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そもそもの仮想通貨 2018/01/30

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Twitterで「そもそも仮想通貨は何に価値を見出しているのか?」というツイートがありました。

私宛のものではありませんが、私自身うまく整理できていないなぁ、と感じたので、今時点での私の考えを書いておきます。

書き進めるのに検索はしません。後に検索をして勘違いを確認したいと思います。

 

仮想通貨は何に価値を見出しているのか?という問いは二つの疑問を内包しているように思えます。

1)仮想通貨の存在意義は?

2)仮想通貨を法定通貨を出して購入している(正確には交換)根拠となる価値は?

 

1)は既存の法定通貨に対するアンチテーゼ。

2)は仮想通貨が何を基に信頼されているかということになると思います。私の考えでは、今は技術です。

 

まず、1)について考えます。

通貨は、物々交換の媒介として発展しました。

例えば、肉と米を交換するの場合、必要な相手を見つけなければなりません。見つけられる間に、交換物は腐ってしまうかもしれません。そこで貨幣が価値の貯蔵手段として発展しました。価値の貯蔵手段として、鉱物、金や銀が用いられることになります。

金や銀そのものではなく、紙やより安価で耐久性に優れた金属が使用されるようになります。当初は金に変えられることで信頼を得ていましたが、その制約を解き放たれ今に至ります。

法定通貨は国への債権です。投資の世界で企業の債券市場があります。

法定通貨は国が管理しています。供給量も然りです。そのため法定通貨しかもっていない場合、その国のインフレやデフレの影響を受けます。国が破綻すれば法定通貨の価値が下がります。

その、国への依存から脱却するために仮想通貨は作られました。

BTCの最大供給枚数は今のところ最大2100万枚であることは広く知られています。

これはBTCの設計者がそのように設計したからであり、BTCの価値(BTC1枚で大根一本の価値なのか、ポルシェ一台の価値なのか)は、潜在的な利用者と現在の利用者により市場原理で決定します。

仮想通貨はP2Pであり、個人から個人へ、国境を越えた利用が可能です。

東南アジアなどでは経済成長が著しく高いインフレ率を誇っています。銀行預金はあまり意味を持ちません。利息よりもインフレ率が高ければ、安全性以外で預貯金をする意味がないのです。しかし一方で利便性からスマホは普及しています。ここで、銀行口座を持っていないがスマホはあるという、私たち日本人からすれば奇妙な現象が生じます。

そのような個人とお金のやり取りをする際、国際送金などは難しいです。口座がない、中抜きをされる。一方で、仮想通貨であれば送金に関するコストは(理想的には)低いです。

また、供給者は全世界標準での価値(値付け)を得られます。

例えばWEB漫画の投げ銭をするとしましょう。日本人間でのコミュニティでは、すごく上手なWEB漫画に「1円も失礼だし、うーん、50円とか100円くらい投げ銭するか」という感覚だと思います。この50円~100円というのが発展途上国では全く違った意味の価格であり、WEB漫画を描いて投げ銭がこの値段でもらえるのであればWEB漫画を描こう!と、すそ野を広げ未来の天才を発掘する効果があると考えています。

(Steemの思想、好きです。)

利用者群がローカルで、国に統制された法定通貨に対するアンチテーゼとして、全世界に利用者を広げられる仮想通貨が出現したと考えます。

法定通貨の意義がなくなったとは思いません。

利用者の選択肢が増えたと考えています。

 

 

次に2)について考えます。

現状の法定通貨は紙幣や硬貨であり、加工技術や偽造防止技術の結晶でもありますがそれ自体を信頼しているのではありません。債権元の「国」を信頼しています。

そのため国への信頼が揺らげば法定通貨の価値は揺らぎます。

それが仮想通貨では何になるのか。

もっと通貨としての利用が広まれば「利用者たるコミュニティ」と「技術」になると考えます。

今は実際に通貨として利用されている事例が相当少なく、対応してくださっているお店、例えば小売店が、仮想通貨で決済した売り上げを仕入れで使えるか(仕入れ先が仮想通貨での支払いを認めてくれるか)というと、そうではありません。対応してくださっている小売店は仮想通貨をJPYに換え、JPYで仕入れをするのです。

これがすべて仮想通貨で一気通貫できる状況になった時、仮想通貨の信頼すべき価値に「コミュニティ」が入ってくると思います。

では、今、重要な「技術」について。

あるブログで仮想通貨は利用者の信頼に価値があると書いていました。文脈から判断するにブロックチェーンの堅牢性を指しているようでした。

そこを否定しませんが、私は

電力を送受する技術、PC(演算装置)という技術、インターネットという技術、ブロックチェーンという技術、そこから生まれスマートコントラクトなどの個性を付加する仮想通貨の技術、dAPPsを作成するための土台としての技術、利用時のスマホという技術、そしてそれらを継続的に利用可能にする技術とコスト、利用者のITリテラシー

等が総合的に組み合わさって成立していると思います。

利用者の信頼があるといえますが、それは技術への信頼だと理解しています。

マイニングのコストが信頼の根拠という考えは、やはりしっくりきませんでした。