日本は、今、デフレのようです。
不景気なのですね。
消費者目線でいうと、財布のひもが固くなる。
経済学的な言い方だと、貨幣の購買力が上昇している。
そんな状況です。
デフレを脱却する解決策の一つは、皆が消費をすることです。
皆がお金を使うと、景気が上向くわけです。
ですが、一市民の立場から考えると、
「給料で最低限の生活をしたら、後は貯蓄に回す。(景気が悪く収入が減っており)将来に不安があるのに、余分な消費・浪費なんてとんでもない」
そう考えるのは自然だと思われます。
皆が消費をすれば景気が上向く。
これが正しいのであれば、デフレ脱却のためには皆が預貯金しないこと(=消費に回すこと、お金を使う事)が合理的です。
しかし、自分事とすれば「将来の不安もあるから貯金しておこう」と考えるのが合理的です。景気が上向く時には物価上昇が予想されますので、使ってしまう方が合理的です。
この、全体と個人の合理的な行動は矛盾しています。
(デフレを物価が下がると捉え、「デフレ時は使い時」というご意見があるかもしれません。その方は、価格の下方硬直性でググってみることをお勧めします)
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話を仮想通貨に移します。
私は、仮想通貨の価値を「それが使い道を得て、実際に使われる度合いから算出できるのでは?」と考えています。
それを前提とするのであれば、仮想通貨が使われれば使われるほど価値は増え、法定通貨建ての価格が上がるはずです。
例えば
BTCであれば、現状、送金・決済に利用されています。
BTCを送金をすることはBTCでしかできません。
送金料はBTC建てだからです。
だから、国際送金やLNを利用したマイクロペイメントが実際に使われれば使われるほどBTCを持っている人は得をします。BTCの価格が上がるからです。
ETHであれば、その使途にDAPPSを動かす事が挙げられます。
DAPPS(BTCをDAPPSとする観点からすれば、ETHに立脚したアプリケーション)をETH上で動かすにはgasを払わねばならず、それはETHを使うことに他ならないからです。
だから、DAPPSを使えば使うほどETHの価格は上がるでしょうし、DAPPS開発者にgasの中の幾らかが支払われる仕組みが採用されるDAPPSができたとすればDAPPS開発のモチベーションになるでしょう。
より良いDAPPSが産まれ、使われる。
その、良いDAPPSを使うにはETHを買うしかない。
買われるから、ETHの価格は上がる。
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ですがね。
投資として
BTCをたくさん持ってる人、ETHをたくさん持ってる人が使うのでしょうか?
価値の向上に貢献した、仮想通貨を使った人は、使った分だけ仮想通貨の数量を減らしているので 、法定通貨に換金する際、損をします。
ジレンマに陥りそうです。
投資商品としての仮想通貨と、財やサービスの対価としての仮想通貨で価格が違うので話が若干異なります。
が、デフレ時に貯金する人と、仮想通貨をガチホ(HODL)している人は同じ状況なのだと私は考えます。
これは、非難しているのではなく「合理的に考えるとそうですよね?」という確認です。私自身、目的が同じならそうするでしょう。
どちらも、自分は使わず保持し続け、自分が得をするところ(損をしないところ)でバーンと使おうという点は同じです。
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各個人の合理的な判断が、大きな視点から見ると不合理な結果に陥ることはわかった、と。
じゃぁ、どうすればよいのか?
世の中のデフレは、政府が対応することで一定の効果を期待できそうです。
財政赤字の点は考慮すべき・憂慮すべき事項ではあると思いますが、現状どうすべきかと言われると、政府がお金を使うべき時なのではないかなぁ?と。
だから私は、今は、緊縮財政も消費税増税もやめた方がいんじゃないかなぁ?と思っています。 景気が悪い時にお金を使ってくれる誰かは政府だからです。
仮想通貨に話を移すと、やっぱり誰かがどこかで使わなくてはいけなさそうです。
それは、一段階抽象化して、誰かがどこかでネットワークの価値を上げる行動をしなくてはいけなさそうだ、と言い換えられます。
中央がいない仮想通貨の世界では、政府に責任を押し付けることはできません。
誰かがどうにかせねばならないのです。
そうなると、誰かの意図が存在しない、より純粋な実需によってその価値は創出されると言えそうです。
それは、時にはBTCを仮想通貨としての「安く国際送金ができる」という機能を利用する為の法定通貨の乗り物として利用した国際送金であり、 時にはDappsを利用することだったりするでしょう。
「となると、Dappsを開発すればいいのかね?」
解決策の一つです。
しかし、一つ懸念点があるのですね。
それは、「どうしてもP2Pネットワークを利用したアプリケーションでないとできない事か。作る能力がある組織体が必然性とインセンティブを実感しなければならない」という点です。
Dappsの開発を頑張っておられる方にイチャモンちゃもんをつける気はありません。
しかし、考えるにつれ、非中央集権化されたP2Pネットワークシステムを使わないと動かせないDappsって何だろう?という疑問に対する答えを、私は見つけずらいのです。
例えばとても面白いゲームが、ETH上でしか使えないDappsとしてリリースされたら、きっと、皆がETHを買うでしょう。そのDappsで遊ぶためです。それによって、確かにETHの価格も上がるように思います。
デフレ時に貯蓄をしている個人に対し政府がカンフル剤として財政支出を行うように、どこかのプログラマが超絶に面白いDappsゲームを当該ネットワーク上で発表するのですね。
その、プログラマにメリットはあるんでしょうか?
そんな面白いゲームであれば、既にユーザーが根付いている既存のプラットフォーム~Xboxとかスマホとか~で出せばいいのではないでしょうか?
DappsゲームにおけるNFTを利用した、資産(?)形成という理屈は理解しています。
それはユーザー側のメリットであって、プログラマがゲームをDappsゲームとして作る動機にはなり得ません。
先述のようにgasを動作分と開発側の取り分に分けるような仕組みや、ETHでそのDappsゲームを動作させる別トークンを購入してもらう仕組みにするなど、運営側が元を取る仕組みもあるでしょう。
それは仮想通貨(P2Pネットワーク)を使ったゲームでもできることであって、Dappsゲームとして作る動機にはなり得ません。
自然な流れで、「こうこう、こういう理由でDappsゲームでないといけない。だから開発する企業が多数出てきて、その中から傑作が生まれるのだ。そうなると、その傑作をプレイするために仮想通貨を購入する人が出現し、当該仮想通貨の価値が向上するから法定通貨建ての価格が上がるのだ」という流れが、作る能力がある人に予見できなければなりません。
作る能力がある人・組織体が、何らかのメリットを感じていなければなりません。
スマホゲームではなく、Dappsゲームを作る動機はどこにあるのでしょうか?
これは、PoW通貨において、マイニングをする事業者が設備投資をするジレンマにも似ています。
Dappsゲームを作ることが巡り巡って当該ネットワークの価値を上げることにつながり、また、Dappsゲームを作り運営することの報酬が当該仮想通貨を得る事という認識が正しいのであれば、別のロジックで当該仮想通貨の価値が上がる(か、下がらない)シナリオが必要なように思います。
仮想通貨を換金した法定通貨の世界で私たちは生活しているからです。
少なくとも現在は。
「同行は当初、トークン発行にイーサリアムのブロックチェーンを活用を行なっていたというが、Tezosブロックチェーンに変更を行なったという」
— ton (@ton960) 2019年7月4日
世界初、投資銀行が仮想通貨STOを実施 金融資産のトークン化でTezosブロックチェーンを導入 https://t.co/cVWsIXqtxS @coin_postさんから
となると、ブロックチェーンの対改ざん性・落ちないネットワーク・情報の透明化を生かし、必然としてビジネスロジックを乗せるという発展の仕方が納得しやすいシナリオです。
であれば、ビジネスロジックを持っている既存のプレイヤー・企業・組織体に選ばれるかどうかが、プラットフォームとしての仮想通貨の価値につながりそうです。
尚、BTC等の場合、既存のプレイヤーに相当するのは決済をする人・組織、全てです。
上記ツイートのニュースで、XTZが選ばれた理由が大事なんじゃないかなぁ?
ではでは。
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