先日、ESGの数値化における今後のロードマップとしては、Eにどのような構成要素があるか、Sは?Gは?と羅列していき測定方法を探る、という話をしました。
個別論点はまた別途、という事にしたのですが、看過できない論点だと思われるのでここで記事にしておきたいと思います。
IR・PRなど、実態を世間に知らしめる活動が数値化されたESGに与える影響について、です。
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前回はESGのを測定する上での理念というか、考え方について書きました。
ここで、マーケティングの手段として利用されているけれど、それって分けたほうがいいよね?でも、実際の利用者はそれを加味したうえでのESGの数値化を求めているんじゃないか?という仮説を立てています。そして、おそらくそうなるだろうとも。
今回の、PR・IRの影響は、マーケティングの手段としてのESGと似て非なるものです。
違いは、ESG活動それ自体をマーケティングの手段としているのか、それともESG活動をPR・IR活動によってより良く見せているのか、という点になります。
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現実問題、私たち個々人は、能力的にすべての企業のESG活動を精査して本来的な価値を認識することは困難です。数が多く精査するだけの知見がないからです。(だからこそESGを数値化し一覧にすることができれば相応の意味があると思われます)
企業が何かやっても、積極的にそれを知ろうとしてくれる人は少ないのです。
そこでIR・PRが意義を持ちます。「こういう事をやっている」と伝えることがその役目です。
しかし、正確に伝えるという事は難しく、さらには他者とのイメージの競争になりますので、10のものを12にも15にも伝えるようになると歯止めがきかなくなるという性質を持ちます。相手とのチキンレースになると泥沼です。相手が10のものを30と宣伝するならウチは50と宣伝する。すると相手は負けじと70と宣伝する。
誰も得をしない終わり方をすると思うので、自主規制なり法律なりが存在しているのだと思います。しかし、それらが存在するという事実こそが、IR・PRのエスカレートしやすい性質を表していると思われます。
一方で、日本人的な謙遜の気質に合う「10のものを5として紹介する」というのも問題があります。営利企業はやった分だけの元を取らねばなりません。「10のものを10として」社外に紹介するのがあるべきIR・PRではないでしょうか?
また、「これは素晴らしい社外とのコミュニケーションだ」と思える事例もあります。
上記動画は私のものでなく他人様のものですが動画の方がわかりやすいと思い引用させていただきます。
本来のプレスリリースはこちらです。
いかがでしょう?素晴らしいPR・IR活動ではありませんでしょうか?
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この記事で問題にしたいのは、ESG活動においてのPR・IR活動の影響をどのように数値に反映するのか?という測定の話になります。
「伝わっていないのはPR・IR活動の怠慢だ」というご意見もあるでしょう?上記のブルボン様の対応は私は素晴らしいと感じるのですが、本当にPR・IR活動が行き届いていれば、学生が署名活動をすることすらなかった、と。
それはきっと、割に合わなかったのだと思うのです。
こちらで書いた、企業価値との兼ね合いですね。いくらESG活動を世間に認知されたほうがいいとはいえ、世間一般に認知してもらうまで広告を打つのにいくらかかるのか?と。それに元は取れるのか?と。ESG活動を行って業績が悪化しました、というのは営利企業として失格でしょう。
というわけで、ESG活動においてのPR・IR活動の影響にはいくつか論点がありそうです。
・分けて測定するか否か、できるか否か
・企業業績との兼ね合い(ESG活動におけるPR・IR活動が費用対効果を意識しているのか)をどのように捉えるか?
・本記事において、ブルボンさんを例に出したがおそらく長年ESG活動を行っている企業は多々あるはずで、ちょっとしたきっかけで多くに認知された場合、それをESGの数値化という観点からどう捉えるか?(YAHOOニュースに取り上げられたのは運ではあるが、同社のイメージアップに貢献したのは間違いなく、これを測定対象としていいのか?すべきか?)
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今回は論点を出すだけになってしまい中途半端です。
PR・IR活動という観点だけでもそれなりに考慮すべきことはあるという事で。
ではでは。
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