かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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品質検査で大は小を兼ねるのか?

2023年年末。品質検査で大事件が起きています。
検査に不正があったのですね。本当は不合格なのだけれど通してしまった、と。

大前提として、そういう不正はいけない事です。めっ!

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それを大前提として、この事例をあえて「ひねた」見方をしてみます。
というのも、大企業が数十年にわたって~それこそバブルの時期、輸出でブイブイ言わせていた時期をまたいで~不正をしてきたなんて事例もあるようでして、思う所があるのです。

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それは検査基準が本当に適切な基準であったのか?という話です。

フレームワーク(物事の考え方・型)にMECE(ミーシー・ミッシー)というものがあります。「物事を考える時は漏れなくダブりなく」という考え方で、ロジックツリーを使うと概ね上手くいきます。ブレインマップはロジックツリーの派生版で、いろいろな観点からMECEに物事を考えていくための亜種だと私は認識しています。

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で、ですね。厳しい検査基準を不正に通過させたという話は、何が端緒となって発覚したんでしょう?これは特定の事例について言っているのではなく一般的な話です。
何らかの事故があったのであれば問題ですが、それが些末なものなのであれば
「検査基準が厳しすぎた」
という見方もできると思うのです。
少し前に流行った言い方で言うと「過剰品質」というものです。
事故はゼロがベストですが、それを達成するコストは限りなく高いでしょう。そして現実的にはゼロにはなりません。

なにせ「何十年も不正が続いていた」というのです。それだけの間、元気に営業していたのですよ?それが、品質が基準に満たなくても十分に使用に耐えうる製品を作っていた何よりの証拠、という見方もできるでしょう。

どこかの集団の肩を持つわけではありません。基準を緩くして実験的な事をやりやすくする、という話とは別です。
一般的な普段使いの普通のものに、過剰なコストをかけていたらその分価格に反映されるかメーカーが継続的な経営を続けられなくなるでしょう、という話です。

前者より後者の方が影響は甚大なはずです。既に枯れた日用品の話ですから。

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これには、「逆」パーキンソンの法則、とでも言いましょうか。規則を作る側の「やった感」を満たしているという面もあると考えます。何か批判される前に基準を厳しくすると、批判を回避できる上に基準を作るという権力を手に入れられます。

メーカー「そんな厳しい基準にされたらやっていけません、現状のままでお願いします」
???「ん~?どうしよっかな~」

というイメージです。
そこまで悪意に捉えず、「みんな、一生懸命自分の仕事をしているんだよ」という目線で見たとしても、過剰品質を求める基準は競争力を低下させるわけです。

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というわけで、基準はいくつかに分けるのがよろしいかと思います。

1)イノベーション誘発基準、いまだと自動運転など。データの著作権にごちゃごちゃ言わないし事故が起こっても自己責任
2)使えるからいいじゃない基準、そこまで高級じゃなくても通常使用に耐えられる基準。コストが低いので安価。
3)事故ゼロ基準。お大臣様や貴族様が使うレベル。コスト云々ではなく安全性だけが最優先される。

こう考えていくと、2)と3)の基準を分けるには「相当な実務経験と知識があり、尚且つ日進月歩の世界であればそれに追いつき続けるエネルギー」が基準を作る側に要求されることが分かります。
楽なんですよ、2)をすっ飛ばして3)を作ると。

悪意を込めるわけではありませんが、「とりあえず高品質を求めておけばいいや」程度の心持ちで基準を作ると、何も考えなくてOK。
さらに言えば(これはちょっと悪意を込めますが)世の中の流れ的に「イノベーションだ」「新規参入を緩和せよ」という批判を回避するために1)をつくると、途端にゆるくゆるーくなってしまう。

それなりに真面目にお仕事なさっているはずだと思いますが、先に挙げた1)2)3)の峻別を作ろうという気概は見受けられません。
保身のために作られた3)に合格させるためにメーカー側が多大なコストを払ったのであれば、不正の理由は、納得も賛成もできなくても、理解はできるというものです。

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なので、基準を作るときは「何を目的とした」「どの程度のレベルか」それらがメーカーはもちろん、使用者・消費者にそれを認識したうえで覚悟をもって使用する。そこまでが一つのセットなのだと思います。

ある分野では「日本は規制が厳しい。これではイノベーションが起こらない!」と言われつつ、「こんな緩い規制で世の中に出すなんて何を考えているのか!」と言われる。
お疲れ様です。

だから、分野ごとに規制を分けるだけではなく、各分野の中でも規制基準を分けたらどうでしょう?

だめなん?

それはなんで?

上記でいう2)を作るだけのリソースが足りないから?

 

それは理由にならんでしょう。

 

ではでは。

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