かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

?

ESGを数値化することについて(009)~暫定的な完成形イメージ~

あれこれ散文的で各論を8記事に渡って書いてきましたが、今回は暫定的な完成形の話を書きたいと思います。

----------------(‘ω’ っ )

三者的立場からの客観的調査に基づく透明性の高いプロセスでの調査結果の提供、というのがESGスコアにおける現在の完成イメージです。

会計監査やISO等と同じイメージであり、数値化のプロセスも透明性を提供できればより良いと考えます。だから、ESGスコアを測定をしている状況自体に対しても別の第三者が客観性を持った事実を証明する必要があるとは感じています。しかし、それは入れ子構造(自分たちの行動に監査が必要なら、その監査に対しても監査が必要)なので、万全を期することはできても必ずしも完璧を達成できません。ESGスコアの測定が企業の監査と似たようなものであるなら、その監査をしている以上、その後者の監査にも監査を入れるのが理想であり、それはマトリョーシカのように続くからです。だから経済的バランスを取るため、提供する側も利用する側も一定のところで割り切るほかありません。確率的に利用できるか否かを利用者が決め、値付けはそのサービスを維持できる価格になると思われます。

それか「理屈の上では一回の監査でカタがつく」状態を作るか、です。

 

監査という言葉が出てきました。監査(会計監査)の内容を確認します。
会計監査は、上場企業が自身の財務諸表などの客観性を監査人に証明してもらう事です。監査人にとって、上場企業は疑惑の目で見る対象である一方で料金を払ってくれる「お客様」でもあります。

私自身はこの点を問題だと認識していますので、ESGスコアにおいては金の流れは別にすべきだと考えます。具体的には、調査対象の企業からは料金を受け取らず利用者から受け取ることになるかなぁ?と。

プライバシーマークなどのように、企業の方から「調査をしてくれ」という話になればよいのですが、それだと対象企業から対価を頂くことになり利用者の不信感を募らせかねません。また、この場合、必ずしも利用者が欲しい企業の情報が手に入るわけではなく、ニーズに沿ったサービスを提供できるとは限りません。体のいい企業の宣伝活動に手を貸すことになると思うのです。

----------------(‘ω’ っ )

だから、帝国データバンクのような有料の信用調査のようなイメージをしていただければ、私のイメージと大きく乖離はしないと思われます。調査を受ける企業の側としても、調査結果が良好であれば宣伝になる、と判断されれば調査を受け入れてもらえるでしょう。

----------------(‘ω’ っ )

あとは、測定プロセスや調査観点の変更の手続きを定め公開すれば一通りの形は整うのかな?と考えます。時代に応じてESGの構成要素が変化するのは当然で、どういう観点が必要かを決めるのは利用者であるべきだと考えます。その変更プロセスをあらかじめ公開しておくことは、サービス提供者が利用者のニーズをくみ取るうえでも、透明性を確保するうえでも必要なことだと考えます。

 

一つ問題点を上げるとすれば、この「変更の手続き」に関しても入れ子構造が生じうることです。つまり、「変更の手続き」を定め、その「変更の手続き」を変更するための変更の手続きを定めるのであれば、それが延々と続くはず、という事です。

こちらも先述の監査と同じく、一回定めた変更の手続きに対して、それは揺るがないとできれば理想、になります。

----------------(‘ω’ っ )

以上、

・ESGスコアは優良の信用調査のような形態になる

・必要なのは、利用者に買ってもらう事はもちろん、企業に調査を受け入れてもらえるアピール力

・根底として必要なのは、調査プロセスや数値化の透明化、それらは外部環境に応じた変更を前提にしている以上、変更プロセスもあらかじめ開示

という話でした。

 

ではでは。

?