かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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未来の投資

ある人のツイートにて「100年後の未来、投資先配分は「地球85%、火星5%、月10%」という事になっているかも」というものがありました。
100年後の未来では人類が宇宙に進出していることを見越し、国ごとの分散ではなく星ごとの分散が図られるという事なのですね。

興味深い。

 

今回は私も未来の投資について考えてみました。

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まずは投資の意味合いを確定させておきたいと思います。自己投資も投資の一種ですがそれは今回含みません。有形の証券、金融資産という意味合いでの投資という範囲にしたいと思います。

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1)自動化
2)多様化
3)金融包摂
4)豊かさの定義
5)投資助言会社の強大化

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一つずつ説明します。

まずは、1)自動化について。

これはなんとなく理解して頂けるのではないでしょうか?
投資は自分で始めようとするから敷居が高いと思うのです。それが自動でいつの間にか資産形成ができていればどれだけ楽な事でしょうか?米国ではDRIP含め、投資に関する制度が整備されており、その敷居が大変低くなっています。私はそれらの制度自体が米国経済の下支えをしていると認識しています。安定株主になってくれるのですね。

また、かつての年金は拠出額を国(?)が運用することで老後の生活財源という資産形成を行っていた、と考えることもできます。現在もその制度は残っているモノの、お気楽な隠居生活を起こるには不足しており、よってiDeCoやNISA等の制度が整備され金融教育がなされているのは周知のとおりです。

一方で、国が自動的に投資を行うという事は、個人の財産に国家(?)が口を出すという、見方によれば人権問題にもなりかねない話ではあります。
無駄遣いせず意識しないで損切りの誘惑に駆られることなくおおよそ資産形成できる事を歓迎する人もいれば、自分の金の使い道は自分で決めるのが当然と考える人がいて当然なのですね。

数百年後には出生と同時にiDeCoのような事が始まるかもしれません。が、数年後程度の未来であればiDeCoふるさと納税の各種手続きの自動化が図られる程度が現実的でしょう。

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2)多様化について

投資対象の多様化です。これは資産の分散を図ると同時に今までアクセスできなかったオルタナティブ投資を可能にできたらなぁという意味合いも込めています。オルタナティブ資産とは、株式や債券といった伝統的な金融資産以外を言います。
具体的には、ワインやアンティークコイン、絵画や著作権・版権、森林など。最近ではCO2排出権も対象になるでしょうか?

私はこれを割と現実的なものだと考えています。一時的に金や原油などの実物資産に資金が流入することは度々あります。そのたびにそれら資産にアクセスできない人は歯がみをするわけですね。
絵画なんて名画は何億円の世界ですから、所有という事を考えたら個人で購入できる人は相当限られます。それが細分化され、美術館への貸し出しなどを自動で行い収益を生んでくれればどれだけ楽になるでしょう。
余談ですが、昔日本がバブルの頃、ある保険会社が高値で名画を購入しました。それは一等地にあるオフィスで展示され、誰でも見ることができる目玉となりました。そして保険員は絵画を見に来た人たちに営業をかけたそうです。そしてなんと元を取った、と。
広告にもなり営業のフックにもなる、大した仕組みです。

話がそれました。
企業の株式を購入するにしても、それとは別にその会社の排出権だけ取引されたり、三事業行っていればその一つの事業だけ購入できたりしても良いのかな?とも考えます。実際はそれぞれの事業の分割が経済的に有利なら独立上場させているはずなのですが、投資家側からそれができると良いのかなぁ?と。それにより、2022年辺りに巷をにぎわせたコングロマリットディスカウントを回避することができますし、企業側にとってもどの事業を上場させればいくらくらいの値がつくのかという目安になります。株主は株主総会で経営陣とやり合わずとも、投資行動をもってその意思表明ができます。

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3)金融包摂について

数年前に一気に広がり、2023年現在鳴りを潜めている用語です。

発展途上国では、銀行口座は持っていない(作れない)という人がいます。unbankedやunderbankedと言われる人たちです。しかし私たち日本人には不思議に思えることが多いですが、なぜかスマホは持っていたりします。

そこで、スマホアプリを利用したサービスが作られました。今まで銀行口座を持っていないがゆえに金融市場へのアクセスができなかった人たちに道筋をつけたのですね。

ピケティを引用するなら「r>g」労働より資産運用の方が収益力は高いという結果が出ています。扇動など一部の例外気を除けば。

その為多くの場合、金融市場にアクセスできるかどうかによって富の格差が開いていました。やる気がある人にとって上記の流れはチャンスでした。 gだけでなくrによる富の蓄積を可能にしたからです。

その結果何が生まれたかというと、今度は金融市場にアクセス「する」人とそうでない人の格差が生まれたように思えます。「それは知識と意思の問題だろう」おっしゃる通りです。ですが、スマホさえ持てない人たちは相変わらず金融市場へのアクセスを閉ざされている点は意識して然るべきです。

そして未来ですが、スマホアプリ以外の何らかの筋道が開かれるのではないかと考えます。もしくはスマホ的なデバイスが配布されると考えます。それらによってさらに金融市場へアクセスできない人が減少するという構造です。後者のアイデアではすべて無料では事業の継続性がありませんので、何らかのマネタイズが必要です。「結局金儲けか」と軽蔑するのではなく事業の継続性の観点から必要なのですね。

その結果何が起こるか。
金融市場にアクセス「する」人とそうでない人の格差は広がるでしょう。
また、入金力の差が富の蓄積に差をつけることは言うまでもありません。今度は生まれによって差がつく、という点が問題になるかもしれません。

資産が形成されていようと何だろうと幸せに生きている人は幸せに生きているわけで、もしかすると資産形成とは別の面がフォーカスされるかもしれません。

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4)豊かさの定義

ブータンという国がGDPでなくGNH(国民総幸福量)を大事にしている、という話は有名です。一方で、インターネットの普及によって彼ら彼女らの幸福度が低下したという話もあります。

幸福度合は相対的なもののようです。

ここで上記3)の話も絡んできます。
金融包摂が100%まで達したとしましょう。そして全員が「投資すべし」と投資をする事になったとしましょう。
そこに豊かさは生まれるでしょうか?

あなたが投資により100万円儲ければ、恐らく隣のあの人も向かいのその人も100万円儲けているわけです。全員が全員そのような状況なので、当然物価も上がるでしょう。そうすると、少なくとも身の回りでは、全員が投資をしていない状態と全員が投資をしている状態は変わらない事が考えられます。ニュメレールの大小しか変わらない状態です。(給料が50万から500万にあがったけれど、昼食代も1000円から10000円に上がった状態)

「いやいや、外国との貿易もあるし3)で書いていたように入金力の差もあるし、全く変わらない事はないんじゃない?」
仰る通りです。では、厳密にはどうなるかというと、目に見える範囲では可処分所得の差が豊かさの大小につながってきます。生活に最低限必要な金額はみなそこそこ同じですが、給与などは大きく差があります。その分が投資への入金力の差になるからですね。(20万円の給与で毎月3万円投資している人と、80万円の給与で毎月30万投資している人では大きな格差が生まれます)
また、金融包摂が成ったとしても先進国と発展途上国では同様の事が起こり得ます。
つまり、本当にフェアな競争を始めるには、今の地球は格差があり過ぎるという事です。

私は何も、現在の地球をゼロに戻して、などと不穏なことを言う気はありません。
ただ現実として、豊かさが比較から産まれると考えるのであれば。格差が開いていく未来は変えられそうにありません。

一方で、冒頭で述べた投資という概念を拡張し、自己投資や社会とのつながりというところまで含めるのであれば話は変わります。お金持ちだけれど豊かでない人もいれば、お金があまりなくても楽しく毎日を過ごしている人もいるでしょう。

3)の後半で述べたように「豊かさ」を再度考え直す事になるでしょう。

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5)投資助言会社の強大化

投資信託ETFしか購入していない場合、株主総会のお知らせなどが来ないはずです。
議決権行使は株主の重要な権利の一つなのに、それはなぜでしょう?
議決権行使は投資信託ETFの運用会社が行使し、投資助言会社という会社がそれに対し方向付けをしているという仕組みになっているからです。

私たちは投資信託ETFを購入する時「信託報酬料などのコストが掛かるんだよね。でもしかたないね」と思っていますが、実はそれ以上に議決権さえもはく奪されているのですね。

投資をする人が増えれば、おそらくインデックス型の投資信託ETFを購入する人が増えるでしょう。
そうすれば各企業の運営会社の株主比率は高くなり、その議決権行使を裏で方向づけている投資助言会社の権力は大きくなります。

例えば、気候変動関連で要求をしろというアドバイスをされればそれに従って多くの企業が右に倣うはずです。

投資助言会社の監視・企業統治などは必要になってくるかと思います。

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というわけで、あまり特別なことは言っていない内容です。
個人的にはオルタナティブ投資ができるようになると、全世界の「富」に対して投資ができるようになるのでなかなか良いかなぁ?と考えています。

 

ではでは。

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