

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ここまで、価値や価格の話をしてきました。価値を算定するには希少性も関係あるし取引をする人の価値観も影響するが、大前提としてそれそのものに最低限の価値がある必要上がる、という話をしました。

特にBTCにおいて、それを考えておきたいと思います。

ETHはアプリケーションを動かすための料金として最低限の価値があります。BTCは送金でしょうか?

それが正しいのだとすると、BTCはSoV(価値の保存)としての役割が背負わされているらしく、それを前提とするならリスク回避資産であり他に送金するなんてとんでもない、ということになりませんかね?後々は送金料が主要なマイニングの報酬になるのに送金料が少なければネットワーク価値が下がると思うのです。

BTCがBTCで使われることがなくSoVとして大事に保管されているだけであればそもそものBTCって何ですかね?何のためにあるんですかね?という話です。

SoVとしての価値だけであれば「とにかくこれだけの価格がつく価値があると思うんじゃい!」という共通認識のみに立脚した価値でしかなく脆いと思われます。ただ、それが強固な共通認識であればマイニング・PoWによるセキュリティも含め上手くいくとは思います。ただしそれは発掘枚数が存在している機関においてのみの事です。発掘しつくされた後、マイニング報酬の源泉は送金料です。送金料が0であればマイニング報酬が0なので誰もマイニングをするインセンティブがなくなります。結果、セキュリティに問題が生じます。

あえてSoVとしてのBTCで話を進め、送金もわずかながらされるとしましょう。そうするとむしろマイニング報酬は少ないので希少性の観点からFIAT建てで高値がついてもおかしくありません。その際には「送金記録」としての根源的価値ではなく「その量のBTCをこのアドレスが保有しているという記録」が根源的価値になると思われます。

なので、先述した通りBTCの根源的価値を「何物にも邪魔されず記録を残す事」にあるとしたとします。これによって政府が財産税を行っても持っていかれない、と。ですが、送金を受けるにしてもマイニングでBTCを入手するにしても、どこかでFIATに交換する必要が出てきます。そこではKYCが行われます。

だったらそこで財産税として持っていかれるんじゃないですかね?

ここに関しては確信も何も持てませんが、牧歌的に「だれにもおかされないぼくだけのしさん」という考えは能天気すぎると思うのです。

うーん、相続は簡単になるかもしれませんね。ウォレットのパスフレーズや暗号カギをこっそり伝えるだけで良い。どこかの国でFIATに換えればいい感じに徴税から逃れられるかもしれません。が、当局の捜査は甘く見ない方がよいと思われます。

近年のCEXでの購入ということを考えると追跡調査はできてしまうものとした方がよさそうですし、個人がマイニングで獲得できるBTC量は微々たるものです。

これらを考え合わせると、前提とした「何物にも邪魔されず記録を残す」という根源的価値が揺らぐことになり、希少性以前の価値をどこに見出すのかという話になります。極端な話、気軽に国際送金する(その分の送金料を安いと感じる)くらいの価格にまで落ちるかもしれません。

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まとめます。

根源的な価値として、パブリックチェーンはセキュリティが効いている限り誰にも記録を邪魔されない。発行上限枚数という希少性の違いからFIAT建ての価格はBTC>ETH。いまだに使途がはっきりしない状況ではどんなモデルを使うにしても理論値は出すことができない。なので「いくらになるか」という質問への回答は不可能。今週末下落トレンドに入ったっぽいので週明けに何もなければ「1BTC=400万円」「1ETH=12万円」前後がここ数か月程度の期間での高値圏。いくらで下げ止まるかが次の論点。最高値がそうであったように下げ止まる価格もまた、トレーダーの心理に大きく左右され、それ以外の金融資産の動向に大きく左右される。

ただし、仮想通貨はそのネットワークにおいてガンガン使われる設計であるべきで、使われることでネットワーク自体の価値も向上するはず。それが正しいのであればSoVとしてのBTCにはいささかの疑念が残る。例えば、誰も送金をしないゆえに発掘量が0になった時マイニング報酬は0になるのでセキュリティはがた落ちになり51%攻撃などにさらされることになる。

 

というわけで、次はいくらで下げ止まるのか個人的な注目点です。

 

ではでは。

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