かんがえる、かがんでいる人

考えたことをまとめます。

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YAHOO独自トークンについて考えた

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YAHOOが仮想通貨業界に参入だそうで。

ネットモールに関しては過去記事で

楽天独自トークンについて考えたこと

Amazon独自トークンについて考えた

の二記事を書きました。

楽天に関しては、出店者・利用者双方に対して使われメリットがある独自トークンが発行され、尚且つ売り手が買い手となる仕入れにもその独自トークンは使われ得る。単なる決済手段だけでなく、一つ上の、現在の法定通貨のような使い方(買い手の仕入れ面でも使われる)が想定される。

Amazonに関しては、利用者数が多く、独自トークンを発行した際のインパクトは絶大である。技術的にはこだわりがないが、相当量の取引を捌く技術が必要になる。銀行・証券など金融に参入するとなるとBNBのような使い方も想定される。(保険業に参入する可能性は考えずらい)

という内容です。

 

今回はYAHOOについて考えます。

 

YAHOOは、その多岐にわたるサービス内容では楽天に、規模という面、そして金融業に参入していないという面ではAmazonに似ています。

ポイントに関して言えば、現状カルチュア・コンビニエンス・クラブのTポイントを利用してはいますが、独自トークンを発行するとなるとポイントはトークンにまとめられるように思います。

 

モール系の独自トークンは決済系のものになると考えられるため、どうしてもポイントとの関係を避けて通れません。

rick08.hatenablog.com

こちらの記事が、少々古いですが図解されていましたので紹介させていただきます。

現状はPONTA(=ローソン)が楽天との相互利用を採用しており、リクルートとの関係もどうなるのかが注目されるところです。

 

ポイントに関して言えば、買い手の当該経済圏内での消費活動を支援するとともに、売り手をも囲い込みます。それによってより強力な経済圏の創出を目指します。そこでは購買状況のデータが取得され、資産化されます。

カルチュア・コンビニエンス・クラブはDVDをレンタルする会社ではなく、データを収集する会社なのです。

 

 

独自トークンの性質決済系のものとなり、何らかの法定通貨にペッグされたものになるでしょう。ボラティリティを抑えなければ価値の保存という観点からは貨幣としての役割が弱く、使いずらいためです。ペッグされるためには、その価値を安定させるための準備金か、企業もしくは国の信用力が必要だと思われます。Amazon楽天Yahoo!、いずれも大企業として名を馳せており、ペッグ通貨を発行したとしてもその信用は揺らがないと思われます。

 

決済系のトークンの利便性はAmazonでの考えをまとめた際に言及しました。

国際間で別企業体になっている場合の相互ポイント利用が現状は不可能ですが、国際間取引を前提とする仮想通貨の場合は、相互利用可能です。

(日本Amazonのポイントを米アマゾンで利用可能)

また、BNT等のクロスチェーンを利用できるのであれば、例えば楽天トークンをAmazonに変換して利用することも利用者にとっては可能となります。(発行体にとっては経済圏の確立に反する事なので、対策を打ってくる可能性はありますし、BNTの仕組みからすれば準備金の問題からの限界もあります)

 

決済系の独自トークンという点からすると、

囲い込んでいるサービスの多様性の観点からは「YAHOO>楽天Amazon」となりますでしょうか?

 

金融のノウハウがあるという点からいうと、楽天が一歩前にでていると思われます。

YAHOOが仮想通貨に参入という点も加味すると「楽天>YAHOO>Amazon」です。

SBIがあることを考えると、楽天の独走という体制まではいかないと思われます。

 

端末(スマホ+カード)を保有している点からすると疑いようもなく「YAHOO>楽天Amazon」です。

携帯端末、要はスマホ保有しているという点は独自トークンのO2Oビジネス(オンラインからオフラインのビジネス)の観点から手足を持っていることに等しく、なお、高齢者やデビットカードとしての利用を考えるのであれば

過去記事「楽天が手足を手に入れたことについて考えた」にありますように、スマホとカードを持っていることは手足を手にしている事に等しいと考えます。

スマホによる複雑なサービスの提供、DAppsの提供が可能です。

難しいことはわからない、簡単に利用したい、クレカではなくデビットカードとして利用制限をつけて例えば子供のお小遣いとして利用させたい、そのような場合はカードが良い端末となるでしょう。

そうなると、Amazonが断念した「Fire Phone」の開発が再燃する可能性も考えられます。

zuuonline.com

 

Amazonの銀行業参入の話もあります、いずれの企業が金融業に参入されるとしても、現在のバイナンスにおけるBNBのような役割を、その独自トークンに求めるでしょう。

 

そうなると、値動きの面での不安が出てきます。

というのも、うまく仕組みが回れば回るほど、独自トークンの価値が上がり、法定通貨にペッグしている意味がなくなるからです。

価値が上がっているはずなのに自分が持っている独自トークンの価値は例えば1枚=1米ドルのままというのはうま味がありません。

もしかすると、価値が上がればその分に対する枚数の増加をする仕組みが採用されるかもしれません。(株式分割と同じです)

逆に価値が下がれば、消却をしなくてはなりませんが、この業務の流れは仕組みづくりとしては難しい。独自トークンの価値が下がっていることは企業体の業績が悪いことを意味します。なのに、独自トークン一枚当たりの価値を減じせしめないために自社が取得し消却をしなくてはならない。あまりにも無理があります。

それらを考え合わせると独自トークンで実際に流通するのは半分以下で、多くは企業体が保有し、その価値を調整するための準備金としての役割を持つようになるかもしれません。

 

期間限定でのポイントが現在ありますが、その役割は消費活動の促進です。

これは独自トークンに置き換わったとしても無くなることはないでしょう。

使用期限がある独自トークンは出てくると思います。

 

三社いずれも、発行するのであればおそらく決済系の独自トークになると思われます。

スマホやカードなどの、独自トークンを使う端末を持っていることの重要性は高まります。

仮想通貨交換業を含む金融業への進出は考えられるところで、そこでの手数料はBNBに倣って独自トークンを利用するものと考えられます。

独自トークンの価値が上下する際には、法定通貨へのペッグを前提とすると発行量や保有量に応じた利息としての追加報酬枚数を調整する必要があると考えられますが、その実務は面倒なことになりそうです。一番シンプルに考えたとしても発行体が調整用の独自トークンの多くを保有することになるかと思います。

 

当たっている部分もあるでしょうし、的外れな部分もあるでしょう。

その試金石としてわかりやすいのが、Amazonの金融業参入です。(Amazonスマホ参入は可能性としては五分五分です、独自のスマホでなくてもDAppsを提供する方向に舵を取ることが想定されます。)