こちら
社会的パフォーマンスと財務的パフォーマンスはトレードオフなのか?~マイクロファイナンスファンドへの資金提供の意義 その②~|クラウドクレジット
を拝見して、納得がいかなかったので。
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上記記事は
ペルーマイクロファイナンス支援ファンド1号:ソーシャルレンディング商品情報|クラウドクレジット
こちらを題材に、社会的リターンを狙えば利回りが低くなるのか?その原因は?という話をしています。
その結論は、情報の非対称性にある、とされています。
もう少し詳しく、クラウドクレジットさんの記事を私の言葉で要約します。
原則、与える効用が大きければ大きいほど価値が増えるのでリターンも増える。
しかし、情報の非対称性があった場合はどうか?
身近な例でいえば不動産や自動車の売買が挙げられる。どちらも圧倒的に売り手が有利だ。素人は見るべきポイントや相場など、プロと同等レベルにまで知見を広げて買うことはできない。
この話をマイクロファイナンスに当てはめる。
お金の流れは「投資家→マイクロファイナンス仲介者→最終需要者」である。
最終需要者は不動産や自動車を買おうとしている我々と同じく、仲介者より情報が少ない。そのため不利益を被る可能性がある。具体的には仲介者のノルマに踊らされ必要以上に資金を借りてしまい返済できなくなってしまう、等。
ぶっちゃけ、最終需要者が見ているのは利率であり、商品の品質ではない。
であれば、悪質な金融商品や業者に対抗すべく、真面目な金融商品も利率を引き下げて対抗するしかない。
以上、私の理解です。
何かあればコメントをどうぞ。
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情報の非対称性というのはあるかなぁ、とも思います。
しかし原因の一つであり、他にも主要な原因はあるんじゃないかと思うのです。
それは、最終需要者が当該投資機関において生み出すリターンが低い。その期間のリターンに対して適切な利率が設定されているだけじゃないのか?説です。
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マイクロファイナンスでいうと、まず、最終需要者がお金で困っている。と。
お金を借りることができれば事業を行って収益を上げられる、はず。
だが、unbankedな人たちは多くいて、お金を借りられない。
投資信託や株式でお金が届くのは、そういう小口の個人や中小零細ではない。
だから、ソーシャルレンディングがお金を届ける。
こういう流れのはずです。
二行目の、お金を借りることができれば事業を行って収益を上げられるはず。
ここの部分が私の主張のキモです。
最終需要者が事業を行って、それによる収益をもって元本と利息を返済するのです。
事業が成功しないと返済はできません。
事業が上手くいかなければ投資家に支払われる利息は少なくなります。
マイクロファイナンスにおいて、最終需要者が資金提供によって生み出すことができるリターンの絶対額が小さく、さらには貸し倒れリスクが高いのでは?
単純にここの部分じゃないかなぁ?と思うのですね。
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クラウドクレジットさんの姿勢に「いちゃもん」をつけるわけではありません。
実際
ペルー・小口債務者支援プロジェクト8号:ソーシャルレンディング商品情報|クラウドクレジット
同じペルーなのにこちらは年利10.5%。なのに2.5%なのはどうかな?ということで私は投資していませんし、Twitterにも「この利率だと私は投資をしない」とつぶやいた記憶があります。
我々クラウドクレジットさんの利用者は商品の選択ができるので、嫌なら投資しなきゃいいだけの話です。
だから、上記は純粋に、記事のロジックに対する疑問と感想です。
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では、どうすればマイクロファイナンスにおいて高利率を達成できるのか?
大前提を確認します。
・マイクロファイナンスにおいて、最終需要者が資金提供によって生み出すことができるリターンの絶対額が小さく、さらには貸し倒れリスクが高いと推察される
・そして、マイクロファイナンス案件を通じて借りられる額というのは最終需要者にとって少なく、利率は高いはず(信用がない人に貸すこと、倒産リスクは高いはずと考えると自然)
・だから、マイクロファイナンス案件を通じて返済実績ができた最終需要者はunbankedから卒業して銀行あたりに口座を作る事ができるようになると、銀行からの借り入れにシフトしてマイクロファイナンス案件からは卒業
社会的には良いことのような気もしますが、貸し手という立場からすると「私たちは国でも公的機関でもないのに(そういう補助金が出ているわけでもないのに)巣立ちを見守るだけか」と、少し損した気分にはなります。
信用ができたら、また借りてほしい。今まで通り高利率で今度はより大金を。
それが貸し手としての偽らざる本音です。
もちろん、一方で、日本に生まれることができた時点で運がいいだけ。投資を行うだけの余剰資金があるのも運がいいだけ。それを考えると別にいいのでは?
これが人間としての偽らざる本音です。
どちらも本音なので、我慢させたり諦めるのは潔すぎです。
高度な工夫を模索すべきです。
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前提を確認したので具体的な解決案を書きます。
貸付期間を長期にすることです。
1年のリスク(振れ幅)より、5年のリスクの方が大きいわけです。
1年後はこの程度にしかならないだろうなぁ、という予測は、それなりの審美眼を持つ人が見ればそれなりに当たるように思います。しかし相対的に5年後の将来像は当たる確率は減るはずです。大きくなるかもしれないし、倒産するかもしれない。
(例外がある事は承知の上で)事業において1年や2年の成長は知れています。
だったら、長期的に高利率で貸し出すという選択があってもいい。
もしくはエンジェル投資です。
事業の初期から資本を入れておけば当たったときのリターンも大きいでしょう。
日本におけるエンジェル投資プラットフォーム、FUNDINOさんでは新株予約権の取り扱いも始めました。事業主としては「純資産は欲しいけれどオーナーシップは渡したくない」という要望にこたえる形だと思います。
FUNDINOさんを利用する方は私も含め、金銭的なリターンを得られればそれでいいので、新株予約権・優先株。ワラント債でも結構かと思います。
同じことが、外国へのマイクロファイナンスで起きてもいい。
この辺りは案件の組成がとんでもなく難しくなるうえ、長期になるとデフォルトが増えるでしょう。そうなるとクラウドクレジットさんが取り扱うべきものかどうかはわかりません、が、理屈で考えると長期投資できる媒体として考えられます。
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というわけで、結論です。
社会的リターンを狙いリターンが低くなるのは情報の非対称性だけが原因ではない。
現時点でそれだけのリターンしか最終需要者から生まれないのであれば、リターンが低くなるのは当然。
本当に、経済的発展の礎となっているのであれば長期的な貸し付けを行えばリターンが上がるはず。
ではでは。
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