stableCoinのお話です。直感的に違和感があるので少し考えます。
— ton (@ton960) March 23, 2018
JPモルガン・チェース会長やノーベル賞受賞者等参加のSaga:2018年新通貨発行か https://t.co/6eFsODL8MF @coin_postさんから
記事によると「その目的は激しいデフレーションやインフレーションを防ぐことなのです。」だそうです。
インフレやデフレは、貨幣側からいえば、貨幣の購買力の変化です。
SGAは準備金を用意したstableCoinでありスマコンの書き換えによって供給量を変えるそうです。(え!?)
デフレーションやインフレーションが防がれ、本当に安定するのでしょうか?
stableCoinと仮想通貨の関係から、安定性について考えました。
まずは話を簡単にするため
・stableCoinが完全に法定通貨にペッグすることで、割と安定している
・コイン同士の交換で税金が発生しない(利確ではない)とする
という条件で考えます。
この条件により
・stableCoinが、仮想通貨の価格が下がったときの待避所となる
これは記事から「激しいボラティリティに対し安全港を求めている人を対象」としていることからも、今回の件では妥当と思われる。
・stableCoinと仮想通貨の交換が手数料のみで行われ、その流動性は高い。
上記を前提条件とします。
仮想通貨全体が好調な場合、stableCoinから他の仮想通貨へ交換されます。仮想通貨界隈への資金量そのものが増えるでしょう。stableCoinの価値が下がるので買い支えが必要になります。Twitterで引用した機能を採用するのであれば、stableCoin供給量を減らして1枚当たりの価値を上げる(burn)のも一つの施策です。
仮想通貨全体が低調な場合、他の仮想通貨からstableCoinへ交換されます。仮想通貨界隈への資金量そのものが減るでしょう。stableCoinの価値が上がるのでstableCoinから法定通貨への交換なり、stableCoinの財やサービスへの利用が進みます。Twitterで引用した機能を採用するのであれば、stableCoin供給量が増えます。
私がポイントだと思うのは、発行量によって、仮想通貨界隈の景気をコントロールできない、という事です。
経済学では、景気を良くしたいのであれば、公定歩合を下げたり公共時事業を増やしたり通貨量を増やしたりするように、逆の場合は逆施策を打つように、と教科書に書いてあります。
もちろんそんな単純な話ではありません、資金の流れがちょうどいい塩梅になるのが重要なので、慎重に行う職人芸になります。
しかし、ここでいうstableCoin供給量の増減はあくまで、その外側にある仮想通貨全体の景気に影響されると考えます。stableCoin供給量を操作したから、仮想通貨界隈の景気が上下するとは思えないのです。
仮想通貨全体の景気を、stableCoinがその供給量の増減で吸収したとしましょう。
その時に何が起きるか。
結局、現金への交換と意味合いが一緒になると思うのです。
SGAは準備金を用意して「参加者のSGAの売却を保証する」のですよね?
日本でいえばJPYに換えるのと何も違いが思いつかないのです。
先ほど指摘した通り、当該stableCoinはその供給量の増減で外界の景気をコントロール売ることはできません。
例えば仮想通貨界隈が不景気だから、SGAから他の仮想通貨への交換を促そうと供給量を増やしたとします。普通の仮想通貨ならば、それは自身の仮想通貨の枚数が増えるわけではないので価値の希薄化を意味します。ですのでSGAから他の仮想通貨への交換が増えるかもしれません。
しかし、SGAは「参加者のSGAの売却を保証する」ので価値が変わりません。
SGAの供給量増加は、SGA保有者の他の仮想通貨への交換に対するインセンティブになり得ないのです。
となると、
「その目的は激しいデフレーションやインフレーションを防ぐことなのです。」
この目的が達成できるかが疑問です。
冒頭で申し上げた通り、インフレやデフレは貨幣側からいうとその購買力の変化です。
それぞれの仮想通貨の価格安定に向かうロジックが全く分からないのです。
?