かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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仁から考える言語の今後

仁はドラマにもなった漫画です。

先日koboの無料マンガでみつけたので、久しぶりに読んでみました。

現代に暮らす医者が、ものの弾みでタイムスリップをし、江戸時代、幕末時代で暮らすことになるという話です。

物語の中で、主人公が花魁と会話をすることがありまして。

花魁はやっぱり「あちき」とか、語尾に「ありんす」なんてつけるわけです。

聞きかじった知識で言うと、これって花魁の品格を高めるための言葉だったようです。

花魁になるのは、ぶっちゃけた話、親に売られた女の子が多かったわけで農村からの女性が多かった、と。そうなると普通に話すとどうしても野暮ったくなるっぽいのですね。こういうと反感を持たれるかもしれませんが、吉原で遊ぶ場合は上質な女性とのひと時を買っているわけで、方言の温かみよりも都会的な雰囲気を顧客は求めているわけです。

だから、方言が出ないように、そして吉原の花魁ということで廓言葉ができたのだそうです。

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そういうことって、現代でも起きないかな?というのが今回の主題です。
そういう事というのは、社会的な背景から言語に変革が生まれる、ということです。

具体的には、英語の簡易化日本人が話す言語の英語化です。

後者は英語と日本語は大きく違うということは、実感としてもモノの話としてもよく聞く話題でして、日本語自体が英語化すると考えるのはあまり現実的ではなさそうです。

だから、英語を日常会話程度には、または、ネットで情報収集できる程度には使えるような人口比率が高まってくるのだろうな、程度は言えるかと思います(し、その程度しか言えなさそうです)。

日本人が話す言語の英語化は、日本人の話す日本語が英語に近くなることではなく、日本人が日本語とは別に英語を活用する割合が増える、ということで実現されそうです。

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一方で前者、英語の簡易化については思うところがありまして。

 

高校時代、長文読解でこういう表現があったのですね

「his/her」

 

その長文の内容自体はジェンダーに関連したものではなかったと記憶しています。

しかし、この表現は非常に気にいるとともに、難しいものだなぁと考えさせられました。

 

「his/her」

この表現が、男女同権的な思いやりからくる言葉であろうことは想像に難くありません。一方で、「his/her」なのですね。「her/his」ではないのです。

二つを並べる以上、順序が発生する。これはジレンマです。

最初に来る方がなんだか偉いっぽいじゃないですか?

では、「her/his」の方が良いのかというとそうとも言い切れません。現在、扱いとして、女性の方が有利に扱われることは多々あります。(レディースデーなどです)男女同権を掲げる人は、筋でいえばレディースデーなどの女性優遇措置に対しても抗議すべきですが、そこは分かれるようです。

そうなると、男女同権を叫ぶ人は、本当に同権を望む人と、男尊女卑ならぬ女尊男卑を望んでいるように見受けられる人に分かれるように思います。(過激すぎな言い方ですか?)

 

並列にならないものか?

 

船や山を「she」とすることは高校英語で習いますね。

私はこれを「日本でも「船・海の神様は女性だから航海に行くのは男だけで行け、女性を船員に含めると船・海の神様が嫉妬するぞ」という話がある。これは密室的な空間で男女が一緒にいれば「いさかい」が起こりやすいと想像される。だから、経験則として男性だけで集団を整える必要があり、その理由付けとして船や海の神様は女性になったのだろう」と考えていました。

詳しそうなブログを調べると、どうやらそうではないらしく

#852. 船や国名を受ける代名詞 ''she'' (1)

そもそも古英語で「船」 (scip) は中性名詞であり,女性名詞ではなかった.OED によると(以下に引用),船を受ける代名詞としての she の初例は1375年である.14--15世紀の数例については文法性をもつフランス語からの翻訳として解釈し得るものもあるが,慣習的な擬人法 (personification) と見るべきだろう.

(太字は私による装飾)

これは、自分に愛着のあるもの、自転車だったりパソコンだったり?自動車だったり。そういうものに名前を付ける事ってありますね?それが「花子」だったり「ヨシエ」だったりというイメージだったのでしょう。ただのモノとして以上に人格を彷彿とさせるニュアンスを出した。だから「it」でなく人格としての「she」で受けた、ということだと考えます。

 

フランス語あたりだと男性名詞・女性名詞とありますし、そのような解釈の記事もあったのですが、私自身専門家でもありません。本来どうだったのか自体は、いろいろな意見があるのだなぁ程度にとどめたいと思います。

 

で、ですね。重要なのは、先述の、「フランス語あたりだと男性名詞・女性名詞がある」という点なのです。

分かれていますので、名詞につく冠詞などは変わります。

フランス語の冠詞(un, une, la, le, les, des, du, de等) - ビヨンド・ビジネス・ニッポン

うーん、ややこしい。

 

ややこしいで済めばいいのですが、トランスジェンダーなどの話が普通に世間で話題になる昨今、男性名詞・女性名詞というのは時代遅れ・時代錯誤という意見をもってもさほど違和感はありません。

そうなると、英語で男性名詞女性名詞と分けていないのは非常に合理的だよね、と思うのです。

 

加えて、言語は広まるにつれて簡易化するのだそうです。

どこかの言語学者が言っていた話ですので、信ぴょう性は高そうです。

そうなると、「he」と「she」を分けることがどこまで言語として重要なのか?と。

将来的に無性代名詞が出てくるのかもしれません。

(「(s)he」という表現も「a person」もイマイチだと思います)

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「“It(それ)”と呼ばれた子」という小説がありまして。

ここで人間を「it」と呼んだのは、人格を否定しモノとして扱った結果です。

 

そうでなく、将来的には、人格を持った無性別の代名詞が出てくるんじゃないかなぁ?と考えるのです。

 

ではでは。 

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