かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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仮想通貨の差別化できる特徴とは?

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現在、百花繚乱・玉石混合の仮想通貨群の中から一歩前に出る、

差別化の源泉となる、仮想通貨にとっての特徴を考えてみます。

 

まず、差別化するってどういう事でしょう?どういう意味合いなんでしょう?

よく聞く言葉ですが、だからこそ確認しておきたいと思います。ここはとても賢い経営学者、ポーターさんの力を借りることにします。

 

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縦軸が顧客の幅、2種類です。市場全体か、特定の層に特化か。

横軸がどういう方法で攻めるかの2タイプです。コストが安いという攻め方か、他にはない特徴を持っています、という攻め方か。

図でいうと

・左上が市場全体にコストで攻めるクラスタ

・右上が市場全体に特徴で攻めるクラスタ

・下の長方形が市場を何らかの方法で分けて考え、

 特定の対象にコストか特徴で攻めるクラスタ

となります。

 

「差別化を説明すればいいじゃん、それ以外は必要ない」と思われるかもしれません。しかし、何かを理解する際、それとよく似たものと比較することで理解が進みます。

差別化をするというと上記図でいう右上がそれにあたります。差別化を推進しなければそれ以外の方法をとるということになります。

差別化をしなければ何が待っているか?

1)図の下の長方形、市場(仮想通貨でいう利用者層)の縮小か

2)図の左上、低コストか

 

抽象的でわかりにくいので、具体的に考えていきます。

2)より1)が説明もイメージもしやすいので1)から説明します。

仮想通貨のファンダメンタルな性質は3つであると過去に書きました。

 

ton96o.hatenablog.com

 これは現在でも変わっておらず(1日たってないですから)

通貨として使ってもらうための「技術」「マーケティング」「コミュニティ」が重要だと考えています。

1)で市場、利用者、コミュニティが縮小してしまうのは大きなマイナスです。避けなくてはいけません。しかし、縮小したコミュニティで頻繁に使ってもらえるのだとしたら「あえて対象を絞る」こともアリだと思います。今の仮想通貨でそれをやる意味はないと思いますが。

 

次に2)について説明します。

低コストの戦略ですが、これは「他の会社がカレー一杯500円だがうちは300円だ。お客さんはいっぱい来てくれるに違いない」という理屈です。

言い換えると、「財やサービスを安価に入手でき、それに応じて顧客の需要は満たされるためシェアは拡大する」戦略となります。仮想通貨でいうと本来1単位当たり100JPYのものを1JPYでもらえた、と考えてください。

注意していただきたいのは仮想通貨の1単位当たりが低いということを意味しないということです。エアドロップやフォーセットもただの広告なのでこれに該当しません。

マイニングで得たものの扱いが微妙で、もらえる枚数が多い場合(漠然としてます、すいません。。。)おそらくこの2)に該当します。

本来の価値未満でほかの人に渡すのですから、長期的には避けなければなりません。開発者のプレマインが0だとか、運営が持っている通貨を安価で譲り渡すことをイメージしてください。開発・運営が成り立ちません。

「?。長期的には?短期ならいいのか?」はい、短期ならアリだと私は考えます。上記の通り、シェアを拡大する意味合いがあり方針の変更が可能であるのなら、特に参入初期に合理的な戦略となると思います。

 

どうやら、1)と2)は一時的にもしくは特殊な事情でその道を選ぶことはアリだが、初っ端から選ぶべき道ではないようです。

なので、図の右上、持続的な開発・運営を行いつつ、市場全体に仮想通貨の特徴で攻めることができる「差別化」が必要になります。

 

次に特徴を考えます。

マーケティングの世界で有名な話があります。

「ドリルを買いに来た人は、ドリルそのものが欲しいのではない。

 ドリルで作る穴が欲しいのだ。」

商品は何らかの問題を解決するための媒介であり、問題が解決するのであればなんでもアリ、逆に解決しないのであればナンセンス、ということになります。

先のドリルの例でいうと、穴をあける材質が比較的柔らかく穴に精度を必要としないのであれば、例えば安価な彫刻刀でよいでしょう。ドリルで穴が開かないような固い材質であった場合、せっかくのドリルですが購入したことに意味はありません。

 

仮想通貨で困っていることって何でしょう?

今後、現実的な確率で困ることになりそうなことって何でしょう?

それが仮想通貨の差別化できる特徴になります。

 

今現在ですとBTCやETHの送金が遅れているのが問題だと思います。

 

耐量子という特徴を耳にしますが、個人的には差別化要因になりえないと思います。

量子コンピューターはまだ実用化していないという観点で考えるとすると、耐量子という触れ込み自体が眉唾です。200年後に実用化されることに無駄な労力をかけているのかもしれません。実現していないものに「有効だ」と言われても有効性を実感できません。数学的には大丈夫といわれても疑念は晴れません。バグは作った当初見つけられなかったからこそバグなのです。

近い未来、量子コンピューターが実用化されるという観点から考えるとすると、これはブロックチェーン自体を揺るがす「おおごと」のはずです。すべての利用されている仮想通貨が備えるべき基礎機能、ということになります。

どちらに考えたとしても、耐量子を優位性を持った特徴として存在できる仮想通貨の世界はありえない、という結論になると思います。

 

これは先の、送金スピードアップも同じです。BTCやETHは使われている仮想通貨で、だからこそ送金遅れが目立っているとも言えます。

何らかの方法で解決できるのであればその方法はすべての仮想通貨に備えられるべき基礎機能であり、それを備えないのであればそれを超える仕組みの実現が必要です。

しかし、その「超える仕組み」が実現すれば、設計段階で全く違うものでない限り他の仮想通貨に吸収されることでしょう。

差別化できる特徴にはなりそうにありません。

 

では、差別化できる特徴って何でしょう?

少しだけ出てきました。

「設計段階で。。」

私の考える差別化できる特徴の一つは、設計段階で他とその性質を異にするものです。

 

私が考える差別化できる特徴はHUBとなる、任意のある通貨とある通貨を仲介できる通貨・仕組みです。仮想通貨でいえばBNTが一番イメージしやすいと思います。

私はこのHUBという概念をもっと広くとらえていて、仲介できるのであればなんでも良いのです。

たとえばBTCの送金が爆速になったとします。するとほとんどの仮想通貨がBTC建てで取引できるようになるでしょう。任意のある通貨とある通貨をBTCが仲介します。それに対し利用者からの不満も消えるはずです。BTCの知名度の勝利です。今まで築いてきたブランドが差別化できる特徴となります。

 

他にも、賢い方々はいろいろと考えておられるでしょう。

私の考えでは、これが限界です。あとは実際に使って不便なところを見つけて、それを解決する開発力が差別化できる特徴だと考えます。

 

仮想通貨の差別化できる特徴とは?

・ジリ貧にならないため、利用者を狭めないために、特徴・キャラ立ちが必要

・生半可な特徴は他に真似される

・HUBを担う通貨は差別化できている

知名度、ブランド

・開発力