イノベーションに必要な要件の一つを話します。
それは、適度なストレス・不足です。
なので、組織には、強者だけではなくカナリアが必要だ、という話をします。
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カナリア、みなさんご存じだと思います。
かわいい鳥です。
炭鉱での毒ガス検知としてよく使われました。
引用します。
いわゆる炭鉱のカナリアは、炭鉱においてしばしば発生するメタンや一酸化炭素といった窒息ガスや毒ガス早期発見のための警報として使用された。本種はつねにさえずっているので、異常発生に先駆けまずは鳴き声が止む。つまり危険の察知を目と耳で確認できる所が重宝され、毒ガス検知に用いられた。
炭鉱では毒ガスが発生する。
中にいる作業者は、中毒にならないよう危険の兆候が見られたら脱出する。
そのため、自分たちよりもガスに弱いカナリアをそのシグナルとして利用した。
そんな感じのようです。
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話を変えます。
ある本(失念)で、イギリスでなぜ産業革命が起こったのか?という話がありました。
それは、生活がやや苦しかったからである、と。
私はそれに納得しました。
確かに、朝起きて散歩して、その辺に生っている木の実を食べて、その辺に生えている野菜を食べて、その辺にいる動物を食って、楽しい生活を謳歌している。
産業革命を起こす必要がありません。
様々な外圧により、必然として産業革命は生まれたというのですね。
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イノベーションは、強者の集団からは起こらないのではないかと思うのです。
なぜなら、困難があっても解決できてしまうから。
解決までは到達できなくとも、それなりに「問題でなくしまう」事くらいまではできてしまうから、です。
それができるからこそ、強者なのですがそこは話がサイクリックになるので追求しないでください。
ということは、逆に言えば、問題を多く抱えている人はイノベーションを起こす必要があり、だからこそイノベーションを起こす立役者になれると思うのですね。
他より弱いからこそ、問題を問題としてとらえ、なんとかせざるを得ない状況に追い込まれる。
カナリアは生物として、人間に比べてガスに弱いのです。だから、ガスに気づくのです。
残念ながらカナリアはかごに入れられているでしょうから、危ないところから避難することは難しそうです。
しかし、弱者は問題から逃げることもできますが、立ち向かうことも、また、できるように思います。
であれば、他の人が問題として認識できないようなものを問題として認識するカナリアを組織に入れておくというのは、イノベーションを期待するという観点で考えるとそれなりに理にかなっているように思います。
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イノベーションを起こそう。
そんな声は、少なくとも私が大学生のころから聞き続けています。
私の理解では、イノベーションと呼べるモノが発生するには、時の運が不可欠です。
イノベーションの成功は、確率論なのですね。
現在の地球で繁栄している種族であっても、それはたまたま現在の気候などの外部環境に適した性質を持ち合わせているだけで、生育分布や気候の変化一つでその座を他の種にあっという間に奪われてしまうはずです。
だから、一見無駄であるように思えても、不確実性が高い場合は多様性が重視されて過ぎることはないように思います。
これらにより、「よくわからないときは色々やってみるしかない」という私の考えを形作っています。
私が考え付くことなので、他の多くの方もお気づきのはずです。
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ぱっと思いつくことであれば、働き方改革です。
子育て中とご夫婦や、引退したお年寄りが働く会社では、様々な不都合が発生するでしょう。人手不足が叫ばれている昨今、会社にとって都合のいい労働力があふれているわけではないのです。
しかし、そのような方を雇わざるを得ない会社は幸いです。
その組織は今までは気づかなかった多様性を身に染みて理解できるからです。
先述の通り、イノベーションの発生に一つ近づいているからです。
業務を細分化し、それを遂行する方法を考えていきましょう。
技術の面で解決することがあるかもしれませんし、純粋に業務フローの工夫で解決できることがあるかもしれません。
必要は発明の母とはよく言ったものだと、改めて感心する次第です。
なお、それまでは労働力にならなかった人材を労働力に転嫁できる仕組みが整った際、最も多くの分け前を得るのは、その仕組みづくりに尽力した人のはずです。
ではでは。
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