投資を初めてする方との会話です。
「tonちゃん、税金って、なんかやだよね、高いよね」
「ま、そうですね。でも義務ですから」
「俺ら年金もらえるのかな?」
「www、もらえないっすよ」
「あ、やっぱそう思う?」
「うーん、補助金程度になるかもしれませんし、85歳から、とかになるかもしれません。0にはならないとは思います。今のような年金はもらえないと覚悟してます」
「ふーん。投資とかやってるの?」
「はい、まぁ。これからはやっておかないと将来悲惨ですよ。ずっと死ぬまで今の仕事できないと思いますし」
「なるほど」
「tonちゃん、俺、今までさぁ」
「はいはい」
「投資ってやったことないのよ」
「あー、全然いますよ、そういう人」
「何をやったらいいのかねぇ、株?」
「株式投資がメジャーですけど、本当に何もやってないんだったらiDeCoか積み立てNISAをお勧めしますよ」
「よくわからないねぇ」
「順番に説明しますよ」
「(厳密にはiDeCoは違うが)投資信託というものに投資をするんです」
「投資信託、ね。それって何かねぇ?」
「飲みに行ったときおつまみを注文しますよね?」
「枝豆とかね」
「株式は、単品を注文。投資信託は盛り合わせを注文すると思ってください」
「ん、なるほど、例えば、株が「鯛の刺身」で、投資信託というのは「刺身の盛り合わせ」なんだ」
「そっす。で、値段はどちらも同じ、と考えてください。」
「ん~、そこがポイントね。あー、盛り合わせの方の鯛の刺身は少ないね。これ?」
「そっす。盛り合わせはいろいろ入っている代わりに、それぞれの量は少ないんです。」
「ん、なんか、良いのか悪いのか。俺、鯛の刺身好きだからたくさんほしいけどな。」
「そういう人は、株式投資で、鯛を買えばいいんです」
「色々盛り合わせのものにすると、なにかいいことあるの?」
「いいことありますよ。投資の世界では「分散」といいます。例えば、自動車会社の投資信託を買ったとします。」
「ふむふむ」
「一位がなにかしらの理由で、業績が良くなかったとします」
「あるかもしれないねぇ」
「一位の会社だけに投資をしていると、大きな損します。」
「そらそうだ」
「投資信託で、まんべんなく買っていると、一位の売り上げが落ちても、二位以下が伸びているのであれば、損失は少ないです」
「えっと?」
「一位の会社一点買いだと、損失が100でも、
さっきの例だと一位の割合が少ないし、二位以下が伸びているんだから損失は100より少ない、もしくはプラスになってる、という事です」
「あー、なるほど。損自体が少ないし、他はのびてるからね」
「ただ注意が必要です」
「お、注意ね、聞こう聞こう」
「先ほどの場合、自動車産業が伸びているから一位が落ちても、まぁ何とか良かったんです。自動車産業全体がヤバい状態だと悲惨です。」
「分散の意味がないってことね」
「まんべんなく損をします。全滅です」
「そういう場合どうするのよ」
「他の産業や、他の国にも分散です」
「「分散」の良いところをもう一点説明しますよ」
「おう、どんとこい」
「時間の分散をするんです。先ほどのものは「銘柄の」分散でした」
「時間、かぁ。」
「飲み会関連で、お酒で説明しますね」
「おう、酒は好きだよ」
「はいはい。酒って、高いところだと「時価」ってあると思うんです」
「あぁ、貴重だから、その日入った値段によって変わるやつね」
「例えば4/1に一気に買ったとしますよね。で、ボトルキープ」
「あり得る話だね」
「で、一週間後4/8に行って、キープしたボトルで飲むんですが、バーテンダーさんに値段を聞くわけですよ、「今日、もし買ってたらいくらになってた?」って」
「ふむふむ、聞いた、と」
「バーテンダーさんはこう答えたとします。「この間は一万円でしたが今日は8000円です」」
「それ、安くなりすぎじゃない?」
「まぁ、例ですので。同じことが投資信託にも言えるんです」
「うーんと、株(など)の盛り合わせが投資信託、で、株(など)は値段が変わるから」
「そうです、株式(など)の値動きに応じて一口当たりの投資信託の値段も変わるんです」
「それを分散、か。けどあれだね、安くなった時に買えばいいじゃない?」
「それ、予測できます?」
「むむむ」
「過去一年で、今が一番安いとして、これからは上がる、って言えます?」
「新聞とかみるよ」
「新聞は責任をとってくれませんよ」
「まぁねぇ。」
「毎月10000円などの定額を積み立てていくのが、多分ベストです」
「値動きを予想するの、楽しそうなんだけどな」
「私はそれが危ないと思うんです」
「?」
「なんとなくですけど、人間って程度の差はあれど勉強したがりなんです」
「あるかもね」
「で、自分が出した結論に自信を持っちゃう」
「それはわかる」
「株式の値動きに理由なんてない、という説があって私はそれを支持しています。大口が売れば下がるし、大口が買えば上がるからです」
「その大口の行動なんて、わからない、と?」
「はい、私がここでお勧めするのは資産形成のための投資なので、値動きを楽しみたいとか、銘柄選びを楽しみたい場合は別途お金を用意してやった方が良いと思いますよ」
「ま、初心者だし、そうするかね」
「イデコってのとツミタテニーサってのがあるって話だったけど?」
「はい、どちらも国の政策でできた、税金を安くできる積立商品です」
「投資信託を積み立て」
「違うのは?」
「税金の優遇度合いと、受け取る場合の税金の有無、あとは期間でしょうか」
「投資怖いから、途中で辞めちゃうかも」
「でしたら積み立てNISAの方が良いですね」
「なんで?」
「iDeCoは原則60歳まで引き出せないんです」
「あらま」
「税金なんですけど」
「いやだねぇ」
「運用益や、所得税、住民税なんてあります」
「税って聞くだけで頭がガンガンしてくるよ」
「気をしっかり持ってください」
「税金、かかるの?」
「かかるはずの税金がかからないんです」
「???」
「例えば、株で儲けたとします。売ります、そこには大体20%の税金がかかります」
「あらま」
「積立NISAの場合も、本来であれば利益に税金がかかるんです」
「あ-、それが」
「そうです、かからないんです。iDeCoの場合はもっと節税効果が大きくて、所得税やそれに伴う住民税まで軽減されます。」
「でも途中で辞めちゃうかも」
「ですよね、だったら積み立てNISAです」
「投資、こわいもん」
「お気持ちはわかりますよ」
「損すると嫌だなぁ」
「嫌ですけど、するときはしますよ」
「そう、だよね。やっぱ、投資やめておくか~」
「それも一つの決断ですよ。でもこの話を聞いてからでも遅くないです」
「何の話かね?」
「「複利」の話です」
「ほう、初めて聞くね」
「利息が付いて、その利息に対してさらに利息が付くというお話です」
「?」
「例えば、10000円を元手、ちょっと高いですが年の利息を5%とします。」
「ふむ」
「これが15年後いくらになると思います?損失はないものとして」
「え?5%で15年でしょ、17500円じゃないんだよね?」
「それは「単利」です」
「うーん、じゃぁ、切りよく18000円!」
「なんと20789円です。2倍を超えます」
「!?、最初に10000円を置いておくだけで?」
「そっす、さらに、毎月初日に10000円、年で120000円を積み立てるとします。利息が付くのは年の最後」
「え~っと、1/1、2/1、、という具合に10000円ずつ積み立てて、最後12/31に120000に対する利息が付く、と」
「そっす、その条件で年率5%で15年間運用するとですね」
「うーんと、12万円が15年で180万円で、、、」
「2718891円になります」
「・・・へ?」
「二百七十一万、八千八百九十一円に、なるんです」
「90万円違うじゃない、間違ってない?」
「複利の効果です」
「信じられないなぁ」
「金額がいきなり大きくなりましたからねぇ。年10000円、年利5%で運用すると」
「ふむふむ、15万か、」
「226567円になります」
「ほー」
「いかがです?」
「えっと、投資をしないというのは、これを得る機会を逃す、という事だよね」
「そうです、そういう事です。パチンコやたばこに使っているお金をこちらに回せばその分多くお金がたまります。」
「ちょっと、家計簿付け直して、いくら積み立てられるか見直してみる」
「そっすね、お勧めします」
「む、ちょっとまった」
「はいはい」
「最初に俺の貯金を全額投資したら、複利の効果でもっとすごいことになるんじゃないの?」
「うーん、まぁ、最初が15万円で年利5%とすると311839円ですね」
「ほーら、当たった!さっきと9万円も違うじゃない」
「でもそれは、期間の分散を忘れてるんです」
「ん?」
「例えば、リーマンショックのような不景気が訪れたとします。その時、毎月一定額の積み立てをしていると、投資信託が安くなっているはずなので、今まで100口しか買えなかったものが120口買えるかもしれないんです」
「あ、そうか、期間の分散、そうだった」
「景気が持ち直してくると、その120口が大きな意味を持ちます」
「利息をくれるからね」
「そうです。不景気は嫌な事ではありますが、余力がある人にとっては買い場なんです」
「そっか、じゃぁ、やれることとすれば、毎月積み立てられるお金を増やすとか」
「そっすね、まずは家計簿をチェックです」
?