真実?正しさ?適切?後で考える。
— ton (@ton960) 2018年6月5日
Lord of the fliesは内容を知らないときっとぴんと来ない。
納得感?目標を決める事で、そこに至る経緯がきっと論点。
原文も?
“Coinbase式、最強の意思決定法” by @NestHongo https://t.co/xzwWsDmibF
Coinbase式、最強の意思決定法 – Masahiro Sameshima – Medium
今回はこちらのブログ記事を参照させていただいて、意思決定法について考えます。
冒頭で引用させていただいた記事は、「Coinbase」という会社で行われている意思決定だそうです。(原文;How we make decisions at Coinbase – Brian Armstrong – Medium)(原文もご覧ください)
COINBASEはアメリカの仮想通貨取引所(の運営会社、取引所自体は「GDAX」)です。有名な企業で非常に儲かっています。上場せずに10億ドルの時価総額に達した企業をユニコーン企業というのですが、COINBASE社はそれに該当します。10億ドル、、、1000億円。現実味がわきませんね。
そんなすごい会社がどのように意思決定をしているのかという知恵を拝見しようという事です。
記事の見出しに従って、私も考えてみました。
まずは、良い意思決定とは何か、です。
私の考えでは、意思決定は何らかの不満を残す事が前提になります。
なぜなら、
全員が納得のいく答えは、あるのかもしれませんがそれは説得や答えを探すのに時間がかかります。
また、戦略の要諦として、私は「バカなる」を信じます。これは「普通の人がバカな!と思えることであり、かつ、理屈が通って外部環境にもあっている戦略が、良い戦略である」という考えです。
であれば、全員の同意はもちろん、過半数の賛成すら取ることはできないはずです。
ton96o.hatenablog.com
(バカなるの使い方の注意点は以下の記事)
マーケティングの観点でいうと、ターゲティングで相手を絞る事。
前に進むために、不満はあるかもしれないが、その時点でのベストを決める事だと。
(ベストなものを選択するのではありません。決めたものがベストになります)
つまり、私の考える良い意思決定とは、不満を許容しつつも組織が進むべき道を決めてしまう事、です。
多分、意見を寄せ集めて、真ん中をとるようなものではないと思うのです。
決めてしまう。
多分ここがポイントです。
記事の方ではいろいろな観点から、良い意思決定と悪い意思決定が対比されています。
対比されているのはわかりやすくてありがたいのですが、なんでしょう?
例えば、良い意思決定は真実を求め、悪い意思決定は正しさを求めるのだそうです。
原文では良い意思決定は真実を求め、悪い意思決定は正しくあろうとする、と読めます。
真実と正しいというのはどう違うのか。わかりずらいですね。
好意的に解釈すると、真実は絶対的なものであり、正しいというのは相対的なものなので、悪い意思決定は手に入らないものを求めて、時間を浪費する、と言いたいのかもしれません。
例えば、
人類が生きていくために自然を守らなくてはいけない、というのはデータ次第ですがおそらく真実でしょう。
一方で、人間と自然の正しい接し方は?に対する意思決定は「人間も自然の一部であり、人工物もその自然が生み出したといっていいのだから、人工物を排すのはむしろ不自然なのでは?」云々という話にまで広がりそうです。
であれば、植物がないと酸素が薄くなって死んじゃうから、森林伐採やめようぜ!というのが真実ではないでしょうか?
正しくあろうとするのは難しそうです。
イマイチですかねぇ?
意思決定権者の件は良いですね。いないと困ります。
リンカーンでしたか、閣僚全てが反対したが大統領権限で何かの法案を可決した、という事例があったように思います。
リンカーンのエピソードはスッと探せませんでしたがそれ相応の権限を持っているようです。(参考;アメリカ大統領の権限&議会との関係について調べてみた - NAVER まとめ)
適切な責任者数、というのは何とも言えません。
多くても少なくてもいけないのはわかるのですが。
多すぎるよりは少ないほうがましな気がします。
というのも、多すぎると「みんなで決めた」感が強くなり、だれが決定権を持ってだれが責任をとるのかが、わからなくなるのです。
情報が考慮されている、と提供者が感じるか否か、それに対し不平不満がないか。
確かに意思決定機関で意見を言っても、ないがしろにされると決定に従いずらいです。
人間は感情の生き物なので。
次が非常に難しいと思います。決定に対し反対の人が、コミットできるか。
これは、なんというか、私の知見だけで恐縮ですが、そんなできた人はなかなかいません。みんな、従っているようで面従腹背で、「俺は反対をした!」と、手抜きをするのが極々普通。Coinbase社がすごいとすると、ここなんじゃないでしょうか?
無意識のバイアスは取り除けません。最小限にすることはできますね。
やっぱり、Coinbase社の社員がすごいんじゃないでしょうか?
次は情報がどのように伝わるかのスタイルです。
ピラミッド構造であれば、上から情報が下りてきて、アンオフィシャルに横や斜めの情報共有が行われることが常です。公式にネット状・網目状に情報が行き渡れば、漏れはなくなります。
これができるのであれば、情報を持っていることがパワー(権力)にならず、皆、納得性を持った考察ができ、意思決定に参加できると思います。
ラスト三つは特に。
記事でいうところのマトリクスですが、私としては、
1)情報の共有方法が網目状であり十分な情報の元で意思決定ができる
(情報の獲得に無駄な労力を払うことがない。)
2)Coinbase社の人は、人間ができている
のではないかと思うのですが。
さて、次へ。
Coinbase社のフレームワーク(お決まりのやり方)ですが、特にこれといったことは見当たりません。
あえて言うなら、再決定するまでの期間を設けているところでしょうか?その期間を設けることで熟慮することが可能です。
“A good plan, violently executed now, is better than a perfect plan next week.”
こちらを引用していることで、スピード感を重視していることがわかります。
どこでもスピードが重要とは言うのですが、ダメなところは情報伝達がうまくいっていません。決めても、他の人に伝わっていなければ意味がないのですね。
Coinbase社の情報の共有方法が活かされるところだと思います。
Discussion of Pros and Consに関しては異議があります。
経験上、先に回った人の意見に、後に回った人が乗っかる可能性があります。
また、乗っかったわけではないのに重複する場合もあるので、紙に書きだして発表という形式が良いように思います。
でも、Coinbaseはこれでやっているんですよね?
社風なんでしょうか。
バカなる的な話は記事でも出ていました。意思決定者の人数の部分です。
記事の表現でいうと、「逆張り効果」です。
戦略を決めるときは、社長自ら、一人で、全責任を負って、という事ですね。
最後、最終判断では「a brief rationale」これがポイントだと思います。
簡単で良いので根拠・理由を添えておく事が大事です。
後の反省に活かされます。素晴らしい。
失敗しやすいケースが列挙されていますが、ありがちなのが「なげやり」だと思いいます。私が付け足したいのは、意思決定における「なげやり」だけでなく、反対意見を投じたにもかかわらず意図しない方向に結論が出たために起こる、実行時の「なげやり」です。
ここまで、冒頭のブログを元にCoinbase社の意思決定からどこを学ぶべきかを見てきました。
1)反対意見を持っていた人が、決定した内容に懸命になれる
2)情報共有がちゃんとなされている
3)再検討する目での期間をあらかじめ設けている(余裕・スラックがある)
この辺りが素晴らしいところで、すぐにでも真似できる点は3)でしょうか。
1)は人柄や会社の文化なのでなかなか変わらないと思われます。
2)も真似できそうですが、どうでしょう。ダメなところはだめなのです。
「これで共有しておいてください」という話を出しても、別の責任者の組織には話が通ってないとか、ザラにあります。結局、私が伝えた責任者と、伝わっていない組織の責任者の仲が悪かった、なんて事があるのです。
私なりの結論としては
特効薬はないので、皆で一生懸命になるしかありません。
反対意見が通ってもスねずに仕事しましょう。
情報の共有をちゃんとしましょう。
となります。
小学校の目標みたいな感じですが、これが結論です。
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