かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

配当型仮想通貨の理論値算出は簡単なのか考えた

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ETHが証券に当たるか否かの議論(調整?)が進んでいるのでしょうか。

配当型の仮想通貨だと価値の算定が楽だという話を、複数見聞きしました。

今回はこちらについて考えます。

 

配当と言われてすぐに思い浮かぶのは株式でしょう。

株式の理論値を、配当金と期待収益率を用いて計算する手法があります。

将来にわたって配当金を期待収益率で割って現在価値を出し、その総和を出す。

これが一般的な(成長率を加味していませんが)配当金から株価の理論値を計算する方法です。

(教養の一つで、現在はあまり使われていないと思います。)

 

上記が概要です。もう少し詳しく説明しておきます。

まず、割引現在価値とは何か。

「今日の100円は、明日には100円+利息になる」という理屈から求められる手法です。

上記の理屈は、国債や銀行預金をイメージしてください。

額面が守られたうえで、少なくても幾ばくかの利息が付くはずです。

それが例え1日であったとしても、です。

少し話を変えます。

毎日100円を受け取れるとします。

明日受け取るはずの100円は今日の時点ではいくらになるでしょうか?

100÷(1+利息) です。

では、二日後の100円は今日の時点でいくらになるでしょうか?

100÷(1+利息)÷(1+利息) です。(1+利息)で日付分、割ることになります。

この法則にのっとると、100÷(1+利息)÷(1+利息)÷(1+利息)÷(1+利息)・・・・となり収拾がつかなくなります。しかし、どんどん値は小さくなり、無視できるほどになります。

これは株式自体を売るときがその遠い未来であることを考えると、株式を売ったときの値段も無視できます。(という理屈です)

なので(100÷(1+利息))+(100÷(1+利息)÷(1+利息))+・・・の数列の総和を求めて

理論株価=配当金(ここでは100)÷利息(1+利息ではない)

となります。

(実際は利息でなく期待収益率・加重平均資本コストを使います。

 ここでは利息とします。

 この記事で大事なのは、割引率に何を利用するかではなく、

 割引現在価値の理屈だからです。)

 

よって

例えば利息が2%として配当金が毎年100円の株式の理論値は

100÷0.02=5000円

となります。

 

ほう、なるほど、と。

「株式において、現在は使われてない(?)とはいえ、そういう手法があるのであれば仮想通貨にそのまま使えばいいじゃないか

そうおっしゃる方がいるかもしれません。

でもですね、よく考えてみてください。

 

配当型仮想通貨 HITO(ハイトウ) というものがあるとします。

その理論値を円建てで算出するには、上記の算出式「理論価格=配当金÷利息」に加えて、どうやって自分が望む通貨(ここでは円)に換えるかまで考えなくてはなりません。

HITOの配当が、HITOであるのであれば、それを円に換算するプロセスが発生します。

HITOの各期の円建てでの価格が大きく影響します。

(国内の取引所にHITOが上場していなければ、媒介するであろうBTCやETHの価格の影響をも受けてしまいます)

単純に上記の公式を使えないことがわかります。

株価の理論値算定であっても、将来にわたって同じ状態が続くという仮定の上に成り立っているのだから、仮想通貨の理論値算定であっても円建ての価格を一定で考えていいのでは?という声もあると思います。

現在の仮想通貨界隈でそれが成り立つでしょうか?半年程度で240万円が100万円を切るようなボラティリティが高い世界です。

あまりにも無理があるように思えます。

 

 

円建ての価格の影響を受けない方法として、法定通貨に準じて使われる程コミュニティが受け入れてくれている状態が考えられます。

しかし、それは稀でしょう。

(ここで。コミュニティが受け入れてくれているというのは、

 例えば

 「ラーメン一杯、0.01HITO。明日も一か月後も0.01HITO」

 という状況です。

 (物価の上昇により、値段が上がることはあるかもしれません。)

 そのコミュニティでは、ラーメン屋さんは代金のHITOを使って

 仕入れまで行いますし、従業員の給料もHITOで払うでしょう。)

少なくとも現在は、仮想通貨払いといっても「仮想通貨が法定通貨建てでいくらなので、○○枚の仮想通貨を払ってください」という運用です。

 

さらには、利息の部分。

今回は簡単にただの利息としたのですが実際にはWACCと呼ばれる率を使います。

他人資本にかかるコストと自己資本にかかるコストを加重平均したもので、加重平均資本コストとも呼ばれます。

発行主体の加重平均資本コストが求められることが前提があって「理論価格=配当金÷利息」は成り立ちます。

果たして求められますでしょうか?

上場会社のように発行主体の財務諸表を読む事はできないのでは?

 

配当型の仮想通貨であれば、当該仮想通貨の理論値が簡単に算出できるというのは誤りだと思います。

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