かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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インパクト投資における測定

最近のインパクト投資では、その動機・目標と投資によって得られた効果の測定が大事なのだそうです。ほう。
これはむしろ「今まで雰囲気でやっていた」という事の告白以外になり得ず、「今までのインパクト投資は「インパクト投資ウォッシュ」でした」と言っているようなものだと断じるのは言い過ぎでしょうか。
ある程度基準ができ、ある程度理想に近づいたものだと思いたいものです。

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さて、では、ここで私には「普通の投資とインパクト投資はどう違うのかねぇ?」という純粋な疑問が浮かぶのです。
というのも、学部生時代のシラバスで取りはしなかったのですが興味深い授業がありまして、その内容を今だに覚えているのです。
「企業は営業活動を継続しているだけで価値がある。財やサービスを創出し消費者に届ける!雇用を創出する!法人税を払う!」というものです。(8割間違っていないハズ)
だから、何らかの企業の株式を買えば、インパクトの大きさや規模は違えどインパクト投資になっているのではないかなぁ?と。普通の投資とインパクト投資に色分けはそこまで必要なのかねぇ?と。
むしろ、世界中に大きな影響を及ぼす会社に投資をする事は、今、一般にインパクト投資の典型例と思われる「発展途上国へのリープフロッグ的な何か」よりも社会的インパクトが大きいのではないかと思うのです。

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発展途上国で埋もれるIQの高い子供が、家業しか選択肢がなく才能を伸ばす機会も、測られる機会すらないという状況は確かに憂うべき問題だと考えます。
一方で、このような問題を解決する典型的なインパクト投資は、長期にわたって測定しないとその効果判断を行えはずだと思うのですね。

投資において「短期よりも長期の方が予想しやすい」という方はいますが、それは「トレンド」の話だと私は理解しています。米国であれば「インフレと雇用の数字が想定に近づいていればそのうち利下げが始まるだろう」という程度の話です。
「じゃぁ、いつ?」という単純かつ核心的な事は誰も答えてくれません。当然ですね。分かりませんから。

上記の典型的なインパクト投資に対する効果測定も同様だと私は考えています。
・厳密な測定はそもそも難しく、長期にわたっての測定になると当該投資の効果判断が難しい
・他のインパクト投資との相乗効果が発揮されるとなるとさらに効果測定は難しい
・ゆえに短期でかつ測定可能(しやすい)なものを測定指標とせざるを得ず、形式主義(測定のための測定)に陥りやすいという疑念が残る

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だから
・むしろ通常の投資における測定の方が簡単だし、そちらの測定がされていない方が問題なのでは?(例えば人材投資におけるKPIを達成できたのか?KPIの設定自体適切なのか?)(伊藤レポート2.0的な話)
・であれば、企業内での投資も情報開示すべきだし、普通のアクティブ投資信託などにおける企業への働きかけなどの効果測定なども開示すべきでは?
・本当に効率的な資金投下すべきはどこなのか、定量的にそして資金を投じるものの価値観を改めて考えるべきではないか?(乗数効果と、マザーテレサ逸話「日本人はインドのことよりも、日本のなかで貧しい人々への配慮を優先して考えるべきです。愛はまず手近なところから始まります。」的な話)

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お金を回す、滞留させないでリスクを取って回す。それだけで良い事なのだと思いますし、インパクト投資やESG投資という言葉に特別な価値を与えることが歪みにつながると思うのです。

むしろ、通常の投資においての透明性を高めるための施策を行ったほうが良いと思われます。

 

ではでは

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