まず前提知識を書いておきます。
今回の記事はソーシャルレンディング(以下SL)という新しい金融商品に対する話です。
事業者は借り手と貸し手をつなぐ働きをします。
借り手は、主に、銀行から借りれない事情がある法人や、銀行からの借入金だけでは足りない法人。
貸し手は、主に、個人投資家です。
銀行から借りれない理由は様々です。
すぐに必要な事業資金だが銀行の審査が間に合わない。業種的に銀行から借りられない。営業実績が乏しい(営業開始すぐ等)から借りられないなど。
貸し手からすると、自分が詳しくないところにSL事業者が借り手を審査して、それなりのものに貸すことができる、ミドルリスクミドルリターンの投資商品となります。
一方で、現状の日本の法律体制ではSL事業者の一存で詐欺を行いやすく、問題とされてもいます。
これからSLを始めようという方は、よくよく調べるか、小額投資をするか、大規模な法改正などがあってから参加して十分だと思います。
さて、
タイトルのアメリカンファンディングさんは、そんなSL事業者の一つです。
アメリカの不動産に強みを持っています。
しかし、日本でSL事業者を行う認可を受けていません。
どのようにSLを行っているのかというと
こんな感じです。
マネオマーケットさんというところが認可を受けていまして、他の認可を受けていない事業者を監視するという形で成り立っています。
上の部分にマネオ、ガイア、、、、とありますね。
そのうちの一つが、アメリカンファンディングさんです。
この、マネオマーケットさんを土台とした、大きな法人団を「マネオファミリー」なんて呼ぶことがあります。
そのマネオファミリー、ここ最近は大きな事故を連発しているのですね。
2018年の春辺りまでは、日本のSL界のトップでした。
その後、グリーンインフラレンディングという会社が、悪いことをして、すべての投資商品が駄目になってしまいました。担保の設定などはしてありますが、半年以上たった今でもどうなるかよくわかりません。
正直、私はこの時点で、グリーンインフラレンディングさんに投資をしていなかったこともあり、「マネオさんはお気の毒。監視をちゃんとしていなかったのは悪いことだけれど、悪いのはグリーンインフラレンディングさん」程度の感想を持っていました。
この事件を受けて、マネオさんは監督官庁である金融庁から怒られました。
2018年夏、マネオさんはその反省として今後の改善策を世に出しました。
2018/08/14 お知らせ「業務改善命令に基づく改善対応策についてのお知らせ」|maneo(マネオ)|ソーシャルレンディング
これで一安心かと思いきや、事実はそうでなく。
ずさんな経営が露になる前奏にすぎなかったのですね。
2018年秋からガイアさん、キャッシュフローファイナンスさん、クラウドリースさんなど様々な事業者で大規模な事故が起きました。
マネオさんでも事故が起こっています。
特にガイアさんは、グリーンインフラレンディングさんと同じく「すべての案件が事故」という、なかなかパンチの効いた事故を起こしました。
私は、マネオさんを通じてガイアさんの案件に投資をしているので、影響を受けた一人です。
そちらは
から始まる一連の記事をご覧ください。
今回はアメリカンファンディングさんの話です。
これだけマネオファミリーで事故が相次いでいると、あそこは大丈夫か?ここは大丈夫か? と不安になるのは人情というもので。
特にアメリカンファンディングさんはガイアさんと同じく、アメリカ不動産への投資をしているので、私は非常に心配をしました。
これは利用者全体も同じようで、アメリカンファンディングさんの社長はブログを通じて利用者への説明をしようとしています。
アメリカンファンディングさんの言うことが正しいのであれば、マネオさんが行う説明会が、アメリカンファンディングさんの社長と利用者の唯一の接点なのだそうです。
しかし、私は、以前マネオさんに問い合わせをした際、「各事業者の説明はHPを見よ」という回答をされました。
なので、率直言うと「口だけだなぁ」と思うわけです。
アメリカ不動産の評価サイトとしてzillowやredfinというサイトがあります。
そちらについてもブログでは触れられているのですが、アメリカンファンディングさんがそれらをどのよう長所短所を持ち合わせたものとして、どのように使っているのかが抜けているように思えたのです。
なので質問をしました。
しかし回答としては、適当なものでした。
・もし、説明会で、説明会に参加した人間しか入手できない情報提供があれば、マネオファミリーが大好きな「投資家の公平性」に反する。
・一方で、説明会で、HPを見ておけば十分な説明しかなされないのであれば、説明会に参加する意味はない。
これは現状がどうであれ、不十分であることに他ならないものです。
私なりの解決策は「説明会でその時世に応じた説明を行い、その内容をHPなりブログで公開する。それにより説明会に参加できなかった利用者にも説明責任を果たす」というものです。
が、ついぞ、そのような具体的解決策の提示・約束はなされず「解決策を検討」するそうです。
100年でも10000年でも検討してるといいのではないでしょうか。
私は付き合いませんが。
アメリカンファンディングさんとしては、説明会の内容を「HPを見ておけば十分」とされるのは心外なのだそうです。「説明会の企業案内を知りたいのであればHPを見ろ」といったのはマネオさんなのだから、私に「心外だ」といってもしょうがないでしょう。
にもかかわらず、「アメリカンファンディングさんとマネオさんは連携が取れている」のだそうです。
私にはまったく理解できません。
連携が取れていれば、
・マネオさんはアメリカンファンディングさんの説明会での説明はHPの内容で十分だと判断し、私に「HPを見よ」と回答した
・アメリカンファンディングさんは説明会の内容を「HPを見ておけば十分」とされるのは心外
この両者の齟齬が出てくるはずがないと思うのですが。
私が何か間違っていますでしょうか?
zillowとredfinについてはもっとひどい回答です。
私としては「zillowの強みは○○、redfinの強みは××。なのでこういう場合はzillowを、別のこういう場合はredfinを使います」という内容を期待しました。
しかし回答は「担保評価として適切なものを使う」のだそうです。
当たり前ですよね。
何をどうとらえているから、どういう場合にzillowが、どういう場合にredfinが有効なのかという判断基準を聞きたいわけです。そうでなければ、アメリカンファンディングさんの担保価値算定が適切か否かが利用者の立場ではわかりません。
「zillowでついている値段だからこの担保価値です」
ほんとですかね?
これだと、アメリカンファンディングさんがその不動産の評価に対してzillowを使っていることが適切であることが前提になっています。
超、不安。
コックさんに「いろいろな包丁がありますがどのように使い分けていますか?」と聞いたら「適切なものを使っています」と答えられた気分です。
普通に不愉快ですし、まともに回答する気がないのだろうと感じます。
いかがです?このコックさんは誠実な回答をしたと思いますか?
「この包丁はこういう特徴、こちらはこう、あれはこんな特徴がある。だから、この食材にはこれ、こういう食材の場合は適さないのであちらを使う」
私の常識感覚からすると、こういう回答が普通なのです。
今後、アメリカンファンディングさんに電話もメールでの質問もすることはないと思います。
それはもちろん、任せて安心とか、ベストを尽くして頑張っていると思っているわけではありません。
逆です。
話にならないし、今後の改善も見込めないと判断したからです。
アメリカンファンディングさんで、ガイアさんと同じような大規模な事故が起こったとしても、私は驚きません。
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