RPAって流行ってますね。
引用されているqiitaの記事でも書きましたがRPAのメリットではなくシステム化のメリットです。メリットだけで維持メンテコストなどのデメリットを指摘しないのは片手落ちだと思います。
— ton (@ton960) 2020年2月26日
中小企業もRPAで出遅れるな!実際現場で起こっているメリット https://t.co/AW6dBeECS8 @YouTubeさんから
QIITAというブログサービスにも記事があるんです。
おそらくこちらを引用したと思われます。
削減時間だけではない!RPAを導入した企業で実際に起きていること - Qiita
1)品質向上
2)社員のストレス軽減
3)業務平準化
4)業務の見える化、棚卸
5)それまで手を付けられなかったことをに手を付けられる
6)社内に改善文化が定着する
と。
ともすれば、労働時間削減効果だけに注目が集まりがちなRPAを導入して、実感したメリットだそうです。
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冒頭のツイート通り、私はこの記事をあまり好意的に見ていません。
1)~6)はRPAを導入した場合の効果ではないからです。
別のSaaSシステムを取り入れて使いこなせるようになった時も同じようなことが起こるでしょうし、そもそもの業務の見直しを行うだけでもこのような効果が起こりえます。
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一般に、ITシステムを取り入れる際は
現状の業務を再確認して、ダブルチェックなど必要なものでなければ重複を無くし、繰り返し行われる単純作業をパソコンにやらせ、ボトルネック(一連の流れでそこの部分が通らないと全体が進まないという部分、例えば課長の決済)を見つけて、改良する
という流れを踏みます。
ITシステムになじみが無い方でも上記の説明をイメージできる方は、業務を見直すだけでも冒頭の1)~6)が実現できそうだ、ということがご理解いただけると思います。
例えば、部長と課長の決済が無いと動けない日常的な業務があったとします。
一方で部長も課長も忙しく飛び回っており、タイミングよく決済をもらうという業務が発生している状況です。
課長の判断で9割がた文句はない状況で部長の出張は飛び入りで入ることが多く、課長のスケジュールの方が読みやすい状況。
であれば、部長の決済はいらないのではないか?と、そのように業務を変えるんです。
部長が「俺の存在価値は・・・」といじけることも実際はあります。(ここまでわかりやすくなくても、まぁ、ありますよ。人間だもの)
そこは、それとして「部長には部長にしかできない面で集中して頑張っていただいて。些末なことは大きな心で課長を信じて任せるのも部長の器ですよ」とかなんとか。説得します。
そうすると、おそらく
タイミングを計るだとか、部長課長が同時にいるタイミングを計るという余計な業務が無くなるので
1)品質向上
2)社員のストレス軽減
は達成できると思います。
3)業務平準化
については、特にITシステム、この会社専用に作ったソフトだとか、ツールだとかで威力を発揮します。経理などミスが0である事が求められる業務に使うと、うっかりやさんの下支えをしてくれるので質が安定します。
最近ですと営業支援という分野のソフトもあります。そちらも営業の成果を平準化するソフトウェアと捉えてよいでしょう。
4)業務の見える化、棚卸
これをするから改善ができるわけで、改善するには業務を体で覚えるのではなく、言語化・フローチャート化できる程度には具体化しておかなくてはならないとご理解いただけると思います。
今回の場合ですと、課長と部長の決済があって→実際の業務に移ることができる、という流れですね。
5)それまで手を付けられなかったことをに手を付けられる
改善ですので、時間が捻出できるはずです。
残業が少なくなり、人件費の削減・社員の家族との時間の捻出。それは考えられます。
一方で、業務改善が行われたから5)が自動的になされると考えるのであれば、甘いです。日ごろから、時間があればこういうことに手を付けたいなというものがあるからこそこれは達成できるものです。
普段のマインドセットが重要です。
6)社内に改善文化が定着する
会社によります。
改善で、もっともっととなる会社もありますし、落ち着いてしまって「ふぅやれやれ」と緊張感がなくなる会社もあります。それが社風です。
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というわけで、冒頭で引用した動画を見て
「RPAはすごいなぁ」
と思うのは、間違いではなくとも正しくはないように感じます。
受け取っている情報が、部分的過ぎると思うのです。
私が新しい技術や概念に当たった際に気を付けることがあります。
それは、まずは「何ができるのか」と「何ができないのか」を峻別することです。
そしてさらには、できない中で「仕組みとして絶対にありえない事」と「時期が来ればできるようになること」を分けます。
多分、できる事とできないことを分けるのは多くの人がやっています。
「時期が来ればできるようになること」を追い続けるのはコストがかかるのでやる人が少ないのです。もし、時期が来て「できなかったこと」が「できるようになった」際に、いち早くそれを取り入れれば、会心の一撃になる可能性があるのですね。
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だから
新しい概念が出てきたら、いい面も悪い面も見よう。
できないことは、「今は」できない事なのか、将来的にもできそうにない事なのかを峻別しよう。
という話でした。
ではでは
?