かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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BTCとETHの価値評価

いわゆるバリュエーションについて、書きます。

BTCはPoWの、ETHはPoSの代表例です。

発展度合や社会的な役割によって変わってくると考えられますので、順番に書いていきます。

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最初のPoWやPoSは実験や動作確認のために行われます。
その段階では採算度外視のはずで、価値評価すらままならないはずです。
0に近しい。
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次の段階、面白味を感じてマイニングやステイクをしてくれる「他人」が出てくる段階です。
ここでは経験価値が重要視されると考えます。
「確かに動いて数字が増えた!」
そういう嬉しさ、アクティビティの価値です。
「モノより思い出」

そんな段階ですので、やはり採算度外視です。
一方で、他人を巻き込んでいますので「仕組みの面白さ」や「起こりうる未来への希望」が価値になってくるでしょう。
しかし、未来がどんなに価値あるものだとしても、まだ「海の物とも山の物とも」分からない状況です。

0ではないんだろうけれど、マイニングやステイクにかかる手間やランニングコスト未満。多分BTCでFAUCETや寄付が行われていたのはこの辺りの段階だと考えます。マイニングやステイクのそれと同じく送金を経験できる事が楽しかった、と。

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次の段階、BTCで言えばPIZZA DAYを過ぎた後です。
ここで法定通貨建てのバリュエーションが可能になってきます。

ビットコインピザデイでは、10000BTCがピザ二枚と交換されました。(実際にはBTCで支払いをおこなえたのではなく、ピザを頼んだ人間の立て替え払いをした人間が、その対価に10000BTCを受け取った、との事)

「じゃぁ、BTCの総数が約2100万枚だから、BTCの時価総額はピザ1050枚分だね」
と計算するのも一つの方法です。ピザ一枚10~20ドルなので時価総額10500~21000ドル。

「この交換レート、どう考えてもキリよく10000BTCと決めたのだろうし、相手方も本気の商取引としてではなくカジュアルな「遊び」として交換したのだろう。この段階ではお互いが1000BTCと言えばそうなったろうし10万BTCと言えばそうなったろう」
という考えも捨てがたい。

確かに成立した交換は「10000BTCとピザ二枚」の交換ですが、そこにあるのは価値と価値の交換ではなく、やはりまだ経験価値が大きかったのではないかと考えます。悪ふざけやノリと同様です。

別のアプローチをしてみましょう。

ビットコインピザデイ当時、マイニングを行えば1ブロック辺り50BTCの報酬が期待できたようです。BTC1ブロック生成時間は10分なので、ここでは均一として、10000BTCをマイニングで取得するには2000分かかったと計算できます。33時間と33分ですね。
2012年にFightFor$15運動があったので、最低時給はそれよりも低かったものと想定されます。が、ここでは15をかけて499.95ドル。500ドルと換算できます。
実際にはセットアップ代や電気代などが加算されますし、当時であっても最低PCくらいは必要だったでしょう。10000BTC=500ドル+アルファ、といったところで如何でしょうか?
BTC全体で考えると、総発行枚数2100万枚なので時価総額105万ドル超え。
1BTCあたり5セント位、となります。

こう考えると10000BTCをピザ二枚と交換するのは随分と割に合わない気がします。が、まだ何にも交換できる事のなかったBTCを何かと交換できた、交換の道筋をつけた事、使途を見つけた事に意味があると思われます。

 

尚、PoSの場合は最初に原資となる対象仮想通貨を持っていないとステイクできません。バリュエーションもクソもなく、当人同士の交渉でレートは決まります。

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次の段階になると商売っ気が出てきます。マイニングによる費用とBTCの価格、またはステイクによる機会損失とETHの価格を勘案した調整が行われます。

さらに、おそらくそれまでは「知る人ぞ知る」存在だったそれぞれのブロックチェーンが攻撃(いたずら?)される対象になる程知名度が上がってきます。
マイニングやステイクを行う事で得られるネットワークの健全性、という観点からのバリュエーションが可能になる段階です。

一方で、「経験価値」を求めた不採算なマイニングやステイクがなくなっていないはずです。個人の参入が増える時期だと考えられるからです。

 

マイニングからネットワークの健全性を測ると、「10分当たり毎の、マイニングに拠出される計算力を得られる、電気料金と設備の減価償却及び修繕費など」を半分にすればよいはずです。これでネットワーク保護という観点からの10分毎のBTC理論価格を算出できます。
これは51%攻撃を勘案したものです。51%攻撃は「当該PoWネットワークを攻撃するのに必要な計算力がそう計算力の半分超」というものです。(実際はそれ未満でもできるらしいです)

次に、ステイクからネットワークの健全性を測ります。51%攻撃の観点からはステイクする原資の法定通貨建ての価格を元に、ステイクされている仮想通貨総数で判断できます。
一方で、機会損失の観点からは、法定通貨建ての価格の動向とアプリケーションで得られる効用に依ります。ステイクにより「売り損なった」とか「ブロックチェーンゲームで遊んで楽しめるはずだった」という効用を数値化しなければなりません。
これはかなり困難です。価格の動向をリアルタイムに予測できるはずがありませんし、ブロックチェーンゲームやその他アプリケーションから得られたであろう効用についても後付けで、かつ、個人差が大きいからです。

PoS通貨の機会損失の観点におけるバリュエーションは難しいようです。

また、攻撃する費用の多寡によってネットワークの健全性を維持するというのがマイニングやステイクの基本的な設計思想ですが、費用がかかれば価値が上がるというのは必ずしも言えません。ネットワークの健全度の観点から言えば確かに価値は上がるのですが、それ以外の要素がありますので全体の価値が上がるとは言えないと考えます。(100万円使って書いたブログ記事と、1円も使わずに書いたブログ記事。出来が同じなら後者の方が生産性が高いので価値が高いでしょう。)

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次の段階は、当該チェーンが国家単位の攻撃ですらビクともしない堅固な状況になった未来です。

国や連合が総動員で攻撃してもネットワークを攻撃できない状況。
確かに法律などで規制はできるでしょう。トラベルルールなんてものもできました。
しかしそれはCEXを通しての事であって、個人がウォレットで管理している分に関して、どこまで規制できるのか。中国のグレートファイアウォールも抜け道があるようですし。

そんな未来ですと、使途のみが論点になると考えられます。
(それ以前、つまり現在の状況においてもバリュエーションに使途が関連しているはずです。それらが混在しているがゆえに現在のバリュエーションは難しいと考えます。)

ネットワークの健全性に問題がないという事が前提なので、「どれだけの人と繋がる事ができるのか」「どれだけのものと交換できるのか」が価値の源泉になります。これは特にETHだと分かりやすいのですが、どういうアプリケーションがETHに立脚して作られるか・使用されるかにも依ります。

 

 

ではでは。

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