それだけの知見がないからです。
と、端的に言うと一言で終わってしまうので、いつも通りゆるゆると説明していきます。
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大学生時代、多くの大学と同じく私も三年生に上がると同時にゼミに所属しました。
ゼミとはゼミナールの略で、教授をグループで囲んで専攻分野について深く勉強するのですね。卒論にも関係してきます。経済学のゼミなのに卒論は刑法とかありえないわけです。
その師事した先生が面白い話を語ってくださいました。
昔の話ですが。
私が先行した分野・先生の専門分野において、母校のOBでもある天才が若い時分(といっても、おっさんの年でしょうが)に「教科書」を出したという話です。
大学生に対する教科書を出版するというのはその分野の大家が行うことなのです。
にもかかわらず、その若い天才は教科書を出してしまった。(そう、「出してしまった」んです)
結果的に、その天才は才能で乗り切るのですが、それほど教科書を出すということは広い知見と深い知識が必要だと。原体験というには大げさかもしれませんが私の心には深く刻み込まれたのです。
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そんなのは、大学時代のトラウマ・洗脳といっていいんじゃないのか?
そうかもしれません。
ですが、改めて客観的に「教科書を書くこと」「自分より知らない人に教えるということ」を考えると、私にはとても無理なことだと思うのです。
それは、自分よりはるかに多くの知識と洞察力を持つ方を知っているからですし、同じようなテーマで書いている人がいることを知っているからです。
それは、下手な解説をすると、読む方を誤解させてしまうことにもなるからです。
下手な解説をして私自身が非難される、それは別にいいんです。それは、私が力不足なだけなので。
しかし、人に誤解を与えてしまうのであれば、罪深い。
一応
減価償却に関する記事等、初歩的な概念の記事も書いていますが、それはあくまで私の理解の文字起こしであり説明です。解説とは峻別して書いてきたつもりです。
むしろ、当ブログ内で使いまわせる部品としての記事という意味合いが強かったりします。
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では、解説記事や解説動画を作っている人はどうなのか?
他人様のことですのでね。私がどうこう言うことではありません。
むしろ興味深く拝見していたりします。
それは、私自身の理解の再確認です。
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一方で、本当にまっさらな状態でその分野を学ぼうという方は、安易に「解説」モノを読まない・視聴しない方がいいのではないかと思います。
手軽で短時間で分かった気にはなれるので良いんですけども。
逆に、興味のきっかけにはなるかもしれません。
手軽で短時間で分かった気になれますので。
私は、出版物を読むことをお勧めします。
P2Pを愛する方からすると、出版社という中抜きが発生しているのは気になる事かもしれません。逆に言えば、出版社が入っているということは構成や事実チェックが入っていることでもあります。その安心感から私は出版物をお勧めします。
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最後に、解説というのはこういうものじゃないかなぁ?という具体例を出して終わりにします。
割り算の解説をします。
分数の割り算ができない方、いらっしゃいますか?
「小学生の頃は、なんじゃこりゃ?と思っていたけれど、今はさすがにできる。」そういう方が大半ではないでしょうか?
「割り算をするというのは逆数を掛けることなんだ。だから分数の割り算は、ひっくり返して掛けるんだ」そういう方もいらっしゃるでしょう。
ですが、それは解説になっていません。問題の解き方の説明です。
そのあたりをスッキリさせたいと思います。
2÷5はいくらでしょうか?
少数で書くと0.4ですし、分数で書くと「2/5」ですね。
「÷」を「/」に置き換えて、分数にすることができそうです。
では
2/5÷3/7(5分の2 わる 7分の3)はいくらでしょうか?
=2/5×7/3?
それだと、大事な部分をすっ飛ばしています。
先ほどを思い出して、まずは分数で表現します。
=2/5 / 3/7 (7分の3 分の 5分の2)
これだと非常に見栄えが悪いですね。何を書いているのやらわかりません。
比率の扱い方として一つのコツは分母を1にしてしまうことです。
わかりやすく、計算ミスをしずらくなります。
では「2/5 / 3/7 (7分の3 分の 5分の2)」の分母を1にするには?
「1 / 7/3(3分の7 分の 1)」を掛けると分母は1になります。
しかしこれだと計算結果が変わってしまいます。
なので、こちらをかけることにします。
「7/3 / 7/3(3分の7 分の 3分の7)」つまりは1です。
分子はややこしくなりそうですが、分母は1になります。
まとめます。
2/5÷3/7(5分の2 わる 7分の3)
=2/5 / 3/7 (7分の3 分の 5分の2)
=2/5 / 3/7 (7分の3 分の 5分の2) × 7/3 / 7/3(3分の7 分の 3分の7)
分母は1になり、分子だけが残り
=2/5×7/3
後は計算するだけです。
割り算という行為は、割る数が一単位だといくらになるのか?を求める行為、だということがわかります。
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世の中はこんなに簡単に解説できることばかりではありません。
プログラミングや数字を扱っていると「世の中は認識できる事だけじゃないんだよ?」とか「見えない部分に大事なことがあるんだ」というお話をいただくことがあります。
どうも、「世の中は数字でわかる」と考えているような印象があるようです。
私の不徳といたすところですが、私自身はそう考えていません。
むしろ「わからないことだらけだからこそ、わかる部分を増やしていく方がいいんじゃないかなぁ?」と考えていますし、世の中の心ある人はそうやって少しでも制御可能な領域を増やしているんだと思います。
(世の中のわからないことをそのままにしているのは、コストメリットの問題か怠惰なだけです)
世の中の優秀な人が、必死こいて増やした「一般に理解できる部分」を、私は「解説」なんてできません。
(繰り返しますが、他の方が解説記事や解説動画を書こうが作ろうが、別に。)
今後もこのブログでは、私の考えたことや備忘録を書いていきます。
それが、読む方にとって、わからない部分からわかる部分を増やす役に立つのであれば嬉しいです。
ではでは。
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