かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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適切な言葉

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リスクについての記事

ton96o.hatenablog.com

 を書いていて思ったことです。

 

皆さんが使っている言葉は、果たして相手にとって同じ意味なのでしょうか?

ボラティリティという意味でリスクを使っていると、リスクを「生じうる損失」と捉えている人とは話が微妙にかみ合いません。

微妙に、ということがポイントで、なんとなく会話が流れていってしまうので、逆に危険なのです。

 

ここでは「経費」を例にとって考えていきます。

 

経費ってよく使いますよね?

会社では、経費にするかどうかをめぐって、経理担当と営業担当が言い合いをする、なんて風景も珍しくなさそうです。

「俺の力で経費にしてやる」なんて交渉上手な営業社員もいそうです。

経費とは、会計に関係がありそうです。

では

ton96o.hatenablog.com

純資産、負債、資産、費用、収益 どれにあたるのでしょうか?

 

上記経理担当と営業担当のやり取りでは、費用にあたります。

 

少し引っかかる言い方をしました。

違う用例もあり得るからです。

 

それはこんな場合です。

税務署からお役人が会社にやってきました。

「これは経費として認められません」

何を言っているのでしょう?

 

この例でいうと、損金として認められない、という意味になります。

 

新しい言葉が出てきました。

損金。

これは、税法上の費用のようなものです。

税金(ここでは法人税とします。法人住民税などは興味がある方が調べてください)は会計上の利益に対して一定率をかけて算出されます。基本的には。

会計上の計算と、税務上の計算では少しだけ違うのです。

税務上の利益は、会計上の利益を基にして、少し修正をして算出します。

税務上の費用が損金、税務上の収益が益金です。

(覚える必要はありません。

 この記事で言いたいのは、損金や益金の仕組みではないので。)

 

さて、税務署の方のお話に戻ります。

経費として認められない=損金として認められない、であることは説明しました。

税務上の収益ー税務上の損金=利益、であり、法人税の算出元です。

つまりは、「利益はもっとあるから法人税が高くなります」と言っているのです。

 

そう考えると、冒頭の交渉上手のセリフが滑稽であることがよくわかります。

「俺の力で経費にしてやる」

これが、接待交際費の領収書を会社に受け取ってもらい、建て替えた金額を回収する。費用にする、という意味であるならば

・適切な金額なら経費にならない方がおかしい。ゆえに経費なったのはあなたの力ではない。

・不適切に高額な接待交際費を、無理やり会社に払わせるという意味なら業務上横領。刑事罰を受けかねない行為。懲戒解雇も視野に入る。

そうではなく

これが、税務署に指摘された損金不算入の金額を損金として認めさせ、法人税を低くする、という意味であるならば

・あなたはコネのある税理士か何かですか?税金は法律に基づいて徴収されますよ?税務署がやってくる=何かかぎつけてやってくる、わけで、手ぶらで返すわけにもいかないんですけど。。。国家権力と戦ってくれるんですが。頼もしいです。

 

国家権力と戦う営業マンは頼もしいのですが、きっとそれは想定していないでしょう。

 

 

特に新卒二年目あたりまでの方へ向けてなのですが、何気ない言葉もよくよく調べてみると、いつも自分がいるコミュニティでしか使えない用例であったりします。

言葉の意味は使い方で決まります。

例えば今日、今、この瞬間から、何か良い事が起きた時に「りんご!」と叫ぶ風習が日本中で継続的に起きたとすれば。。。。。。

広辞苑が書き換わるはずです。

りんご:1、果実の名称 2、喜ばしいことが起きた時に発する掛け声

コミュニティの外の人と話がかみ合わない場合、言葉の意味合いが違うのかもしれません。相手を非常識だと詰るのではなく、一般的にはどうなのか、一瞬立ち止まって調べてみることをお勧めします。

 

P.S.

りんごと広辞苑の話はロジックツリーでいうところの

具体例が増えたために幹の部分を修正しなくてはならなくなった事例、に当たります。

お時間があればこちらもご覧ください。

ton96o.hatenablog.com