かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか、を読んだ話


ton96o.hatenablog.com

先日の記事で、アフィリエイトで本を買ったことを記事にしました。

従業員を大事にするダイタイングループの会長による著書として、前々から興味があったのですね。

本書は、成功した企業が「こうやったよ」という、ヤマト運輸経営学 

に似たものを感じます。

一つ一つ、著者ご自身の体験と問題意識、それに対する工夫がちりばめられています。

コンサルタントの企業分析本があふれている昨今では、かえって新鮮に映るかもしれません。

一方で、生存者バイアスにかからないような注意は必要です。

生き残っているのは、環境に合わせた必然か、それともたまたまなのか、その峻別は非常に難しいように思うのですね。

 

本書では経営学用語は出てきません。

例えば表題になっている「社員へ金銭的に報いる」という話も「労働分配率を高めることによる、従業員の忠誠心向上を狙ったのですね?」なんて言えるかもしれません。

労働分配率(ろうどうぶんぱいりつ)とは - コトバンク

ですが、私が見る限り、どうもそうではなさそうで。

 

似たような部分は散見されます。

富士そばは「実は不動産業である」なんて話はマクドナルドの話とまるかぶりですし、「うまいことやってくれ」というのはエンパワーメントによるモチベーションの向上だと切って捨てる人もいるでしょう。 名人久太郎もかくやと思わんばかりの適材適所の話も出てきます

ですが、やっぱり、私が見る限り、どうもそれだけではなさそうで。

 

本書からは、著者の丹道夫さんの人間臭さがあふれています。

場合によっては「俺はこんなに苦労した、だから成功した」という流れの端緒になりがちな若いころの苦労話も、富士そばを経営するにあたってのバックボーンとして理解できます。

もっと言えば、それらが著者の経営哲学を作ったように思うのですね。

 

もしかすると、経営学をお勉強するにあたっては少々遠回りな本なのかもしれません。

私は「富士そば」という立ち食いソバのファンですし、外国人観光客が増加している昨今、そのガイドブックに登場している「富士そば」にビジネスとしても注目しています。

だから、いい本だったと思うのかもしれません。

そのため、万人に「読んだ方がいいですよ」とまでは言えません。

かっこいいビジネスモデルと、マネジメント手法を勉強した方がいい人もいるでしょうから。

 

もし、ケーススタディから、ロジックや知識の吸収に飽きたな、と思う方がいれば、とりあえず「お気に入り」に入れておいてください。もしかすると近所の図書館や古本屋で出会うかもしれません。

 

こだわりが重要なんだな、そして著者は抽象化された経営方法を持っているからこそ、他の方と似ている部分が出てくるのだな、と私は感じました。

 

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先日の記事では「就職」四季報を購入したとも書きました。

イマイチ意図が伝わってないといけないので、ここで改めて書いておきます。

富士そばでは従業員を大事にします。そういう会社は良い感じに存続していきます。

消費者としても、従業員がなんとなく楽しそうに働いている会社を利用したいと思うのですね。

視点を変えましょう。

環境汚染をしている会社と、環境にいい製品を作っている会社、懐事情にそれなりにインパクトがないとすればどちらから製品を買いたいでしょうか?

発展途上国からピンハネする会社と、フェアトレードを標榜する会社、 懐事情にそれなりにインパクトがないとすればどちらから製品を買いたいでしょうか?

 

多くの方が後者だと思うのです。

それは、時代によって変化する「こういう会社って良いよね」というトレンドに乗っている会社だといえると思うのです。

そのトレンドの一つが「従業員を大事にする会社」です。

(ESGなんていう単語を出すと、ピンとくる方も多いと思います。

環境・社会・ガバナンスに注力している会社であり、社会の一員として優良な会社ですね。どこかの不誠実なSL事業者とは大違いです。

ただ、このトレンドは時世によって変わります。例えば産業革命直後では、労働者を馬車馬のように働かせ、利益を搾取する企業が良しとされたのです。

なので、今後も「多くの人がどんな企業を良しとするか」というトレンドは追っていく必要があります。自分が良いと思った企業ではなく、世間が良いと思う会社の株が買われて株価が上がり、経営スタイルはそれに準ずる傾向があるからです。)

 

「就職」四季報は新卒大学生がターゲットです。就職活動の指針にするのですね。

当然、内容は従業員(新卒予定就職活動性)目線でいい会社(給与が高いとか、有給消化率が高いとか)かどうかになります。

長期で見れば、そのような会社は利益の増大という形で顕在化します。

離職率が低く知恵が会社に貯まるからです。

新卒の人気が高ければ、企業は、多くの優秀な人間や自社に合う人間を選ぶ立場になることができ、人材において有利な布陣を敷くことができるからです。

マスコミに取り上げられるかもしれません。

しかし、投資をするという観点からすると、一歩先んじてよさそうなところをチェックするには、利益が出る前段階のトレンドに乗った企業を探したいなと思ったのです。

 

今回は総合版と優良中堅企業版、と、二つ買いました。

どういう内容でしょうね、ドキドキ。

 

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話がずれました。

 

富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか?

なぜなのでしょうね?

それは本書を読んで、考えてみてください。

本書に書いたことがすべてだとは、私は思っていません。

 

また、エンパワーメントの本質もしっくりきました。

権限移譲という言葉が、最近の企業では「仕事を丸投げすればモチベーションが上がるだろ」程度の短絡的な使い方をされているようで、忸怩たる思いをしていたのです。

 

ではでは。

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